清野菜名が主演する月9ドラマ「119エマージェンシーコール」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系FODTVerにて配信)の第4話が2月10日に放送。救命救急士の資格を持つ与呉(一ノ瀬颯)の緊迫の通報応対が繰り広げられた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】消防士から指令管制員になった兼下(瀬戸康史)

■消防局の指令管制員たちのリアルを描く

同ドラマは、消防局の通信指令センターを舞台に、一本の電話で命をつなぐ“最前線”に立つ、指令管制員(ディスパッチャー)たちの現実(リアル)を描く完全オリジナルストーリー

清野が演じるのは、銀行を辞めて指令管制員になったばかりの粕原雪。雪と同じ横浜市消防局・司令課3係のメンバーとして、雪の指導係を務めた兼下睦夫を瀬戸康史、雪より年齢は若いがキャリアは先輩の新島紗良を見上愛、救急救命士の資格を持つ与呉心之介を一ノ瀬颯、しゃべりが得意な箕輪健介を前原滉、係長・高千穂一葉を中村ゆり、主任・堂島真一を佐藤浩市が演じる。

■「絶対」という言葉に顔をこわばらせる与呉

インフルエンザによる救急車要請が多くなっていることから、患者の症状に緊急性があるかどうかの判断を相談できるようにと指導医・峰元(マキタスポーツ)がやって来た第4話で、焦点が当てられたのは与呉。

管制員たちの対応に峰元が的確なアドバイスを加えていく中、雪が高齢女性から夫の様子がおかしいと通報を受けた。インフルエンザの可能性があり、雪は救急車を向かわせようとするが断られると、峰元が「この人、まずいんじゃない?」とポツリ。すると、すぐにその高齢女性から再度通報が入った。あいにく救急車がすべて出払っており、到着までに時間がかかる状況で、雪は「絶対に助けますから!」と口走ってしまった。

雪の言葉を聞いた与呉は顔をこわばらせた。峰元が冷静に指導するも、諦められない雪がもう一度「絶対に助ける…」と口にすると、与呉は「だから、それ言っちゃダメなんですよ!」と大声で言った。

■緊迫の約9分間を一ノ瀬颯が見事に演じ切る

「無責任に希望を持たせる方が残酷」と雪に後で告げた与呉。実は、3年前まで救急救命士として現場に出ていた与呉は、爆発事故に父親と巻き込まれた少女に、雪と同じように「絶対助ける」と言ってしまったが、父親は助からず、責められた経験があったのだ。

だが、雪は幼いときに通報を経験したことがあり、そのときに「大丈夫だから、絶対に助けるから」と言われたことで救われていた。

消防隊員の同期から「なんか変わったよな。現場のときのお前はさ、もっと熱かったじゃん」と言われた与呉。その言葉に複雑な心境になりながら勤務後に立ち寄った公園で偶然会った紗良は、絶対という言葉について「ここぞってときに、とっておきたいですね」と言うのだった。

高千穂は兼下との食事の場で、指令管制員みんな「絶対助けたい」という思いを持っていると語った。雪に「絶対」を使ってはいけないのかと相談された堂島は「時と場合による」と言いつつも、「粕原がそんとき絶対助けたいって本当にそう思ったんならさ、言葉にすりゃいんだよ。それは誰にも止められやしないんだ」と答えた。

そうしたやり取りが交わされた後の勤務日。与呉は高速道路パーキングエリアにいるという男性からの通報を受ける。妻の父親が急性心筋梗塞と思われる症状で意識を失い、呼吸も止まってしまった。あいにく救急車の到着まで時間がかかる。与呉は、AEDの使用や心臓マッサージの協力を要請。その後、雪の知識から自家用車で救命センターに早く向かうことができると判断し、そこまで与呉がナビゲーションすることに。

心臓マッサージする女性の体力も限界が近づいてきたところで、与呉は必死に声をかけ続けながら「頑張って。私たちがついてますから。絶対助けますから!」と叫んだ。

命をつなぐための心からの言葉だった。約9分に及ぶシーンで、与呉を演じる一ノ瀬は、指令管制員としての冷静さの中に熱いものを秘めていることを見事に表現した。視聴者からは「すごかった」「見入った」「涙止まらなかった」「驚くくらいのリアリティ」「時には絶対って言葉も諦めない力になる」などと反響が寄せられた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

第4話は与呉心之介(一ノ瀬颯)の物語がメインに展開/(C)フジテレビ