
大きなミッションを達成した直後の表情がファンの視線を奪った。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」の予選Bリーグ1回戦第2試合、北海道・東北 対 関東Bが2月15日に放送された。第6局に臨んだ関東Bの郷田真隆九段(53)は、新鋭棋士を相手に快勝を飾りチームを勝利に導くことに成功。終局直後、「フ~ッ」と一息つく様子が視聴者の話題となった。
チーム最年長の郷田九段は、この日の初戦に登場すると北海道・東北の岡部怜央四段(25)との熱戦を制し好発進。チームに勢いを付けた。この波に乗った関東Bは、エース・伊藤匠叡王(22)らが快調に勝ち星を飾り、ステージ1を終えた時点で4勝1敗と勝ち抜けに“王手”。チーム勝利まであと1勝に迫った。
監督代行を務める永瀬拓矢九段(32)は、ステージ2の先鋒に郷田九段を指名。第6局では、北海道・東北から唯一ステージ2に進出した山川泰熙四段(26)との対戦となった。相掛かりの最新形の出だしとなると、郷田九段は先に抜け出しリードを奪うことに成功。2筋を突破すると、と金で後手陣を攻め立て一気に追い込み、最後は▲6二飛飛車と打ち込んで勝負を決めた。この一手には、解説を務めた石田直裕六段(36)からも思わず「かっこいい~!」の言葉が飛び出ていた。

山川四段が投了を告げると、郷田九段は首をぐるりと一回しし「フ~ッ」と一息。終局直後にベテラン棋士が見せた“仕事人ムーブ”に、ファンからは「ふう…」「惚れ直した」「マジで最後の一手カッコいい」「郷田先生ファンが増えちゃう」「これはかっこよすぎやろ」「今日のMVPやね」「ゴータ△」「首回したw」「決め方がかっこ良すぎ」とのコメントが殺到していた。
2戦2勝でチームに貢献した郷田九段は、「渡辺(明)監督から指名があったので、何も出来ずに終わっては辛い。自分なりに準備をして、まずはチームメイトに信頼してもらいたいなというところからスタートした。今は、一応戦力として見てもらえるかなという気持ちです」とコメント。相手チームはもちろん、自軍にもその実力を見せつけた郷田九段は、「ベストを尽くして(次戦も)良い対局をお見せできればと思います」と充実の表情を見せていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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