
知らず知らずのうちに隙間時間を埋められ、平日は「24時間、戦えますか」状態の現代人。しかし、休日に寝ているだけでは、疲労は蓄積するばかり。“休み下手”な日本人の溜め込んだ疲労を吹き飛ばす休養法を手に入れ、「休む」を改革せよ!
◆男性は睡眠に対して“老化の進行が早い”!?
疲労回復のため、睡眠時間を確保しても、翌朝どうも疲れが取れていない……。この理由を睡眠専門医の渥美正彦氏は、「特に男性は睡眠に対して“老化の進行が早い”から」と指摘する。
「女性は『女性ホルモン』の影響で10年の執行猶予があるのですが、男性はその恩恵を受けられないので、中年になると浅い眠りの“ノンレム睡眠”になりがち。さらに朝の活気がなくなり、疲労感をより感じやすくなります」
日々の睡眠に不安を感じたからといって、休日に寝だめをして体力を回復しようとするのは早計だ。
「実は、休日の寝だめは日頃から6時間以上寝ている人じゃないと意味がないことがわかっています。平日の睡眠時間が足りていない人は、寝だめをするとかえって睡眠の質が悪くなるかもしれません」
◆寝だめは1~2時間にして10分でも外に出るべし
では、疲労回復を促す、“即効性あり”の眠り方とは?
「寝だめをするなら、普段の睡眠時間+1~2時間に抑えるのが効果的。週明けに時差ボケと同じような状態になってしまうのを避けるために、夜更かしを避けて起床時間を変えないのも重要です」
体内時計をリセットするために、日光を浴びるのも非常に有効。外出するのが億劫でも外に出たほうがいいそうだ。
「だからといって、長時間散歩をする必要はありません。晴れの日なら10~15分で十分です。日光を浴びるだけならカーテンを開けて窓際にいればいいだろうと考える人がいますが、よっぽど快晴でない限りは光が弱くて難しい」
また、オシャレな空間を演出してくれる間接照明が、睡眠の質を高める際にも大いに貢献してくれるという。
「常に明かりにさらされている現代人は、夜になっても体内時計が夜だと認識しにくいので、布団に入ってもすぐに寝つけないことも。そこで間接照明の出番。夕食後に間接照明に切り替えて、夜を演出するといいですよ。家族には不評ですが(苦笑)、私はお風呂の電気もつけていません。
寝スマホは肘が伸びるくらい距離が保てるならばNGではありませんが、SNSなどの双方向性のコンテンツは避け、動画やラジオなども、話し声が深い眠りの妨げになるので、流しっぱなしはやめましょう」
睡眠時間はもちろん、寝やすい空間の確保も急務だ。
土日の睡眠3か条
①10~15分でも日中は外に出る
②間接照明を導入する
③寝だめは1~2時間まで
【睡眠専門医 渥美正彦氏】
精神科と神経内科での臨床経験を生かし、患者の脳と心の問題に対応。著書に『子どもの発達障害がよくなる睡眠の教科書』など
取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/にぎりこぷし

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