ボリビアの都市郊外にある通常「自爆の家」と呼ばれる住宅群は、およそ60mの崖の端に位置し、その名の通り、いつ崩れ落ちてもおかしくない危険な状態にある。

 というか見た感じ、すでにして土砂災害の現場だ。崖っぷちどころか少しずつ崩れてるんじゃなかろうか。

 だが、ここに住んでるアイマラ族のシャーマンたちは、パチャママという地母神の加護を信じており、当局からの立ち退き要求を拒み続けているという。

 彼らの暮らしと信仰が交錯するこの場所は、土壌侵食による地すべりのリスクが高まるにつれ、ますます注目を集めている。

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崖っぷちで暮らすボリビアのシャーマンたち

 ボリビアのエル・アルト市郊外、アベニーダ・パノラミカとラ・セハに位置する「自爆の家」は、崩壊の危険性がきわめて高い危険な場所に建っている。

 見ての通り、ほぼ垂直な崖の高さはおよそ60mもあるそうだ。

 ここは最近の大雨で、侵食による地すべりのリスクがより増しているのだが、信じがたいことに、そこの住民たちは引っ越しを拒否している。

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移動を拒否する先住民のシャーマンたち

 これら住宅には、先住民族であるアイマラ族のヤティリ(シャーマン)らが住んでいる。

 自然との調和を尊ぶ信仰をもつ彼らは、地域社会の医療従事者やヒーラーとして重要な役割を果たしている。

 ヤティリの一人であるマヌエル・ママニ氏はこう語る。

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私たちはこの場から移動しません。ここが私たちの日常の仕事場だからです

当局は立ち退きを要求

 エル・アルト市当局は、当然ながらシャーマンらに立ち退きを求めているが、パチャママが必ず守ってくれると信じる彼らは、それをかたくなに拒否している。

 市の衛生担当者であるガブリエル・パリ氏はこう語る。

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ここは90度の絶壁です。だからこそ、我々は住民に立ち退きを求めており、立ち退かない場合は強制的な手段を取らざるをえません

両者のやりとりは平行線に

 立ち退きを求める当局とそれを拒否するシャーマンたち。そのやりとりは平行線になるだけで、合意に至りそうもない。

 ヤティリの一人、ガブリエルロペス・チバさんはこう語る。

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私たちは供物を求めるパチャママに儀式を行えます。私たちがこのように供物を捧げれば、この土地が崩れることなどありません。食べ物を与えるようなもので、こうすることでこの土地はむしろ安定します

前述のマヌエル・ママニ氏もこのように述べている。

私たちは土壌や雨水を大切にすることで、水の流れを別の場所に導きます

 なお、当局の求めに応じた場合のヤティリの人々の立ち退き先などはわかっていない。

image credit:Mabel Duran| via Bolivia Internacional/facebook[https://www.facebook.com/photo.php?fbid=212509847230046]

 いつからこれほど崖っぷちなのかもわからないし、慣れなのかもしれないが、見てるだけでも胃のあたりがキュッとする。おまけに大雨でさらに危険と聞けば、手ぶらでも逃げ出したくなるけども。

 とはいえ、ヤティリの人々とって、ここは儀式を行う神聖な場所でもあるのだろう。大地の母パチャママのご加護により、この崖が保たれることを祈るばかりだ。

World’s scariest street dubbed ‘the Suicide Homes’ faces plunging onto razor rocks down 200ft cliff

References: Odditycentral[https://www.odditycentral.com/news/living-on-the-edge-in-bolivias-suicide-homes.html#more-82628] / Thesun.co.uk[https://www.thesun.co.uk/news/32270597/street-suicide-homes-razor-rocks/]

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