Appleは現在、MacのプロセッサをM3チップからM4チップへアップデートしているところ。『iMac』『MacBook Pro』『Mac mini』はいずれも昨年11月にM4へとアップデート済、『MacBook Air』『Mac Pro』『Mac Studio』はM3のままとなっている。今後も順次アップデートがされるはずだが、過渡期と言えるいまMacを買うなら、果たしてどの機種が良いのだろうか? 一般的な用途を想定して、現行ラインナップにおける“高コスパなMac”を考えてみよう。

【画像】現行Macのシンプルでわかりやすい 分類図で見るラインナップ

 Macを選ぶ際には、その用途に応じて最適な機種を選びたいもの。現在のラインナップは『Mac Pro』『Mac Studio』『MacBook Pro』『Mac mini』『iMac』『MacBook Air』の6種類。用途別にざっくりとその役割を図解してみた。

 Intelプロセッサの時代には「iMac Pro」などこの図から外れるMacがあったり、MacBook Proの13インチモデルが実質的な入門機になっていたりと、ラインナップが煩雑な時期もちらほらあったものの、Apple Silicon導入後は比較的シンプルだ。特にMacBook Proは以前の「幅広いユーザーにおすすめできる機種」という立ち位置からふたたび「プロ御用達のパワフルな機種」としての性格を強くしている。

 Mac ProMac Studioはいずれもプロユースを想定したデスクトップ型のMacであり、チップにはM2 MAX・M2 Ultraを採用する。今回考えたいのは一般的な用途、具体的にはWEBの閲覧やちょっとしたテキスト編集、写真の管理・編集などに使ううえでのコストパフォーマンスなので、図表上段の機種は選択肢から外れるだろう。

 下段の機種の中でまだアップデートしていないのは『MacBook Air』。昨年3月発売の機種であり、13インチ・15インチともにM3チップが搭載されている。ただしこのAir、昨年11月に密かなアップデートを遂げており、価格を据え置いたまま搭載メモリが8GBから16GBへとアップした。

 発売後わずか8カ月で「お値段そのまま、メモリは2倍」なんて大盤振る舞いだが、8GBのときに買ったユーザーは結構くやしい思いをしたはずだ(私のことです)。今から買うなら少しオトクな気分になるかも……とはいえ例年通りの発売サイクルだと本年3月~7月あたりにはM4搭載のMacBook Airが出てきそうだし、Airの購入はちょっと待っても良さそう。

 iMacディスプレイ一体型のデスクトップ型Macであり、高い汎用性と高品質なディスプレイから特にデザイン業界で人気がある。M4モデルにおいて特筆すべきはアクセサリー(周辺機器)の更新で、付属する『Magic Mouse』『Magic Keyboard』はいずれもインターフェイスLightningからUSB Type-Cに変更されている。

 また、近年のiMacはアクセサリーの色がiMacのカラーに統一されているのもうれしいポイント。「デスクトップ環境を刷新したい」「iMacを買い替えたい」という人にはM4 iMacはぜひおすすめしたい機種だ。

 そして、個人的にもっとも割安だと感じるのはMac miniだ。M4チップ搭載ながら最小構成では10万円を切る価格で、最小構成であってもCPU・GPUはともに10コアでメモリは16GB。これは円安傾向を鑑みても驚異的な価格だ。

 キーボードマウスなどを足すともう少し値段は張るものの、すでに持っているものがあるならそれでも十分使えるだろうし、他ラインナップと比べたらそれでもなお安い(参考までに、iMacの最小構成は税込198,800円だ)。仮に今年M4チップ搭載のMacBook Airが出るとしても、10万円を切ることはほぼありえないだろうから、外での利用を考えないのであればMac miniを買うのが現状は最善だと感じる。

 ちなみにこのMac mini、歴代最軽量級のMacでもある。大きさは5.0cm x 12.7cm x 12.7cm、重さはM4モデルが約670g、M4 Proモデルが約730g。これだけ軽ければ「仕事場と自宅にそれぞれディスプレイマウスキーボードを設置して、Mac miniだけ持ち込んで作業する」というような使い方も想定できる。ノート型Macを買う理由が「持ち運び」のみなら、ノート型より遥かに軽いMac miniを検討するのも良いのでは?

(文=白石倖介)

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