―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―


腕時計投資家の斉藤由貴生です。

筑波大学の生物学類にご入学予定の悠仁さま。友達はできるのか、人間関係のトラブル、恋人や結婚相手が見つかる可能性等、筑波大での生活に関して推測する多くの記事が出ていますが実際はどうでしょうか。筑波大に実際に通っていた筆者が、筑波大のキャンパスライフのリアルについてお伝えしたいと思います。

◆生物学類の定員は80名と少なめ

まず、入学するにあたって最も気になるといえるのが人間関係だといえます。ずばり、「友達はできるのか?」という点が大きいでしょう。これについて、筑波大学、特に理系学部ではほぼ100%の確率で友達ができるといえます。

というのも、筑波大の学類は、定員が50人といった少人数だから。悠仁さまが合格された生物学類も定員が80名程度とかなり少なめであります

都内の小学校の1学年でも100名ぐらいいるわけですが、それぐらいの人数だと、だいたいみんな顔見知りになるでしょう。人数の少なさゆえに、友達ができやすい環境だといえます。

また、理系学部については、単位の取得と友達がセット。男女問わず、誰かの家にいってみんなで勉強する、なんてことも珍しくありません。

私は、2011年、25歳のときに情報メディア創生学類に入学したのですが、周りの1年生は19歳になる年齢の人ばかり。19歳と25歳とでは、ありとあらゆる文化が違うため、私は入学する前に「友達ができるのか」と不安だったのですが、コミュニケーションがあまり得意ではない私でも、自然に友達ができました。また、先輩にあたる学年の人とも仲良くなり、現在でも付き合いがあるほどです。

私の場合、大学で知り合った友人が、最も今でも付き合いがあるといった状態ですが、高校生の頃、周りの大人に「大学だと、生涯付き合うような友達との出会いは少なくなる」、「高校までが生涯付き合う友達だから大事にしろ」とアドバイスされました。けれども、筑波大学では、「生涯付き合い率」が高い友人を獲得することが普通の環境といえます。

◆友人同士のトラブルは?

さて、そういった友達ができやすいという環境の筑波大学ですが、人間同士のトラブルはどうかというと、いじめ、仲間はずれといった状態は聞いたことがなく、かなり平和な環境だといえます。

また、理系学部においては「おれはリア充だ!」といったボス的な存在もなく、威張るような人も皆無。私含めたコミュニケーションが苦手といった人も、見た目がちょっと派手な女子生徒でも、みんなが友達といった感じで仲良くしています。

入学した際、「オタサーの姫的な感じ」になりそうと思っていたような女子も、姫になることはなく、みんなと友達同士といった感じでした。また、「学内カースト」といったものが存在せず、かなり過ごしやすかった記憶があります。

とはいえ、勉強できる/できないキャラというのはあったといえます。ただ、それがカーストになることはなく、勉強できないからといって馬鹿にされるということはありません。また、勉強できるキャラについては、みんながそれを利用していたといえます。難しい課題が出たときは、「勉強できるあいつから教えてもらおう」といった感じでした。

また、2年生になると、ほぼすべての生徒はアパート暮らしとなります。(1年生は大半が寮)。そうなった際、勉強会場やテスト後の打ち上げなど、「女子生徒の家が会場」となることも普通。都内の大学であれば、「彼氏以外の男が女子生徒の家に行く」というのはあまり考えられませんが、筑波大の場合は、女子生徒の家が「会場」ということが普通。そのまま男女が泊まってしまうことも珍しくありません。

◆筑波大の異性交遊事情は?

このように、男女関係なく友達ができやすい環境の筑波大ですが、「恋人はできやすいか?」となると、そうではありません。男女は「友達」となりやすい反面、恋人となる確率は低く、もちろん私も、筑波大学で恋人はできませんでした。また、男女ともに恋愛経験が少ない人が都内の私学等と比べると比較的多く、いわゆる都心のキラキラとした大学と比べると、環境は全く異なります。

ちなみに、筑波大生は、他大学の同じ学年と比べると「幼稚に見える」といわれているのですが、実際私も在学中にそう感じました。これは、25歳と19歳といった年の差があったから、というよりも、本当に他の大学1年生と比べても、筑波大の1年生は高校1年生ぐらい(同じ学年の友達もそう証言)。

これは、友人ができやすいという良い要素である反面、都内の高校に通っていた経験を持つ人からすると「高校1年生と付き合っている」ような感覚なのだと思います。実際、在学当時、慶応など都内大学のインカレサークルに顔を出しましたが、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力が、筑波大生とは段違いだと思いました。ただし、筑波大生についても体育専門学群の生徒については例外。慶應生のようなコミュニケーション能力を持つ人が珍しくないといえます。

◆筑波大生同士の結婚は?

筑波大生は、恋愛経験がない人が多い一方で、たまに聞くのは「初めて付き合った同士で結婚までいった」という噂。しかし、そういった噂を聞く一方で、実際に筑波大で知り合ったカップルが結婚したという情報は、私の耳にはあまり入ってきません。

今回、この記事を書くにあたり、同学年の友人や、先輩に当たる学年の友人にも「サークルの友達含めて、誰か結婚した?」と聞きましたが、筑波大カップルの結婚事例は1つしか聞きませんでした。

私の経験からしても、他大学と比べて、筑波大学は、恋人や結婚相手を探す難易度は高いといえます。

以上、今回は人間関係を中心に筑波大学のキャンパスライフをお届けしましたが、「友人の獲得は他大学よりも遥かに簡単な一方で、恋人はできづらい」といった部分をお分かりいただけたかと思います。

おそらくですが、今年生物学類に入学する方々は、悠仁さまと親しくなれることだと思います。ただ、筑波大学において、悠仁さまが生涯のパートナーに会う確率は、あまり高くない可能性があります。

悠仁さまには、大変余計なお世話で申し訳ありませんが、ぜひ筑波大学では「ご学友との時間」を楽しんでいただければ幸いです。

斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―


筑波大の教室の様子(筆者が学生時代に撮影)