コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、漫画『唯一の親友(ミカタ)を失いました』中編を紹介する。ますまゆさんが、12月2日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ますまゆさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

【漫画】コンタクトを探してあげていたのに…空き教室に閉じ込められて嫌がらせを受ける女の子に「いじめって言葉無くそ…」の声

■どんどんエスカレートしていく壮絶ないじめ…

委員会があるサナと別れた後、スズはトイレに入ってから家に帰ろうとしていた。すると一年生と思われる女の子に、落としてしまったコンタクトを探して欲しいと声を掛けられたスズ。一緒にコンタクトを探すために、旧棟の使われていない準備室にやってきた。

しばらく一緒に探していたが、急に「ガラガラ、ガタンッ」とドアが大きな音を立てて閉まり、スズは教室に閉じ込められた。「えっ、えっ…」とスズが戸惑っていると、ドアの窓から女の子が、「やっぱり他にも探してくれる人呼んでこようとおもったんですっ」「ごめんなさいどーしよう!?」「一回扉閉めたらなんか動かなくなっちゃってっ…」「建てつけおかしいのかな…?ちょっと人呼んできますね!」と言って、教室のそばから立ち去ってしまった。

スズは教室の中から扉を動かそうとするも、扉はまったく動かない。本当は初めから閉じ込めるつもりだったのか、立て付けが本当に悪いだけなのかなど色々考えるスズ。しかし、スズはコンタクトを探しながら、女の子が戻ってくるのを待つことにした。

廊下では、女の子が「おねーちゃん、これでいいの?」と、スズのクラスメイトである姉・クルミに尋ねる。すると「いい!いい!女優じゃ〜ん」と言って、クラスメイトのキリと一緒に笑い合うクルミ。

そんなクルミに対して、妹は「私顔見られてるから、もしバレたらお姉ちゃんに脅されたって言うからね」などと釘を刺す。しかしクルミは「あはは、だいじょぶ」と笑みを浮かべる。

そんなクルミとキリは、スズが閉じ込められている教室へ向かい、さらに嫌がらせをして…。

この漫画を読んだ人たちからは、「とても泣きました」「いじめって言葉無くそ…」「強い子すぎ」「つらい」「なんとも言えないけれど、悲しい」「子供の頃にこうあれたら良かった」など、多くのコメントが寄せられている。

■フォロワーの印象深い体験談を創作漫画に…

――『唯一の親友(ミカタ)を失いました』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

インスタでフォロワーさんからの体験談を募ったなかにエピソードがあり、とても印象深い話だったので、そこから膨らませて創作漫画にさせていただきました。

――本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。

キャラクターの人間性を意識して描きました。綺麗ごとだけじゃない泥臭い人間の感情だったり、助ける側の人間にもどこかエゴのようなものがあったり、リアルな関係性のようなものをこだわって描いたつもりです。

――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

気に入っているというか、特に心を砕いて描いたのは事故のシーンと、死んだ親友と夢で邂逅するシーン、最後主人公のスズがもう一度立ち上がって雪の中を駆けていくシーンです。自分もそのシーンに入った気持ちで描くので、この作品を描いているときは常に泣いていて目が痛くなり描き終わったときには消耗しすぎて何日か寝込んでしまいました(笑)。

――ますまゆさんの作品は、SNSのフォロワーの方の体験談をもとに描かれていることが多いかと思いますが、ネタ集めや取材はどのように行っているのでしょうか。可能な範囲でお教えください。

体験談募集で書いてくださった内容のみで、どちらかというとそこからインスピレーションを頂くような形で膨らませます。逆に聞きすぎてしまうと「それを描かなきゃ」と焦ってしまうのでそれ以上は聞きません。割と全然違う話に創作してしまったりするので、途中から申し訳なくなり、ここ1年は体験談なしの創作漫画にシフトしています。

――本作は、繊細な色使いで描かれているように感じました。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?

ありがとうございます…!昔早く塗れる方法を模索した結果今のような淡い塗りになっているのですが、味のようにとらえて頂けたのならとても嬉しいです!

――今後の展望や目標をお教えください。

今まで「1コマ漫画」を主流にやってきたのですが、本格的なコマ割りの漫画にも出来れば挑戦していきたいなと思っています。「エピソード風漫画」だけでない、いわゆる漫画らしい漫画も描いてみたいです!

――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!

いつも読んでくださり誠にありがとうございます!皆さんの毎日の息抜きや楽しみの一部に少しでもなれたら嬉しいです!!

『唯一の親友(ミカタ)を失いました』中編より/画像提供/ますまゆさん