皆さんはひとりカラオケを楽しんだことはあるだろうか。「ひとりでカラオケは寂しい」という人もいれば、「大勢の前では気を遣ってしまうから」「選曲を気にして堂々と歌えない」という理由から、ひとりカラオケを楽しんでいる人も多いかもしれない。「おしトピ by 教えて!goo」「ひとり専用カラオケ行ったことある?行ってみたい?」と意見を募ってみたところ、気になる意見がたくさん寄せられていた。

■ひとりカラオケは楽しいけど……?

「ちょっと寂しい気もしますが、練習にはいいかもですね」(カメ蔵さん)、「行ってみたいです。好きな歌は結構マニアックなので。空気を読むとか周りに合わせるとか、そういうのばっかりで息がつまりそう」(ろこめっとさん)と、ひとりカラオケについて好意的な意見は多かった。

一方で「恥ずかしいから私は行けないです……」(た-chanさん)、「たくさんのお客様から拍手をいただくのが、いいんです。練習もみんなの前でするほうが、上達が早いですよ」(アレキサンダーさんちゃんさん)、「一人で歌いっぱなしだと、ノドが30分ももたないと思う」(SAMIZDATさん)、という意見もあった。

■ひとりカラオケをする人の心理とは?

単純にストレス発散のために一人でいく人もいれば、周囲にカラオケ好きがいないからという理由もあるだろうが、それら以外でひとりカラオケをする人の心理はどんなものがあるのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に伺ってみた。

「ひとりカラオケに興じるのは、たぶん、その人がナルシストだからでしょう。ナルシストは他人に興味がないので、他人の歌など聞きたくありません。自分の歌声を聴くだけで陶酔できます」(内藤誼人先生)

ナルシストとまではいかなくても、歌うことが好きな人なら歌っていると気持ちがよく、気分がいいものだ。上記おしトピにも寄せられていたが、ひとりカラオケは大勢の前で歌うカラオケと違い、思う存分歌の練習ができる。

上手に歌うことができればより自分の歌声に満足し、歌うことが楽しくなる効果は十分に考えられそうだ。これについては内藤先生も以下のように分析する。

「むしろ他の人がいると、自分の順番が回ってこないので腹立たしいだけです。自分が歌うことが楽しく、自分で得点採点などをして楽しんでいるのではないでしょうか」(内藤誼人先生)

■ひとりカラオケでは思いっきり自己陶酔できる

さらに内藤先生からこんな興味深い話を教えていただいた。

カリフォルニア州立大学のポール・ピフによると、ナルシストはそうではない人に比べて鏡で自分を眺める行動をよくとるそうですが、ひとりカラオケをするのも同じだと考えられます。自分の姿を見るのも、自分の声を聞くのも、そうすることによって自己陶酔できるのです」(内藤誼人先生)

声だけではなく、自分の姿まで自己陶酔に関係してくるとは驚きだ。あたかも歌手になった気分でカラオケを楽しむ人も多いだろうが、ひとりカラオケは歌の出来だけではなく、パフォーマンスを含めて思う存分堪能できるのかもしれない。

専門家の意見は上記の通りだったが、皆さんはどのようにひとりカラオケを楽しんでいるだろうか。

●専門家プロフィール:内藤 誼人(ないとう よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「『人たらし』のブラック交際術」(大和書房)、「『図解』読心術トレーニング」(廣済堂出版)他、著書多数。

柚木深つばさYukimi Tsubasa

ひとりカラオケをする人の心理