NPBで絶対的な存在感を放ってきたライデル・マルティネス。(C)産経新聞社

 今オフの移籍市場で最大級のキーマンとされる助っ人守護神の契約動向が最終局面を迎えている。

 現地12月9日に、全米野球記者協会所属の記者で、キューバ球界の事情通でもあるフランシスコ・ロメロ記者が自身のXに、今オフに中日から自由契約となったライデル・マルティネスが巨人との契約合意に近づいていると伝えた。詳細は不透明だが、2年総額1600万ドル(約24億円)の大型契約になるとされ、日本の野球ファンの間では大きな話題になった。

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 現在28歳のR・マルティネスは、NPB8年で防御率1.71、WHIP0.90、166セーブと安定したパフォーマンスを発揮。コストパフォーマンスの高い抑え投手は移籍市場においても稀有な存在で、目指す優勝に欠かせないピースとなる。

 セ・リーグ連覇を狙う巨人は今オフにFA戦線で大山悠輔石川柊太の獲得に失敗。大枚を叩く覚悟を見せながら狙った補強が出来ずにおり、浮いた資金をR・マルティネス獲得につぎ込む算段。これまでソフトバンクDeNAが最有力視されてきたが、ここにきて争奪戦のトップに躍り出た感がある。

 2年24億円の高額オファーは、キューバ人選手にとっては歴史的な規模だ。ゆえに母国メディアも嬉々としてR・マルティネスの動向を伝えている。アメリカに拠点を置くキューバのニュースサイト『Ciber Cuba』は「ライデル・マルティネスが伝統的な日本の球団と契約目前だ」と指摘。巨人入りの可能性を”ほぼ確定的”と報道している。

 R・マルティネスの巨人入りを「キャリアの大きな一歩」と強調する同メディアは、「この契約によって彼は日本に行ったラテン系選手のアイコン的な地位を確立する。間違いなく、彼のジャイアンツへの加入はブルペンを大幅に強化することを約束する」と断言した。

 実際、鉄腕クローザーの加入は巨人にとって“鬼に金棒”だ。現ブルペン陣には、今オフに契約延長が決まったカイル・ケラーとアルベルト・バルドナード、さらに絶対的守護神だった大勢が君臨。そこにR・マルティネスが加われば、層が厚くなるだけでなく、より強固な体制作りが可能となる。2年24億円の高額オファーには、その目論見を実現させるための本気度も感じられる。

 かつて母国メディアで「球団から放り出されるまで、日本でずっと投げきるつもりだよ」とNPB愛を強調していたR・マルティネス。巨人入りも秒読みに迫り、その起用法を含めて関心は高まっている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

巨人と契約合意間近の“最強守護神”R・マルティネス FA補強失敗が続く阿部体制が強める鉄壁ブルペン構築への「本気度」