
くまのプーさんに出てくるロバの名前にちなんで、イーヨーと呼ばれていたロバは、元の飼い主が亡くなった後に、カナダの動物保護施設に保護された。
イーヨーは長年ひとりぼっちで飼われており、孤独な日々を送っていた。ロバは元々群れで暮らす動物でとても愛情深い。当初はとても悲しそうにしていたという。
施設ではイーヨーを他の動物たちと引き合わせてみたが、イーヨーは接し方がわからない。そこで、黄色いヨガボールを与えてみたところ、イーヨーの目に光がともる。
イーヨーはボールをくわえて空中になげたり、首を乗せて抱きしめそれからずっとこのボールを心の支えにしていた。
ところがついにボールに穴が空いてしまい元に戻らなくなってしまった。
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ひとりぼっちだったロバにできた最初の親友はボール
飼い主が亡き後、ブリティッシュコロンビア州の動物保護施設「ホーム・フォー・フーヴス」に引き取られたロバのイーヨーは、長年ひとりぼっちの生活を送っていたために、元気をなくしていた。
ロバは非常に社会性が高く、仲間と強い絆を築くことで安心感を得る動物だ。群れの仲間がいなくなると、深いストレスを感じたり、何も食べなくなることもある。また、他の種の動物たちにも深い愛情を示す。
施設では彼を他の動物たちと遊ばせようとしたが、初めて見る動物たちに戸惑いを見せ、うまくいかなかった。
そこで大きな黄色いヨガボールを与えてみたところ、イーヨーはこれまでに見せたことのないほどの喜びを表した。ボールを口でくわえて投げたり、鼻で押したり、飛び跳ねたりと夢中で遊び始めたのだ。
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そんなロバの変化を祝って、新たに「アール・グレイ」という名前が与えられた。
心の支えだったボールが破れてしまい落ち込むロバ
イーヨー、改めアール・グレイは朝から晩までボールと遊び続けた。彼にとってボールが初めての親友だったのだ。
しかし、2週間後に悲劇が訪れる。激しく遊びすぎたせいで、ボールが破れてしまったのだ。
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なんとかボールを元の状態に戻そうとするロバだが、再び丸い姿になることはなく、ひどく落ち込んでしまった。
このままではいけない!そう思ったホーム・フォー・フーヴスのオーナー、ミシェル・シングルトンさんは、Facebookにアール・グレイとボールの写真を投稿し、もしあまっているヨガボールがあったら寄付してくれないか?と呼びかけてみた。
カナダ各地から40個ものヨガボールが届く!
すると、予想を超える反響があり、カナダ各地から約40個ものヨガボールが届いたのだ!
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アール・グレイはまるでお菓子屋にいる子どもみたいに大興奮だったという。

もっとうれしいニュース、ロバの友達ができる!
アール・グレイにとってうれしい出来事はこれだけじゃなかった。
大量のヨガボールの寄付に続いて、救助されたロバ3頭が施設にやってきたのだ。
アール・グレイは小さなころから同種のロバと接したことがなかったため最初は戸惑いを見せていた。どう接していいのかわからなかったのだ。
だが施設側が半年間もの時間をかけ、柵越しに距離をとり、少しずつ関係性を築けるように配慮した結果、ついにアール・グレイは仲間たちに受け入れられ、同じスペースで過ごせるようになったという。
よかったね!アール・グレイ。同じ種類の動物の仲間ができて!
ヨガボールも仲間たちと一緒に遊んだら、きっともっと楽しくなるよ!
ロバって、こういう大きなボールが大好きなことは、カラパイアで以前にも紹介したとおりだ。仲間たちもきっと夢中になると思うよ。

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