
「デヴィ夫人」として知られるタレントのデヴィ・スカルノさんが、今年の夏に予定されている参院選に立候補すると報じられています。
報道によると、デヴィ夫人は2月12日に会見し、犬や猫の愛護をうったえる新党「12(ワンニャン)平和党」を設立したと報告したとのことです。デヴィ夫人をはじめ、同党からは比例区と都市部の選挙区で10人から30人の候補者擁立を目指すといいます。
デヴィ夫人は東京生まれですが、インドネシアのスカルノ元大統領と結婚し、インドネシア国籍になっています。参院選に立候補するには日本国籍が必要で、現在手続きを進めていると報じられています。
政治家の国籍をめぐっては、立憲民主党の前参院議員、蓮舫さんが日本国籍のほかに、台湾国籍も持っているとして、批判を受けたことがありました(その後、蓮舫さんは台湾国籍を離脱しています)。
デヴィ夫人は今後、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
●「帰化」するための条件は?インドネシア国籍であるデヴィ夫人が日本国籍を取得するためには、「帰化」という手続きが必要になります。東京法務局の公式サイトでは、次のように説明されています。
「帰化とは、その国の国籍を有しない者(外国人)からの国籍の取得を希望する旨の意思表示に対して、国家が許可を与えることによって、その国の国籍を与える制度です。日本では、帰化の許可は、法務大臣の権限とされています(国籍法第4条)。
法務大臣が帰化を許可した場合には、官報にその旨が告示されます。帰化は、その告示の日から効力を生ずることになります(国籍法第10条)」
また帰化するためには、いくつかの条件があります(国籍法第5条)。たとえば、「5年以上日本に住んでいる」「18歳以上である」「素行が良好である」「生活に困ることなく日本で暮らしていける」「無国籍であるか、原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失すること」などです。
また、日本の政府を暴力で破壊するようなことを企てたり、そのような団体を結成したり、加入したりしている人は帰化が許されません。
こうした条件に合致した人が自ら法務局や地方法務局に出向き、申請します。その後、提出された書類が審査され、法務大臣が決定した「許可」「不許可」の結果が本人に通知されるという流れです。
デヴィ夫人の場合も、同様の手続きをとったとみられていますが、一般的な帰化とは異なり、「日本と特別な関係を有する外国人」であると思われます。
東京法務局の公式サイトでは、この「日本と特別な関係を有する外国人」は、「日本で生まれた者」「日本人の配偶者」「日本人の子」「かつて日本人であった者」と説明されています。この条件に当てはまる場合は、帰化の条件が一部緩和されるとのことです。
●専門家「東京の法務局は混雑」帰化の手続きは、2025年7月までに行われる参院選に間に合うのでしょうか。
入管や帰化など、外国人に関する手続きを扱う行政書士の金子三佳子さんは、「デヴィ夫人は、かつて日本国籍を有しており、また日本での活動実績も帰化の判断の際には有利に働く」と指摘します。
一方で、帰化の手続きには「1年では難しいのが通常」とも言います。
「とくに東京の法務局は混んでおり、初回相談の予約を取るだけでも4カ月くらい先になることもあります。申請してからも、審査に時間がかかり、1年では難しいのが通常です」
帰化の手続きには、かなりの時間がかかりそうです。報道によれば、デヴィ夫人は現在、申請中とのことです。

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