
自動運転車がいきなり同じところをぐるぐると…ってガチのSFやん。アメリカで自動運転タクシー、ウェイモ[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%A2]を利用した乗客が、空港に向かう途中でまさかの大騒動に巻き込まれた。
そのタクシーが円を描いて延々と走り回る経験をしたマイク・ジョーンズさんいわく、あろうことかそのタクシーはゴーストインザシェル、いわゆる「攻殻機動隊」状態で乗っ取られたようだったという。
不可解なうえにめまいも感じつつ、誰もいない運転席で勝手に回るハンドルの様子をとらえていたジョーンズさん。
その動画が驚愕と共にSNSで拡散、メディアで取り沙汰されるほどになったのだ。
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自動運転タクシーが駐車場内をぐるぐる走り回る
その日マイク・ジョーンズさんは、アリゾナ州スコッツデールから空港に向かうため、駐車場からウェイモの自動運転タクシーに乗り込んだ。飛行機でカリフォルニア州ロサンゼルスの自宅に帰る予定だったという。
ところが、乗り込んだ途端、そのタクシーが駐車エリア内をひたすらぐるぐる走り回り始めた。

車に乗り込んだらいきなり円を描いて回り始めたんだ。はじめは曲がるか何かするのかと思った。でも2周目に入っていたずらを疑い始めた。
4周目に入った時点で「ただ事じゃないな」と確信した。車が狭く小さい円を描くように走り続けたせいで、吐き気やめまいもあった。本当に不快になったところで「一体何が起きてるんだ?」と考え始めたんだ (ジョーンズさん)
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カスタマーサービスの対応に遅れ
驚いたジョーンズさんはカスタマーサービスに連絡し、こう訴えた。
だが対応は信じがたいほど遅かった。ウェイモのアプリを開くよう指示され、車を停車させようとしたが、なかなか止まらなかったという。
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結局、車は8周後にやっと止められ、その後は通常どおり制御された。
おかげでそのタクシーで空港に着いたのはぎりぎりで、ロサンゼルス行きのフライトに乗り遅れるところだったという。

この件で、CBSのインタビューを受けた彼は、カスタマーサービスの対応についてこう語った。
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(客への)共感などまるでなし。 人間らしさを感じられなかった
ウェイモの利用をやめる宣言
技術業界で働くジョーンズさんは、Linkedin[https://www.linkedin.com/posts/mikejohns_lyft-uber-omg-activity-7271962168286191617-E7j4/]で自身の体験についてこう語っている。
この日はウェイモの「無人」車に乗ってさんざんな目にあった
シートベルトも締め、安全に出発したはずが、肝心の車がGPSを無視して、円を描くみたいに走り始めて、同じとこを8周もぐるぐる回ったんだ
誰かのいたずらか、それともハッキングか、とにかくSF映画みたいなことになった空港に向かったのにあやうく飛行機に乗り遅れるとこだった。今後はUberとか別のサービスにする。こんな事態が起きたのに、ウェイモのサポートからも何の連絡もなかったうえに、カスタマーサービスまでAIの自動化で、人間味ってものがまったく感じられなかったよ
「ガチで怖い」「品質管理がずさんな例」の声
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2024年12月9日に起きたこの事件は、SNSで拡散。動画は200万回以上も再生され、ジョーンズさんの投稿にはこんなコメントが寄せられた。
・ 過去一番ためになる動画。まるで壮大な脚本みたいだ。でもたしかに「たかがAI」が人類の脅威になる可能性はありそう。高速道路で自動運転車がいきなり180キロも出したりしたら怖いだろうね
・ いやガチで怖いって
・ えええ…飛行機に間に合ったの?
・ 自動運転は拝金主義の産物。安全面と車そのものの原理からも使うべきじゃない
・ 無事に脱出できて良かった。しかしサポートに連絡しても、遠隔で人が運転するようなフォローすらないことに心底驚いた
・ 品質管理のずさんさが露呈した典型例。ジョーンズ氏が無事でよかった
ウェイモの公式コメント
なお今回のトラブルについてウェイモは、「遅延は実際には5分程度で解消され、ジョーンズ氏は無料で目的地に到着した」と述べ、「円を描く」問題はソフトウェアのアップデートで修正済み、と発表した。

そのうえで同社はジョーンズさんにフォローの連絡を試みたが、返答は得られなかったそうだ。一方ジョーンズさんは今回の体験をこうも語っていた。
その瞬間、これはほぼカージャックだろうと思った。予想外のことで、人生で最も長い7分間だった。本当に奇妙な気分で、まさに「ゴースト イン ザシェル」みたいだった
これもまた、今のデジタル社会の例のひとつだ。顧客や消費者を中心にして向き合わず、中途半端な製品を提供するからこうなるんだ
最近はカージャック未遂事件も
たしかに5分だろうと7分だろうと、実際乗った当人にとっては、いつ終わるともしれない恐怖体験だったわけだし、こんな目に遭えば乗りたくなくなるのも当然だ。

そしてさらに怖いのは、ジョーンズさんが想像したカージャックが現実に起こりうる点だ。
それを裏付けるかのように、実は2025年1月2日の深夜、昨年末にロサンゼルス市内で営業を始めたばかりのウェイモの自動運転タクシーが、何者かにより乗っ取られそうになる事件が起きた。
幸いにも未遂に終わったが、このような事件が当たり前の未来がやってこないよう祈るばかりだ。
References: Cbsnews[https://www.cbsnews.com/losangeles/news/la-man-nearly-misses-flight-as-self-driving-waymo-taxi-drives-around-parking-lot-in-circles/] / Boingboing[https://boingboing.net/2025/01/06/waymo-refuses-to-let-man-catch-flight.html] / Foxbusiness[https://www.foxbusiness.com/lifestyle/passenger-waymo-self-driving-car-gets-stuck-circling-parking-lot-while-trying-make-flight]

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