
任天堂は1月16日、Nintendo Switchの後継にあたる新型ゲーム機の名称を『Nintendo Switch 2』とし、2025年中に発売することを明らかにした。
参考:【画像】Nintendo Switch 2の形状も明らかに! 予告映像から判明した外観や「マリオカート」最新作らしきゲーム映像など
開発に着手しているという噂が流れてからというもの、界隈の話題をほしいままに集めてきた同機。本稿では、Nintendo Switch 2のローンチタイミングへとフォーカスし、リリースされる可能性が高いタイトルと、サードパーティーを含むソフトウェアメーカーの今後の動向を予測する。はたしてNintendo Switch 2は、界隈の大きな期待に応えられるだけのハードウェアとなるだろうか。
■満を持して情報が解禁となったNintendo Switchの後継機『Nintendo Switch 2』
『Nintendo Switch 2 予告映像』と題され、公開されたティザー動画によると、Nintendo Switch 2は、画面サイズを現行機より一回り大きくするとともに、その左右に付属する専用コントローラー『Joy-Con』を従来の赤・青から、黒を基調としたデザインに変更。画面部分との接続方法をスライド式からはめ込み式へと変えたハードウェアとなるようだ。
また、動画内ではそのデモンストレーションとして、「マリオカート」シリーズ最新作とみられるゲーム映像も公開に。ナンバリング前作の完全版にあたる『マリオカート8 デラックス』も現行機のローンチ時期に発売されたタイトルであったことから、最新作もまた、次世代機と同時リリースされる未来をフリークたちに想起させた。
一方で、さまざまな憶測が飛び交っている発売時期、スペック、価格についての情報にはいっさい言及がなく、これらについては、あわせて2025年4月2日に配信となることが発表された任天堂の新作情報番組『Nintendo Direct: Nintendo Switch 2』を待つ形となった。4月以降には、世界各地で「Nintendo Switch 2 体験会」を開催するという。日本国内では、4月26日から27日にかけて千葉・幕張で実施される予定だ。参加には事前の応募が必要で、多数の場合は抽選で当選者を決定する。条件は、ニンテンドーアカウントを所有していること。エントリーの期限は、2月20日15時までとなっている。
■過熱するローンチタイトルの予想合戦。最有力は「マリオカート」「スマブラ」「ポケモン」の最新作か
満を持して情報が解禁となったNintendo Switchの後継機。界隈では、上述した「マリオカート」シリーズ最新作とみられる映像を呼び水に、発表直後からローンチタイトルの予想合戦が白熱した。SNSでは、人気シリーズそれぞれの名称や「新作」といったワードがトレンド入りする事態に。こうした動きもまた、期待されたゲーム機がお目見えとなったタイミングでしか見られない、風物詩のようなものであると言えるだろう。
フリークたちから名前が挙げられたのは、「マリオカート」や「ポケットモンスター」「スマッシュブラザーズ」「スプラトゥーン」「どうぶつの森」など、Nintendo Switchの人気を支えてきたと言っても過言ではないシリーズの名前。うち、映像が確認できている「マリオカート」最新作に関しては、ローンチでなくとも、発売から間もない時期にリリースされるのが決定的と言えるだろう。ナンバリング前作の『マリオカート8 デラックス』は、全世界で6,427万本(2024年9月末時点)を売り上げている。国内でこそ、累計販売本数でいくつかの人気作品の後塵を拝しているが、世界レベルでは、ほかを寄せ付けない圧倒的な数字を記録している現状だ。Nintendo Switch 2が全世界で同時発売されるであろうことを考えると、ローンチにもっとも適任であるタイトルが「マリオカート」シリーズ最新作と言えるのではないだろうか。
また、それ以外の候補のなかでは、「ポケットモンスター」や「スマッシュブラザーズ」といったシリーズの最新作も、ローンチ、もしくは発売から近い時期にリリースされる可能性が高そうだ。前者では、ナンバリングが約3年の周期で展開されており、2022年11月に発売された前作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』からは、今年11月で丸3年を迎える。直近のタイトルは11月にリリースとなっている例が多いことから、2025年11月が最新作発売のもっとも有力なタイミングとなるのかもしれない。
他方、後者に関しては、前作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のリリース(2018年12月)から6年以上が経過している点が選定の理由となった。同シリーズもまた、日本国内だけでなく、世界で支持される作品であるため、「マリオカート」最新作と同様に、ローンチに適任のタイトルだと言えるだろう。
界隈では直近、シリーズのディレクターを務める桜井政博氏のYouTubeチャンネル『桜井政博のゲーム作るには』が話題を集めた。同氏は2024年10月に配信された最終回の動画のなかで、「本チャンネルの動画は2年半前に撮り終えていた」「そのころ、とある企業からの依頼で新作ソフトの企画書を作成し、無事承認に至った」「開発が始まる2022年4月までの空いた時間を有効活用し、動画コンテンツの制作を進めた」と発言している。憶測にはなるが、こうした桜井氏の動向も「スマッシュブラザーズ」最新作の制作が進んでいると想定できるひとつの根拠となるのではないか。まだ見ぬ同タイトルがNintendo Switch 2のローンチ、もしくは発売から近い時期にあわせてリリースされる可能性は、決して低くないはずだ。
一方、「スプラトゥーン」「どうぶつの森」といったシリーズの最新作を予想されるラインアップから外したのは、(前者に関して)ほかにくらべ、前作のリリースからそれほど時間が経過していないこと、世界よりも国内での人気が顕著なシリーズであること、(後者に関して)盛り込まれたゲーム体験が時間経過によって色褪せていくものではないことなどを重く見た結果である。
また、一部には、「ファイアーエムブレム」や「ゼノブレイド」といったシリーズの名前も挙がっていた。これらもまた、前作の発売時期が近い、もしくは発売の周期が早まるといった観点から、Nintendo Switch 2のローンチタイミングに最新作がリリースされる可能性は低いと考えている。
■予測される「両立路線のファーストパーティー」「移行路線のサードパーティー」の構図
ここまできて積み上げてきたブロックを崩してしまうようだが、実は、Nintendo Switchのローンチタイミングで発売されたタイトルの数はそれほど多くない。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『1-2-Switch』『スーパーボンバーマン R』『ドラゴンクエストヒーローズI・II for Nintendo Switch』『信長の野望・創造 with パワーアップキット』『いけにえと雪のセツナ』『ぷよぷよテトリス S』『魔界戦記ディスガイア5』の全8作にとどまっている。うち任天堂のファーストパーティーは、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『1-2-Switch』の2作のみ。つまり、ローンチに限定すれば、任天堂からはあまり多くのタイトルが発表されないことが慣例となっているのだ。
しかしながら、Nintendo Switch 2に関しては、そのような例が当てはまらないとも言える。なぜなら、Wii UからフルモデルチェンジしたNintendo Switchに対し、Nintendo Switch 2では、前世代機のソフトも同様に遊ぶことができる「後方互換」の機能を備えているからだ。そのため、上述のタイトルたちは、同機専用となるわけではなく、Nintendo Switchでも遊べるソフトとなる可能性がある。ローンチからしばらくの過渡期のあいだは、ともに遊ぶことができるタイトルがラインアップされていくのかもしれない。
他方、サードパーティーに目を向けると、Nintendo Switchのスペック不足を理由に、同機をマルチプラットフォームの展開先に選んでこなかったタイトルも、少なからず存在するように見受けられる。これらに関しては、Nintendo Switch 2専用ソフトとして、新たに移植されていく可能性が高いと言えるだろう。ローンチからしばらくは、両立路線のファーストパーティー、移行路線のサードパーティーといった住みわけが起こるのではないかと予測する。
任天堂からようやく届いた待望のアナウンス。おそらく発売日やスペック、価格といった情報は、4月2日の『Nintendo Direct: Nintendo Switch 2』で明かされるのだろう。はたしてNintendo Switch 2は、フリークたちの期待に応えられるハードウェアとなるか。まもなくその全貌が明かされる。
(文=結木千尋)

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