
●鉄板焼の名店『鉄板焼コルザ』が昨年リニューアルオープン。その味と魅力をご紹介します。
鉄板焼といえば、カウンター前に横たわる長い鉄板でシェフが手際よく調理し、できたその場でサーブしてくれる日本生まれの料理ジャンル。1987年創業の『鉄板焼コルザ』は、その鉄板焼の名店として知られる一軒ですが、2024年11月に銀座6丁目から銀座7丁目に移転、リニューアルオープンしました。その味を確かめに行ってきたので、その全貌をご紹介していきましょう。
高級食材と合わせて宮内庁に納めている高級しょうゆも味わえる
リニューアルオープンした「鉄板焼コルザ」は銀座7丁目の虎屋銀座ビルの地下1階にあります。入店し、スタッフさんに上着などを預けたら、鉄板焼スペースへ。程なくしてシェフが現れ、これから調理してくれるディナーコースの内容(後述)と、オススメの食べ方などを紹介してくれます。

実は「鉄板焼コルザ」、しょうゆメーカー最大手・キッコーマン直営の鉄板焼店であり、いずれの料理もお好みでしょうゆと合わせて食べることをオススメしてくれました。しかも、ここで使っているしょうゆは宮内庁に納めている「御用蔵醤油」。選りすぐりの原料からつくる逸品です。最高の食材×最高のしょうゆ。かなりテンションが高まります。
コース前半から贅沢&絶品メニューが続々!

この時期の「鉄板焼コルザ」のディナーコースの内容は、以下の通り。
・自家製とうふ 松茸フカヒレすっぽん餡のプロローグ
・毛ガニのコクテル仕立て 季節の野菜添え
・北海道 真狩村 ポロ葱ロースト サバイヨンソース
・コルザ スペシャリティー【信州プレミアムビーフもろみ焼き】
・もみじ鯛のヴァプール 菊の椀仕立て
・極上牛ステーキ ご一緒に土鍋で炊き立て白米 新潟県魚沼産コシヒカリ
・クレープフランベ
なんとも贅沢なラインナップです。シェフがさっそく目の前で「自家製とうふ 松茸フカヒレすっぽん餡のプロローグ」を手際良く調理しサーブしてくれました。
とろみがかった「自家製とうふ 松茸フカヒレすっぽん餡のプロローグ」は松茸の香りが優しく漂います。口にすると、松茸とフカヒレの香りとすっぽんの出汁感が広がり、噛み締めるたびに味が複雑に絡み合います。別途オーダーした白ワインもグングン進みます。
テンションが上がる筆者を前に、シェフは続いて「毛ガニのコクテル仕立て 季節の野菜添え」「北海道 真狩村 ポロ葱ロースト サバイヨンソース」を調理・サーブしてくれました。

毛ガニは鉄板で蒸し焼きに、ポロ葱は別途オーブンで焼き上げたもの。まず「毛ガニのコクテル仕立て 季節の野菜添え」は新鮮な季節野菜と一緒にいただくこれまた贅沢な味わいで、添えられた野菜ソースの酸味ともベストマッチ。また、前述の「御用蔵醤油」を少したらせば、毛ガニの美味しさをさらに引き立ててくれます。

また、「北海道 真狩村 ポロ葱ロースト サバイヨンソース」は、その名の通りポロ葱の上にサバイヨンソースがかかり、さらにその上には何枚ものトリュフが。ソースとトリュフのコク深い味わいが、甘いポロ葱の風味と優しく絡み合い、口に入れただけで頬が落ちそうに。キレのある辛めの白ワインとの相性は言わずもがな。
スペシャリティーの赤身肉の美味しさをもろみが引き立てる

続いて「コルザ スペシャリティー【信州プレミアムビーフもろみ焼き】」が登場、新鮮な黒まいたけと、信州産プレミアムビーフを合わせていただきます。あえてレア気味に焼かれた赤身肉は上品な味・食感。その上にかけられた「もろみソース」はまさにキッコーマンの知見が反映された絶品ソースで、赤身肉の味わいをグッと引き立ててくれます。口いっぱいに広がるコクと深い味わいに、ここで赤ワインをオーダーしてしまいました。
ご飯が止まらなくなる極上牛ステーキ&ニンニクチップ

いよいよコースも終盤へ。続いて「もみじ鯛のヴァプール 菊の椀仕立て」をいただきます。鉄板の上に塩を山盛りにし、その上に昆布、そして、とにかく鮮度が良いもみじ鯛を乗せて蒸し焼きに。

優しいお出汁をかけられ、さらに菊の花がパラリ。実にオシャレな奥深い味わいで、「鉄板焼コルザ」の繊細な調理技術を強く感じることができました。

そして最後に「極上牛ステーキ ご一緒に土鍋で炊き立て白米 新潟県魚沼産コシヒカリ」。ここまででも十分すぎるほどの絶品メニューばかりでしたが、最後は少しガツンとニンニクチップとステーキを合わせて、土鍋で炊いた白米で楽しむというもの。

これまた手際良くステーキ、ニンニクチップが鉄板で焼かれ、筆者の目の前に。さっそくいただきましたが、ステーキ・白米ともにこの上なく贅沢な味わいでした。
すっかり満腹になり、「こんな絶品な料理を楽しめて本当に良いのだろうか」などと感慨にふけっていたら、ここでシェフが一言。「常にご用意しているわけではないのですが、コース外のメニューでカレーがございます。もしよろしければ召し上がりませんか?」

コース外のメニューまでいただけるとは、なんたるラッキー! もちろんお願いしました。サラッとしているのにコク深く複雑に味が絡み合うカレーは絶品でした。ちなみに、カレーはコース外につき、常にあるというわけではないそうです。
まとめ

最後のデザート「クレープフランベ」は、目の前で焼かれたクレープ、オレンジをコニャックのフランベで仕上げ、アイスクリームを合わせたもの。豪華なコースを締めくくるにふさわしいクラシックなフレンチの絶品デザートでした。
やはり鉄板焼の醍醐味は、シェフの調理の様子を目の前で見られることだな、と改めて再認識。食材や調理法について、シェフにどんな質問をしても優しくわかりやすく教えてくれたのも距離の近さ故。
高級寿司店などでは、ネタの質問などが気軽にしにくい雰囲気のところもありますが、「鉄板焼コルザ」は良い意味でフレンドリー。料理は超一流にして、サービスはどこまでも客に寄り添ってくれるのが魅力です。
普段使いはそうそうできない一方、特別な場面ではぜひとも利用したいと思いました。その絶品料理と特別なサービスは、一生の思い出になるはずです。
(取材・文◎松田義人(deco))

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