『ドキドキ!プリキュア』は2013年から2014年にかけて放映された、『プリキュアシリーズ』の第10作目になります。異世界トランプ王国を滅ぼし、地球に侵攻してきた怪物ジコチュー軍団。地球の大貝町に住む「相田マナ」は、謎の青年「ジョー岡田」と妖精の願いを受け、幼馴染の「菱川六花」「四葉ありす」、そして王国の生き残りである「剣崎真琴」とともにプリキュアに変身して立ち向かいます。「愛」をテーマにした連続性の強いストーリー展開と、キュアハートこと「相田マナ」のカリスマ性は多くのファンを魅了しました。

 「レジーナ」様はジコチュー軍団の王、キングジコチューの娘でありながら、地球で出会ったマナと友達になります。父への愛情とマナとの友情の間に揺れる姿は、まさしくこの物語のヒロイン。今回は、そんなレジーナ様の魅力についてご紹介したいと思います。


【最新ランキング】もっとも好きな漫画家ランキング2015 TOP30!


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■超ワガママな小悪魔少女

 金髪碧眼に大きなリボン、ゴスロリ風の赤と黒のドレスに身を包んだ可憐な容姿。「○○してあげる」が口癖で、自分の命令は絶対だと思っている超ワガママな女の子です。プリキュアに変身する女の子は皆、基本的に素直で良い子ですから、彼女のように小悪魔的な魅力を振りまく女の子はとても新鮮でした。

 一方で、妖精の赤ん坊である無垢なアイちゃんには優しく接したり、マナと一緒に食べたアイスのおいしさに弾けるような笑顔を見せるなど、純真な心を持っている一面も示されています。そんな彼女だからこそ、マナもレジーナ様を信じて友達であり続けることができたのでしょう。

 マナたちとの交流の中で自分の心に生まれた気持ちに戸惑い、第21話では「マナに優しくしてもらうと、胸がドキドキするようになったの。マナが辛そうな顔をすると、胸がズキズキするようになったの。ねえ、何なのかな、この気持ち」と問いかけます。マナは「それは、人を思いやる気持ち、愛だよ」と答えます。日曜日の朝から女の子同士が愛を語る場面を放送するとは・・・。この時点では、過去作『フレッシュプリキュア!』に登場したイースのように、レジーナ様もプリキュアとしてマナたちの仲間に加わると期待されていたのですが・・・。

■闇に染まった心・・・

 心に愛を芽生えさせたレジーナ様。しかし、それがキングジコチューの怒りを買い、第22話で闇の力ジャネジーによって支配されてしまいます。その瞳は赤く染まり、肌もやや青白く、服の赤い部分が紫になった禍々しい姿のレジーナ様は、ファンから「紫レジーナ」「悪レジーナ」と呼ばれ、明確な悪意を持って行動するように・・・。ところが突如現れた新しいプリキュアキュアエースの前に敗北、そのまま長い夏休みに入られたのです・・・。

 第38話ラストで目覚めたレジーナ様は、第39話でついにマナたちと再会するも、引き続きキングジコチューの闇の力の影響下にありました。トランプ王国に伝わる光の槍ことミラクルドラゴングレイブを手にしたレジーナ様は、さらに強大な力で戦いを挑んでくるのですが、この槍を使ったアクションが実にカッコいいのです。小柄なレジーナ様が大きな槍を振るう姿は画になりますし、徒手空拳を基本とするプリキュアたちの戦闘スタイルとも一線を画しており、それまで直接戦うことが少なかったレジーナ様の新たな魅力を見せてくれました。

 続く第40話から第43話にかけて、マナたちは一人ひとりレジーナ様への想いをぶつけ、彼女の中に残る愛を目覚めさせようとします。この辺り、レジーナ様は完全に囚われのお姫様ポジションです。そしてついに第44話では、六花に「あなたも、マナのことが好きなんでしょう?」「いい加減正直に認めなさい!」と問い詰められ、レジーナ様も「そうよ!好きよ!私だってマナが好き!」と抑えこんでいた本心を吐露。それをマナに聞かれて顔を真っ赤にするレジーナ様は最高にチョロ可愛かったです。

■目覚めた愛!レジーナ様は6人目のプリキュア

 第46話で、レジーナ様は自分がトランプ王国のアン王女の父を想う心から生まれた存在であること、キングジコチューはアン王女の父であるトランプ国王がジコチューに乗っ取られた姿であることを知ります。普通ならここでレジーナ様も父親を元に戻すため協力する流れになるところですが、レジーナ様は闇の力の支配から解き放たれてなお、父への愛のためにマナたちと戦う道を選ぶのでした。マナたちと出会った当初は友情の意味すら知らなかったレジーナ様が、これほどまでに大きな愛を持つ女の子に成長していたことには驚きそして感動をも覚えます。

 あくまでレジーナとは戦わないというマナの決意に心を打たれ、レジーナ様はついにマナと和解。自らと同じ経緯で生まれた、半身ともいえるキュアエースとともにキングジコチューの体内に突入し、取り込まれていたトランプ国王を愛の奇跡によって救い出すことができたのです。

 最終回のエピローグでは、レジーナ様がマナたちと同じ大貝第一中学校に登校している姿が描かれていました。トレードマークの大きなリボンが校則違反だと注意されても全く気にしていないことから、良い子になってもワガママさは健在であることがうかがえます。

 そして、ジコチューの脅威が去っても人々の笑顔を守るために活動を続けるプリキュアの中にレジーナ様の姿があり、物語のラストを飾る「響け!愛の鼓動!ドキドキ!プリキュア!」の名乗りにはレジーナ様の声も入っているのです。

 2015年春に公開された映画『プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』では、その姿がちらっと映ったのみで、正式なプリキュアにはカウントされなかったレジーナ様・・・。しかし、「レジーナ」様は、まぎれもなく6人目のプリキュアといえるでしょう。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:高津志朗(キャラペディア公式ライター)

(C)CHARAPEDIA