
10代の頃から『Popteen』専属モデルを務め、現在も女性ファッション誌『LARME』『PECHE』のモデルとして活躍する菅野結以さん。活動の場はモデルにとどまらず、アパレルディレクター&デザイナー、ラジオDJなど、多方面で注目を集めています。
そんな菅野さんの8冊目となる書籍『オルタナ美容 非常識美人の哲学』が2024年12月に発売。型にハマらず自由に楽しむ美容法を、自らの言葉で綴り、話題となりました。
『オルタナ美容 非常識美人の哲学』菅野結以(著) 前編では、書籍に込めた想いや撮影の裏側、美容本でありながらも縦書きで文章量を多くした理由などにフォーカス。
後編では、より書籍の内容に迫り、菅野さん流のオルタナティブな生き方のコツや、内面から美しく輝くためのマインドなどを語っていただきました。
◆「オルタナマインド」の原点とは

――今回の書籍では心の深い部分にも触れられていますが、ここまでさらけ出すのは初めてですよね。
菅野:そうなんです。両親が離婚して、自分が家族の大黒柱になったことをつづった「19歳でお父さんになった」という項目があるのですが、これは初めて公にしました。
言いたくなくて隠していたというわけではなく、あえて言う必要はないと思っていたけれど、今回の本ではなぜ今のオルタナマインドに至ったか、この話を書かないと説明がつかないなと思って。
私がインディペンデントに生きると決めた、自分の生き方に至るまでの経緯を書く必要があると感じ、すべてを書きました。
◆本当に美しい人は「内面」も磨かれている
――美容本でありながら、生き方を教えてくれる本でもある。インナービューティーのパートでも、美容法だけでなく、心の健康について多く触れられている印象がありました。
菅野:美容はマインドとメンタルが土台だと思うんです。
どんなに外見を整えても、中身が整っていなければ美しくない。これに気付いたのは、10代の頃からモデルをやっていたことが大きく影響しています。
モデルさんのなかにも、誌面ではキレイなのに実際に会うとそう思えない人がいて。そういう人は、だいたい人の悪口を言っている。
悪口を言うと口が曲がったり、目が吊り上がったり、キレイから遠ざかっていく。邪悪な感情を抱えている人も、肌ツヤが失われていく。逆に、心から美しいなと思える人って、一人残らず内面も美しいんです。だから私も、そうありたい。
10代でこのことに気づけたのは、私にとって大きな財産。メンタルを整えて、表情は明るく、悪口を言わないことに気をつけています。
――性格や抱えているストレスって、顔に出ますよね。今回の本を読んで、ストレスを溜めずに美容を楽しむのがうまいなと感じたのですが、コツはありますか?
菅野:ストレスを溜めないためには、自分が得意なことと苦手なことを知るのが大切。
私はごはんをオートミールにするのは苦じゃないけど、運動はすごくストレスに感じるタイプ。だから、ストレスになる運動は思いきって諦めて、食事のコントロールに重きを置くことで体型管理し、ストレスフリーに美容を楽しんでいます。
◆自分の適性を知るにはとにかく何でも試すこと!

――なるほど。自分の適性を知るために大切なことはなんだと思いますか?
菅野:とにかく試すこと、かな。これまで気になることはすべて試してきたと思います。やらずに文句を言う人にだけはなりたくないから。やったこともないのにグチグチ言うのって、かっこ悪い。
一旦なんでもやってみて、合わなければすぐにやめたっていい。自分を責めなくていいんです。そうして試行錯誤を続けていったら、自分だけのトリセツができていくんじゃないかと思います。
――自分の適性を見つけるためには、手足を動かして行動することが大切なんですね。
菅野:黙っていたら、せっかく広がるはずだった世界がそこで止まっちゃう。
今は画面上でいろんなものが見られるけど、足を使って飛び込まないとわからないことってたくさんあるんです。だから、少しでも気になったら飛び込む。目の前に変化と不変があったら、迷わず変化を選ぶって決めています。
◆もともとアクティブなタイプではなかった
――とても勇気のある選択肢だと思います。もともとアクティブな考え方をされていたんですか?
菅野:全然! 昔はスーパーインドアで、自分の世界にこもるタイプでした。でも、ある日内省のフェーズをやりきったな、と感じたんです。だから、「次は外だ!」って。
やりたいことがない、何をしたらいいかわからないって人も多いけど、何も好きじゃない人なんていないはず。
ごはんを食べていたら美味しいと感じたり、なんとなく好きな曲と出会ったり。人生にはヒントがたくさんあって、それに気づけていないだけだと思います。
――たしかに「好き」って意外と身近なところにあるものですよね。
菅野:もう1つ私が意識しているのが「視点をずらす」こと。昔から音楽が大好きで、自分でも挑戦してみたことがあるんですけど、向いてなくて。
それでも音楽に携わりたくて、関わり方の視点を変えてみたことで、いまはラジオ番組のパーソナリティとして、アーティストを応援することができています。
今まで様々なプロデュースの仕事もさせてもらっています。私はパティシエじゃないからかき氷は作れないけれど、アイディアはたくさん出せるからかき氷のプロデュースができた。
設計士じゃないから間取りは書けないけれど、空間やデザインを考えるのは好きだから、住宅をプロデュースできた。こうやって“ずらし癖”をつけると、自分の世界が広がる気がします。
◆目の前のことに全力で臨むからこそ、進むべき道が見えてくる

※写真はイメージです
――視点をずらしながらさまざまな挑戦をしてきたからこそ、今の菅野さんがあるんですね。今後も挑戦してみたいことはありますか?
菅野:今は、書籍にすべてを注いだ余韻とともに『Crayme,』の次のシーズンを制作していて、その先のことはまだ考えていません。
私っていつもそうで、今に過集中しちゃうんです。遠い未来を想像しないまま、目の前にあることに全ての力を注いで燃え尽きるので、自分のことながらちょっと心配(笑)
でも、そうして今を生きていると、進むべき道が見えてくる。見えてきた道にはすぐに飛び込んで、また新たな世界が広がっていくイメージです。
本当にこの書籍には感情を燃やし尽くしてきたので、まずはこの本を届くべきところに届けたいですね。
◆『Crayme,』に新しいアイデアを!
――やってみたいことにすぐに飛び込んでいるからこそ、ですね。
菅野:あ、でも1つだけ。これまで自分の世界観だけでやってきた『Crayme,』を、チームにしていきたいです。企画やデザインなど、新しい人のアイディアを取り入れていきたいなって。
『Crayme,』については本にも触れているのですが、私の純粋の象徴なんです。
コミュニケーションがあまり得意ではないからこそ、服を作って誰かに届けることが、私にとって世界との最大のコミュニケーション。『Crayme,』がなかったら、もっと狭い世界にいたと思います。
これまではひとりでやってきたけど、一緒におもしろくやっていける人がいたら嬉しいし、きっと世界が何倍にも広がると思います。素敵な出会いに、いまからワクワクしています。SNSや公式サイトに募集詳細を載せているので、我こそはという方はぜひ!(笑)
<撮影/山田耕司 取材・文/比嘉桃子>
【菅野結以】雑誌『LARME』『PECHE』などで活躍するモデル兼クリエイター。10代の頃から『Popteen』専属モデルを務め、 「白ギャル」の文化を生み出しカリスマモデルと称される。アパレルブランド「Crayme,」のクリエイティヴディレクターおよびデザイナーを務めているほか、各企業とのコラボやプロデュースアイテム多数。 独自の世界観と美意識が絶大な支持を集めている。TOKYO FM『 RADIO DRAGON -NEXT-』 ではパーソナリティを務める。 またサウナ好きが高じて熱波師資格を取得し、イベントやメディアで活躍中。 SNSの総フォロワー数は約100万人に及ぶ

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