2025年1月23日に放送されたABEMAオリジナルドラマ『警視庁麻薬取締課 MOGURA』の第3話。前回の「9門」と「REDHEAD」の抗争に続き、第3話では伊弉諾翔吉(般若)が「REDHEAD」のメンバーとラップバトルを繰り広げた。

参考:【写真】ラップバトルを繰り広げる主人公・伊弉諾翔吉(般若)

 「薬物は一回であなたの人生を壊します」

 都内で相次ぐ薬物犯罪。違法薬物の根絶を主張する焼川市長・安堂誠(風間俊介)はこう高らかに宣言する。「9門」に潜入捜査している伊弉諾は、ラッパーたちが大麻を扱っている情報は手にしているが、大麻畑の在り処まではたどり着けていない。

 その一方で、「9門」のリーダーである火薬(Jin Dogg)は、ハルク(眞木蔵人)から「ヘヴン捌くの手伝ってくれないか?」と誘いを受ける。オーガニックにこだわっている「9門」にとっては、それは到底受け入れられるものではない。たとえ、尊敬するハルクであってもそれは例外ではなかった。

 なぜ、大麻をやるのか。「9門」に潜入している伊弉諾にとって、それは大きな関心事だった。「IZAはなんで草やんないの?」と火薬から聞かれた伊弉諾はすぐに答えられない。続けて、火薬は「法律に縛られてるからって、やんないとかだと逆にここ(頭が)停止してると思うけどな。じゃあお前は国が死ねって言ったら死ぬの?」と尋ねる。大麻使用の是非についてはここでは論じないが、それをただ受け入れるのはたしかに脳死だ。実際に戦前は日本でも大麻が栽培されていた歴史がある。ラッパーたちが大麻を快楽のためだけではなく、社会的なメッセージを発信しているというのは興味深い。とはいえ、現在の日本の法律は大麻を規制していることが事実である以上、正しい手続きを踏んで変えていくことが理にかなっている。

 ラッパー=悪だと決めつける者が多い中で、伊弉諾は次第に彼らの優しさにも触れていく。実際に「9門」のメンバーであるHaru (CYBER RUI)、Young06(ゼロ/RedEye)は、辛い過去を乗り越えて、こうして今自分自身を肯定できている。居場所がなかった人間が自分らしくいられるのが、「9門」だった。

 そして、ついに「REDHEAD」を挑発した伊弉諾のライブ配信が「REDHEAD」のメンバーにも知られてしまい、「焼川団地に来い」というメッセージが「9門」のもとに届けられる。「9門」全員で焼川団地へと向かうと、「REDHEAD」が待ち受けていた。そこで提示されたのは、もしIZAが勝負に負けたら、ラッパーを辞めるというもの。だが、そこに待ったをかけたのが火薬だった。火薬はIZAの代わりに自ら辞めると言い出す。そして始まったラップバトル。意気揚々と言葉を紡いでいくIZAだったが、相手の言葉に返すことができない。勝負の結果はIZAの惨敗。落ち込むIZAに、火薬は「気にすんな」と優しく語りかける。

 だが、負けは負けだ。ラッパーを辞めるという火薬の約束は果たさなければいけない。そこで、悪知恵を働かせた「REDHEAD」は火薬を袋叩きにしてしまう。ラストでは頭から血を流して倒れている火薬の姿が。再び、「9門」vs「REDHEAD」が勃発するのか。

(文=川崎龍也)

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