
マーベル・スタジオの最新オリジナルアニメーションシリーズ「スパイダーマン:フレンドリー・ネイバーフッド」の第3~5話が、2月5日に配信された。第3話では、いつものように身の回りの事件を解決しようとしていたピーターが思わぬ苦戦を強いられ、意外な人物と手を組む場面があった。(以下、ネタバレを含みます)
【写真】かっこいい…!困っている人がいたら見過ごせない“親愛なる隣人”スパイダーマン
■ノーマン・オズボーン社長の狙いとは
同作は、平凡な高校生ピーター・パーカーが“親愛なる隣人”スパイダーマンになるまでの道のりを、初期のコミック本へのリスペクトもこめたスタイルで描かれた物語。第1話のラスト、ピーターがゴミ置き場から戦利品としてDVDプレーヤーを拾って帰宅すると、オズコープ社の社長ノーマン・オズボーンがメイおばさんと話をしていた。
この場面、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)でも見覚えのある展開だが、「シビル・ウォー」の時はノーマン・オズボーンではなく、トニー・スターク(アイアンマン)が訪ねてきていた。
第2話では、そんなオズボーンがピーターの才能に目をつけ、オズコープ社の特別なインターンシップに招き入れた。ロボット工学について深く関われると思っていたピーターだったが、思った通りに事が進むわけではない。初日からかなり困難な状況に陥ることも。途中で、事件が発生したことを知り、こっそりとスパイダーマンのコスチュームに着替えてインターンシップを抜け出すが、戻ったところでオズボーンから呼び出される。
やっと面会できたと思ったら、ピーターが非常階段で着替えている映像を見せられ、「君はスパイダーマンだな」と正体がバレてしまっていたことを知る――というところで第2話は終了していた。
そして第3話「知られざる秘密」は、オズボーンから問い詰められるシーンから始まる。証拠となる映像を突きつけられる場面も、「シビル・ウォー」でのピーターとスタークとのやりとりをなぞっている感じ。ということはオズボーンは敵ではなく、本作においてはスタークのようにピーターをサポートする役割なのかもしれない。とはいえまだ油断はできないが。
■ピーターの窮地を救ったのはオズボーン社長
翌日、オズボーンから呼び出され、レストランに行ってみると、他の研修生3人の姿はなく、オズボーンだけ。あらためてピーターと話すために、オズボーンは店ごと貸切にしたという。証拠映像についてなんとか理由をつけて誤魔化そうとしたが失敗。ピーターは自分がスパイダーマンだと白状した。そして、それが確認できたところで、オズボーンは自身の本当の目的を明かした。
ピーターが身の回りで起きた事件を解決し、いろんな人を救った中に、オズボーンの息子・ハリーがいたのだとか。「その日からスパイダーマンを探し、礼をしようと決めた」と話し、ここまでの経緯も伝える。
オズボーンが目をつけたのは強靭な“クモの糸”。それを誰が作ったのか。これを開発できるくらいの天才がオズコープ社に集まっているが、その中に該当者はいなかった。だとすると、まだ学生なのかもしれないと思い、ピーターを含む、4人の学生をインターンシップに招いた。4人のうちの誰かがスパイダーマンの協力者に違いないと考えていたが、予想を裏切るというか、大きく超えて、その4人の1人である、ピーターが協力者ではなくスパイダーマン本人だったのだ。
ピーターは自分がスパイダーマンだということを知った人が災難に巻き込まれることを避けたいと思い、オズボーンのことを考えてオズコープ社のインターンシップを辞退することを伝えた。
再び、身の回りに起きた事件を解決するためにスパイダーマンとしての活動を行うピーターだったが、特殊なギアを着けた男女2人組を相手に苦戦を強いられる。大ピンチに陥ったところで、ピーターのスマホをハッキングしてアドバイスを送ってくれたオズボーンに助けられ、なんとか2人を抑えることができて、無事解決。
ピーターは「味方が必要」という理由で、オズボーンと組むことを決めた。それにはもう一つ理由があって、メイおばさんを助けるためでもあった。ベンおじさんが亡くなって、メイおばさんの生活は苦しくなっており、家財道具などを売っているのを見ていたピーターは、“人のために”という性格なので、自分が頑張ってメイおばさんを少しでも楽にさせてあげたいと考えたのだろう。
第4話、第5話も配信されており、早速オズボーンと協力して活動している様子や、周囲の人物に起こった変化などが描かれている。
過去の作品へのオマージュもたっぷり詰まった物語に、国内外のSNSでは「これはテンション上がったわ」「オマージュがいいね」「パラレルワールド!?」「ノーマンがトニー的な役割なの?」「スパイダーマン……シビル・ウォーしてる……!」「オマージュの数々にマニアックな小ネタまで網羅されていて見付け出したらキリがない」「『シビル・ウォー』のあのシーンのオマージュをあの人でやるぅ???みたいな」といった声が上がった。
なお、次回「スパイダーマン:フレンドリー・ネイバーフッド」の第6~8話は2月12日(水)にディズニープラスで独占配信。ピーターとして、スパイダーマンとして、どんなふうに成長していくのか楽しみだ。
◆文=田中隆信

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