ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagram(@yuppe2)で、エッセイ漫画を描いている漫画家のゆっぺさん。なかでも、2021年12月から執筆してきた「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」は完結後、電子書籍が発売。読者からは「(ほかの人にも)読んでみてほしい」「おばあちゃんの言葉が今の時代に対してとても大切なことを言ってくれていて、時々読み返してる」「人生で一番大切なことが描いてある漫画」など感動の声が続出している。

【漫画】本編を読む

そんな話題の「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」の作者であるゆっぺさんに、本作について話を聞いた。

本作では、ゆっぺさんの祖母“キヨさん”の幼少期からの実話が描かれている。父の死により、幼いながらも養女として叔父の家で暮らすことになったキヨは、養母から酷いいじめを受ける日々を送っていた。

ある日、耐えかねたキヨは家を飛び出し自分を捨てた実母のもとへ。だが、実母もまた、長男の嫁にいびられ、こき使われるという過酷な状況に置かれていた。恨む思いもあったキヨだったが、そんな母を見て、「自分の置かれた環境を受け入れ、その中で幸せを見つければいい」という思いに至り、義母から押し付けられた大量の家事を優先すべく、退学を決意する…。

■作者のゆっぺさんに話を聞いた

ゆっぺさんに「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」やキヨさんについて、話を伺った。

―― キヨさんが学校を辞めた後、お義兄さんが(撤回してもらえるよう)土下座しに行ってくれたエピソードはすごく感動しました。キヨさんはお義兄さんやお義姉さんについて、どのように語られていますか?

お義姉さんは、おとなしい、優しい人。お義兄さんは、ユーモア溢れる明るい人だったそうです。2人がキヨを人として扱ってくれた(尊重してくれた)おかげで、辛い義母の仕打ちにも堪えられたそうです。

――その後、キヨさんは工員として19歳で家を出ることになります。当時の女性はキヨさんのように働きに出るのは一般的だったのでしょうか?

田舎ということもあり、女性が働ける場所は特に少なかったようです。たまに県外の大きな工場から求人の募集があり、近所や友人を誘って集団で出稼ぎに行く、といった感じだったようです。

――ようやく家を出られたと思ったら、お義姉さんからたびたび(家のことが大変な様子について)手紙が来て、結局家に戻ることになってしまいます。お義姉さんは大変だったとは思うのですが、今までキヨさんに押し付けていたのに、少し勝手だなと思ってしまいました。

そうなんです!私も勝手な人だな、と思いました(笑)。祖母(キヨ)は、義姉が自分の身代わりになってしまったという罪悪感でいっぱいだったようです。自分が家を出て自由(実際は自由ではないのですが)に暮らしていられるのは、義姉が犠牲になってくれたからだと。義姉から手紙がくるたびに胸が痛み、結局すぐに戻ってきてしまったそうです。

実母に捨てられ、壮絶な家庭内いじめに耐え、若くして働きに出て…と、懸命に人生を歩んできたキヨさん。いつも前向きな彼女の生き方に、感銘を受ける人は多いはず。まだの人は「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」をぜひ読んでみて。

取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)

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