日本が世界に誇る“モンスター”との大一番が刻一刻と迫っている。
2025年が間近に迫る中、12月24日にキャリアを懸けたビッグマッチに望むのは、WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)だ。師走の東京で対峙するのは、世界同級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)。いまだ敵なしの強さを誇る最強のチャンピオンである。
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無論、下馬評では井上の圧倒的優位という見方が強い。そのキャリアにおいて28戦無敗25KOという圧倒的な戦績を残し、各国メディアのパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じて誰が最も優秀なボクサーであるかを定めるランキング)でも1位を争う傑物の前には、血気盛んな26歳も及ばないという予想が大半を占めている。
もっとも、グッドマンの母国内では番狂わせを願う声は小さくない。ついには豪ボクシング界のスターも井上撃破の背中を押している。
現地時間12月12日に豪興行大手『No Limit Boxing』のYouTubeチャンネルに出演した元WBO世界スーパーウェルター級王者ティム・チュー(豪州)は、「歴代でも最強クラスの伝説的な王者を相手に、サム(・グッドマン)はどうやったら勝てるだろうか」と問われ、次のように予測をした。
「まずは一発当てろってことかな(笑)。とにかくボクシングではなんだって起こり得る。『モンスター』って言われるイノウエが相手でも一発さえ当たれば試合結果は分からない」
元WBAスーパー・WBC・IBF世界スーパーライト級統一王者のコンスタンチン・チュー(豪州)を父に持ち、ボクシングの恐さを幼少期から叩き込まれてきた名手は、「逃げるようなアウトボクシングなんてしなくて良い。KOを狙えばいいんだ」と断言。「簡単な試合じゃない」としつつ、井上と対峙した多くのライバルが選択してきた守戦ではなく、打ち合いに持ち込むべきという見解も示している。
「サムの方が身体は大きいし、フィジカル勝負に持ち込むべきだと思う。彼(グッドマン)は技術もあるけど、相手のレベルは今までとは違うからね。イノウエみたいな選手は少なくともオーストラリアにはいない。彼は山の頂点にいる。俺にとってもPFP1位だ。だから恐がらずに向かっていくメンタルが重要になる」
仮にグッドマンが勝った場合について「世界最大の番狂わせだ。国中が狂喜乱舞する」と期待を寄せたチュー。レジェンドのプッシュを受ける26歳の豪戦士は、苦闘が予想される井上戦でいかに振舞うか。そのパフォーマンスは興味深いものとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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