
将棋のプロ編入を目指す西山朋佳女流三冠(白玲、女王、女流王将、29)が1月22日、大阪府高槻市の関西将棋会館で試験最終局に臨んでいる。ABEMAの中継には、棋士編入試験経験者でもある瀬川晶司六段(54)が出演。史上初の“女性棋士”誕生への期待を込めるとともに、自身と西山女流三冠が置かれた環境の違いについて言及した。
編入試験は2005年に特例として実施され、瀬川六段が合格。翌2006年に制度化された。制度化後の過去の受験者は通算4人で、今泉健司五段と折田翔吾五段、小山怜央四段の3人が合格。女性初の受験者となった福間香奈女流五冠は不合格だった。
本局の解説を務める瀬川六段は、「初の棋士誕生なるか、という大一番。結果はもちろんですが、対抗形のおもしろい将棋になるのではないかなと期待しています」とし、西山女流三冠はもちろん、試験官を務める柵木幹太四段(26)にもエールを送っていた。
瀬川六段は自身の受験当時を回顧。「当時私は会社員でしたが、応援してくれる棋士の方も多かったです。でも、ここまで応援してもらって落ちたらマズイなという気持ちがプレッシャーになってしまったときもありました」と受験者にしかわからない複雑な思いを正直に吐露していた。
しかし、「今思えば…」と前置きした上で「僕は自分のことで必死で相手のことを考える余裕もなかったですが、当時第5局の試験官を務めた高野秀行七段も大変だったと思います。今回は柵木さんになりましたが、緊張感があると思います」と試験官を務める棋士側の心境にも心を配っていた。
また、「私と西山さんの違い」についても言及。「私は当時アマチュアだったので棋譜はそんなに公開されておらず、どんな将棋を指すのかが詳しくわからなかったと思います。ただ、西山さんは女流として活躍されているので棋譜もほぼ見ることができるんですよね。当然研究も深くされてしまうので、そういう意味でも大変だなと思います。過去の合格者は今泉さん、折田さん、小山さんですが、受験時はアマチュアだったので、プロ側に情報がなかったんです。西山さんもその裏をかくとなるといろいろ考えなければならないですし、女流タイトル戦をこなしながら…となればかなり多忙だったのではないでしょうか」と今日までの道のりに思いを巡らせていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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