以前よりも自由に旅行ができるようになった今、2024年も国内旅行への関心が高まっている。最大9連休となり、旅行には絶好のタイミングとなる今回の年末年始休暇に、どこに行こうか悩んでいる人も多いだろう。自然や歴史、文化を楽しめる場所から、おいしい食事を堪能できるスポットまで、魅力的な観光地はたくさんある。
そこで、観光人気が高い都道府県を調査し、ランキングしてみた。旅行先選びに迷っている人は、参考にしてほしい。
今回紹介する「都道府県『観光意欲度』ランキング」のベースとなるのは、全国1000の市区町村及び47都道府県の計1047地域を調査対象に、全国の消費者3万4813人の有効回答を得て集計した「地域ブランド調査2024」(※)だ。これは各地域に対して、認知度や魅力度、イメージなど全90項目からなる調査を行い、今年で実施は19回目(都道府県の設問は16回目)となる。
その中で「観光意欲度」は、「今後、各自治体に観光や旅行に行きたいと思いますか?」という問いに対して、「ぜひ行ってみたい」を100点、「機会があれば行ってみたい」を50点、「どちらもいえない」「あまり行きたいとは思わない」を0点として、加重平均した数値を算出した。
今最も訪れるべき、観光人気が高い自治体はどこだろうか。
トップは16年連続の北海道
圧倒的な人気の理由は?
まずは、ランキング上位の都道府県を見てみよう。
2024年版の「都道府県『観光意欲度』ランキング」の1位に選ばれたのは、北海道(70.9点)。2009年から16年連続でトップの座を守り続けている。
北海道の圧倒的な人気の理由は?
2位は京都府(60.6点)、3位は沖縄県(59.6点)、4位は福岡県(54.6点)、5位は東京都(53.2点)が続いた。
ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「北海道は16年連続で1位を誇り、その魅力は圧倒的。『ぜひ行ってみたい』と回答した人は53.1%で、他の地域よりも観光意欲度が高いことが特徴である。特に札幌市や函館市、小樽市といった主要観光地の人気が高く、地域ごとの差別化に成功している」と分析する。
また、函館市出身のアーティストであるGLAYの影響など、地元出身の著名人の活躍が観光をさらに後押ししており、地域全体で観光を盛り上げているといえる。
このように、地域創生を見据えた戦略が成功しているケースがある一方で、地域全体で観光を盛り上げる新しい観光戦略が必要な地域は多いと考えられる。
観光で訪れる側の人たちも、各地域の取り組みを事前にリサーチした上で現地を訪れると、より興味の幅が広がるのではないか。
(フリーライター 西嶋治美)
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