2024年の新車販売台数で登録車はトヨタが圧倒! 軽は年度末までのホンダとダイハツの2位争いが注目

この記事をまとめると

■登録車と軽自動車の2024年12月単月締めの新車販売台数が発表された

■登録車では車名別新車販売ランキングで「トヨタ一強」状態が続いている

軽自動車ではブランド別でスズキがトップでダイハツホンダが2位を争う

すでに年内で3月までの納車分を売り切っているトヨタ系販売店

 世間的に仕事始めとなった、2025年1月6日に自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から軽自動車のそれぞれ2024年12月単月締めの新車販売台数が発表となった。2024年12月単月締めの新車販売台数が発表になるということは、2024暦年(2024年1~12月)締めでの年間新車販売台数も発表されることになる。

 まず、2024年12月単月締めを見ていこう。登録乗用車の新車販売台数は18万4638台(前年比92.0%)となり、そして軽四輪乗用車の販売台数は9万5812台(前年比94.9%)となった。いずれも前年比で100%を下まわっているのだが、これは2023年の仕事納め12月28日だったのに対し、2024年の仕事納め12月27日だったことで、仕事納めが1日早かったことなどが影響しているものと考えられる。したがって、「前年並みプラスアルファ程度」の勢いで推移していたといっていいだろう。

納車に時間のかかるトヨタ系ディーラーは事業年度末決算セールをスルーして来期に向けた販売となっていた

 登録車では、相変わらず新規受注停止車両が目立つなか、単月締め車名(通称名)別新車販売ランキングでは上位にトヨタ車が多数ランクインする「トヨタ一強」状況が2024年においては年末に近づくにつれ顕在化していた。

 2025年となり3月までは事業年度末決算セール期間となるが、他メーカー系ディーラー関係者からも「トヨタさんは年内(2024年に)ですでにセールは終わっていますよ(受注可能車であっても納期がまだかかる車種が目立つので、2025年になってから新規受注しても事業年度末決算セールの販売実績[3月中の登録がマスト]としてのカウントに間に合わない)」と話している。

納車に時間のかかるトヨタ系ディーラーは事業年度末決算セールをスルーして来期に向けた販売となっていた

 3月までに受注残車両(受注したものの新規登録して納車ができていない車両)を可能な限り多くメーカーから配車してもらい、新規登録してお客のもとへ届けるというのが、トヨタディーラーにおける、事業年度末決算セールでの販売実績積み上げの主たる業務となっている。

 トヨタ系以外のメーカーも、2025年2月の受注であっても3月中に納車するのはかなり厳しくなっている。1月4日から1月12日あたりの期間で展開される「初売りセール」が、「事業年度末決算セールの販売実績として見込めるタイムリミットとして設定されている」という話を、2025年の初売りセールをまわるとよく耳にした。

納車に時間のかかるトヨタ系ディーラーは事業年度末決算セールをスルーして来期に向けた販売となっていた

 これから新車購入を3月あたりまでで検討している人は、販売現場では5月から7月あたりで展開される夏商戦の実績分として捉えていると考えてほしい。「事業年度末ギリギリの3月が値引きは拡大しやすい」はまったくないともいえないが、ほぼ過去の話になっている。

 ただ、軽自動車は受注から納車までにかかる事務手続きに要する時間が登録車より短いこともあり、人気モデルで仕様にそれほどこだわらなければ、事業年度末決算セール実績としてディーラーも追いかけているので、2月中ならばギリギリ好条件を獲得でき、3月中の納車が間に合う可能性は高いといえる。

 今後は狙っている車種にもよるが、2月中旬ぐらいまでは、軽自動車ならまだまだ販売現場でホットな販売促進活動が展開されているものと考えられる。

軽自動車ではスズキが独走状態

 軽自動車で気になるのは、2024暦年締めでのブランド別販売台数でのトップ争いだろう。軽四輪車総台数では、58万9924台でスズキがトップとなった、以下2位はダイハツで35万186台、3位ホンダ28万8315台となっている。スズキダイハツの差は約24万台にも広がっている。

 2024年は春先まで出荷停止が続いたダイハツ。6月ぐらいから復調傾向が見られるようになったが、その後は年末まで完全復調することなくスズキと大差がついてしまっている。諸般の事情もあり、新型車をリリースすることができなかったことも、軽自動車販売全体が勢いに乗り切れなかった原因のひとつといえるだろう。

納車に時間のかかるトヨタ系ディーラーは事業年度末決算セールをスルーして来期に向けた販売となっていた

 軽四輪乗用車でもスズキが46万6641台でトップとなっているのだが、2位は25万7643台でホンダとなり、そして21万9497台でダイハツが3位となっている。2023暦年締めでは、ホンダに11万台差をつけてダイハツが2位となっていたので、ダイハツの不調ぶりがより鮮明化された結果といっていいだろう。

 ホンダは2024年ではN-BOXについて自社届け出(販売実績の上積みなどのためディーラー名義などでナンバープレートだけつけること)を積極的に行い、それが届け出済み未使用中古車としていままでにない勢いで流通することとなった。車名(通称名)別販売ランキングでトップ維持を図る狙いがあるにしても、その積極ぶりが目立った背景には、軽四輪乗用車におけるブランド別販売台数で2位になることを狙った動きだったのかもしれない。

納車に時間のかかるトヨタ系ディーラーは事業年度末決算セールをスルーして来期に向けた販売となっていた

 そのホンダだが、軽四輪乗用車の販売台数は2023年比で89.2%とその不調ぶりが目立っている。全般的にはスズキの好調ぶりが目立っている。売れている車種に目立った偏りもなく販売台数を伸ばしているスズキは、軽自動車では「安定株」として考えるならばおすすめのブランドといえるだろう。

 今後は2024事業年度(2024年4月~2025年3月)締め年間新車販売台数に注目が集まることとなる。ダイハツがどこまで追い上げてくるかに注目したい。

納車に時間のかかるトヨタ系ディーラーは事業年度末決算セールをスルーして来期に向けた販売となっていた

2024年の新車販売台数で登録車はトヨタが圧倒! 軽は年度末までのホンダとダイハツの2位争いが注目