
幼いころ、神様への願いごとで「ほお袋」を手に入れた少女。特に役立つわけでもないおまけのような特徴は、人生を左右する冒険の入り口だった――!?
フィビ鳥(@fibi_dori)さんの創作漫画「ハムガールの冒険」は、ハムスターのようなほお袋を持つ少女の半生を辿る短編作品。ほかの人にはないほお袋を持て余す主人公と、そこに価値を見出してくれた恋人との出会いを描く……と思いきや、2人目の恋人はまさかの反政府組織の一員。読者の予想をことごとく裏切るジェットコースターのような展開と、主人公の数奇な運命に、X上で9万件を超えるいいねが寄せられた作品だ。
読者から「すごいとしか言えない」「長い夢を見たときに似ている」「どこまでも不思議なお話」と大きな反響を呼んだ同作。少年ジャンプ+で読切「嘘つき大工と神様の木」を発表するなど精力的な作品発表を続ける作者のフィビ鳥さんにインタビューを行い、作品の着想や漫画制作でのこだわりについて語ってもらった。
■読後感が不思議と話題!自由連想から生まれた物語
「ほお袋が欲しい」と神様に願った幼い少女の物語が、多くの読者の心をつかんでいる。作者のフィビ鳥さんが手がける短編漫画『ハムガールの冒険』は、ハムスターのようなほお袋を持つ少女が織り成す、数奇な運命を描いた一作だ。
フィビ鳥さんは、本作の着想について「普段から思いついたことをメモしているメモアプリを見返していたときに『ほお袋のある女』というフレーズがあったのがきっかけ」と語る。そこから出てきたエピソードを一本の物語にまとめたという。「並べてみると脈絡が見えてきて、それに沿ってエピソードを足して、一本の物語にしました」と制作過程を明かした。
本作の軽やかな絵柄にも理由がある。「身構えず気軽に読んでもらいたかった」と語るように、現代ものの作品ではこのような軽いタッチを選ぶことが多いという。また、「横長のコマを多めに使いました」と新しい試みにも挑戦し、長台詞や物語にメリハリをつけるうえで役立つ手法だったと話す。
読後感の不思議さと自由な発想から生まれた本作は、どこか夢のような感覚を読者に与える作品だ。フィビ鳥さんの創作の幅広さを感じさせる本作は、さらなる展開にも期待が高まる。
取材協力:フィビ鳥(@fibi_dori)

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