イギリスで95歳のおばあさんが、不安症やうつ病に悩む孫娘に向けた、メンタルヘルスのアドバイス動画がTikTokで共感の大反響を巻き起こした。
つらく苦しい気持ちにさいなまれ、押しつぶされそうになっていたクリスティーナさんに、人生の大先輩で、元教師の95歳の祖母、クリスティーンさんが教えてくれたのはささやかな日常のセルフケアのルーティンだ。
山あり谷ありの長い道のりを歩んできたおばあさんの言葉はいたってシンプルだが、その力強い言葉が刺さったという声がいくつも寄せられた。
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孫娘が95歳の祖母のアドバイスを投稿
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このたび話題となった動画は、イギリスのイーストボーンに住むアーティストで、不安症、うつ病、広場恐怖症を患うクリスティーナ・サイムズさん(30歳)が、祖母から受けたアドバイスだ。
彼女の祖母で、元教師のクリスティーンさん(95歳)は、ひどく落ち込んでいる孫娘に「物事を一つずつ進めること」を教えてくれた。
2023年に撮ったその動画を、今年の夏に再び見つけたクリスティーナさんは、それをさっそくTikTokでシェアしてみた。
苦しんでいた孫娘へ祖母からのアドバイス
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私はうつ病、不安症、広場恐怖症で本当に苦しんでいます。そんな私に95歳の祖母がしてくれたアドバイスを誰かに聞いてほしいと思いました。(クリスティーナさん)
元教師である祖母のクリスティーンさんは、動画の中でクリスティーナさんにこう語る。
鏡を見て、洗顔して、メイクをして、服を着る。そしたら今度はすべきことを声に出して言ってみる。「少し朝食を食べないとね」とか「お茶を一杯飲んだら、ちょっとしたあのことに取りかかろう」とか、口に出してみて
その瞬間に、他のことを気にかけたりしないで。今やるべきことに意識を集中させるのが大事なの
そして、そのすべきことをやりを終えた後に、こう思ってみて
「私は服を着たし、メイクもした。このタスクを済ませるのに2時間か3時間かかった。カフェでお茶を飲まなきゃ。ギャラリーに行ってお茶を楽しもう。それが自分へのご褒美。自分で勝ち取ったもの。それなりのことをやったんだから、私はそれに値する」ってね
あなたはそれを終えたことを誇りに思っていいの。何年も前にあった過去のことやこの先何が起こるかとか、未来のことなんて気にしないで
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「素敵なアドバイス」「泣いた」共感の声
クリスティーナさんは、久しぶりに見つけたお気に入りのアドバイスをフォロワーや友人に見てもらいたくなり投稿したそう。
すると予想以上の反響があり、多くのユーザーからたくさんの共感や感謝の声が寄せられた。
・ 私も不安症、うつ病、広場恐怖症を患っています。とても素敵なアドバイスですね
・ 精神科の看護師だけど、正しいと思う。自分を思いやって、できることの中から小さな目標を立てるといい
・ 「私はそれに値する 」って聞いたとき、こっちは心が折れちゃった。自分の中にはどうしても抵抗があって、いくら頑張ってもそんなふうに思える気がしないから
・ ある人が、すごく落ち込んでるとき、ベッドから出たら、必ずベッドを整えなさいと言ってくれた
↑ 私もそうしてます!(クリスティーナさん)
・私は広場恐怖症から回復してもうすぐ10年になりますが、この言葉はとても心に響きました。涙が出そう。私たちはそうした報酬を受けるに値します。ありがとう!
・泣いた。そうだ、私は生きるため一生懸命がんばってる!ってしみじみ思った
・泣けちゃった。私も朝起きて、シャワー浴びて、数カ月ぶりに髪を整えよう
↑私もとても嬉しいです!あなたを誇りに思います!(クリスティーナさん)
・鏡に「次に何をすべきか」を書いておきたくなった
・95歳だなんて信じられない!クリスティーンさんすごく若いね
・バイラルになるべき動画。過去最高のアドバイスだよ
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祖母は私のベストフレンド
クリスティーナさんは、ロンドンでアートの仕事を始めたものの、コロナの影響で生活が一変したため、イーストボーンに移住した。ひどく落ち込んだのはその頃で、クリスティーンさんのこうした言葉に助けられたという。
祖母は私のベストフレンドです。いつも私を支えてくれています。私はまだ完璧な状態ではないけれど、彼女の言葉に支えられ、少しずつ前に進んでいるところです
重要なのは自分自身を大切にすること
なお当のクリスティーンさんはスマホを持っておらず、急に有名になったと聞いてもピンとこなかったもよう。それでも今回の反響についてこう語っている。
重要なのは自分自身の存在を大切に思うことで、辛い時期ならなおのこと自分を大切にすべきです
私にとってこれはただの話でしたが、その言葉が今の人に役立つなら嬉しいです
もし私の話を聞いた誰かが、実際に朝起きて太陽の光を見て「今日は起きたら服を着て、外に出て、友達に連絡しよう」と思えるようになったなら、よかったなと思います
この動画は、2024年12月6日の時点で360万回以上も再生され、困難に直面したときの重要なアドバイスとして、今も多くのユーザーに共感をもたらしている。
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