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 Activision Blizzardが展開する基本プレイ無料のチーム制アクションゲーム「オーバーウォッチ 2」の新シーズン「SPOTLIGHT」では、新ヒーロー「フレイヤ」が実装される。詳細は以下の記事を参照してほしいが、フレイヤの武器はボウガン「REVDRAW CROSSBOW」で、アビリティとして垂直ジャンプやブリンクを備えている。

OW2新ヒーロー「フレイヤ」はクロスボウが武器! 垂直ジャンプ&ブリンクでシンプルながら奥が深い操作性

 今回、Blizzardに招待いただき、アメリカカ・リフォルニアにある本社へ行き、新シーズンについて先行体験および開発者インタビューを実施してきた。本記事では、Hero ProducerのKenny Hudson氏と、Sr. Narrative DesignerのJude Stacey氏に、新ヒーローのフレイヤについてお話を伺った。

機動力の高さとダメージが魅力
熟練したプレイヤーは使って楽しいだろう

──改めて、フレイヤについてどんな能力を持っているのか教えてください。

Kenny Hudson氏:フレイヤは、機動力が高いので動きが多いヒーローになります。弾は2種類あって、連射性能が高い弾と、右クリックの爆発の威力も持つ弾があります。右クリックの弾は、連射はききませんが、機動力の高さもあってかなりダメージを叩き出せると思います。このダメージと機動力によって、スキルの上限が高いヒーローとなっているので、熟練したプレイヤーほど使うのが楽しいヒーローです。

Jude Stacey氏:ショットの精密さは、物語にも繋がっていて、彼女は元オーバーウォッチのメンバーであり、今は賞金稼ぎとして「ギャラが見合えばどんな人物でもしょっ引いてくるよ」みたいな感じのキャラなので、物語的にも、自分の射撃の同じような精密な性格も持ち合わせています。

フレイヤはもとオーバーウォッチ部隊で今は賞金稼ぎ
実はコンセプトアートは昔のオーバーウォッチの没案にあった!?

──クロスボウを持っていたり、元オーバーウォッチのメンバーだったり、賞金稼ぎだったりデンマーク出身だったりと、オーバーウォッチとしては新しい要素があると感じました。このコンセプトはどこから作り始めたのでしょうか?

Jude Stacey氏:今回は新しい要素が多いのですが、昔ながらのアーカイブから持ってきたというのもあります。今まではオーバーウォッチの部署として救助隊の話はしていなかったので、今回は救助部隊にスポットを当てたいと思っていました。彼女は人を探し出すのを仕事にしていてい、賞金稼ぎの今も、お金を払ってくれれば誰でも探してあげるよというキャラクターとなっています。

Kenny Hudson氏:フレイヤのコンセプトアートは、実は昔のオーバーウォッチの没案の1つで、たまに開発チームは「何かないかな」と過去の資料を漁ることがあります。今回はクロスボウというアーキタイプもあり、物語に深い入りできることもあり、「これいいんじゃない?」とチームに投げかけたところ、いいヒーローが出来上がりました。

ブリンクと攻撃をどう組み合わせるかがカギ

──今回、クロスボウが武器で、垂直ジャンプとブリンクというシンプルだけど使い方の幅があると感じました。なぜこのような性能にしたのでしょうか?

Kenny Hudson氏:シフトで使うアビリティ(ブリンクする「QUICK DASH」)を、クロスボウの発射とどうにかして連動させられないかと考えました。横に移動してかわす理由を与えたい、その動作が自身の攻撃とうまくメッシュするようにしたいなと思っていたので、右クリックのボルトのチャージ速度を上げることによって、それを使うことによってそれが加速するので、うまくいい感じにシナジーができて、物語的にも合っている、一呼吸ついて大ダメージを与えるというようなヒーローに仕上がったと思っています。

──パークに敵を一時的に視認するアップグレードがあります。こちらは、彼女の物語と関係はあるんでしょうか?

Kenny Hudson氏:パークはキャラクターとの設定と結び付けたいというのが根本にあります。今回は、新ヒーローとパークを同時に作業しているので、まだまだ実装まで調整すると思いますが、パークはヒーローのバックストーリーに繋げたいと思っています。

Jude Stacey氏:パークはゲームプレイを向上させるだけでなく、ヒーローの話やゲームプレイをより深いものにしていきたいという意味で作ったので、フレイヤの場合は、戦場の敵が視認できるということは、誰でも探し出せるという物語における彼女のスゴさを体現できているなと思っています。やはり、最初に物語が来ても、ゲームプレイが来ても、開発としては何とかしてその2つを結び付けたいと考えています。

──ジャンプする能力がとても気になりました。同じダメージキャラのファラエコーと比較したときに、どのような特徴があるのか教えてください。

Kenny Hudson氏:フレイヤのジャンプは、右クリックを使うタイミングがとても重要になってきます。ジャンプして、0.5秒後に右クリックで攻撃するとしたら、そのときに慣性が少し和らいで持続するので、相手にとって移動中いつ撃ってくるか、撃ったあとにどれだけ遠くに行くかということを考えさせないといけないというのを重視しました。縦方向の移動もあるので、それプラス攻撃のタイミングをコントロールすることが大切です。それに比べるとファラは移動が長かったり速かったりしますが、予測できるので、それに比べてフレイヤは攻撃のタイミングと織り交ぜることによって、予測が難しくなっていると思います。

Jude Stacey氏:アニメーションも違いますし、最初のコードネーム「ワインドダッシャー」なので、自分が操作して移動している感が強いので、自分が有利な位置に行くために駆け抜けるというような操作感があります。エコーふわふわ浮いている感じがしますし、ファラロケットによるブーストといった感じなので、2人は操作性が少し違うと思っています。

──内部テストをされている間、どんなパークの組み合わせの人気がありましたか? また、2人のお気に入りのパークも教えてください。

Kenny Hudson氏:敵が見えるパークですね。壁の向こうが見えたり、ボルトが追跡してもいいと思ったのですが、やはりそれは強すぎると思ったので、今のバランスにしてあります。

Jude Stacey氏:パークではないですが、ウルトの回数が増えるパッシブがいいですね。

──フレイヤと相性のいいヒーローや、物語上で関係深いヒーローはいますか?

Kenny Hudson氏:フレイヤは、例えばジャンクラットのような敵を足止めしたり、遅くしたりするヒーローとのシナジーがあると思います。なぜなら、敵が遅くなることにより、大ダメージを与えられる右クリック攻撃が当たりやすくなるからです。

Jude Stacey氏:物語的にはこれからどんどん掘り下げていきますが、今言えることは、昔のオーバーウォッチのチーム、アナやソルジャー76などとは関係があります。彼女が昔どういう人間だったかというのが垣間見えるし、今はどういう人間になったのかも、アナやソルジャー76との関係に注目してほしいです。また、昔と今で彼女が彼らを見る目がどう変わったかも見えてくると思います。

ヒーロー誕生のキッカケはさまざまなところから

──オーバーウォッチの没案から出てきたというお話がありましたが、新しいヒーローを構想する際に、キャラクター性や物語性や、デザインなど考えることはさまざまだと思いますが、どういったところから構想は始まるんですか?

Kenny Hudson氏:最初は結構なんでもキッカケになります。例えばチームが素晴らしいコンセプトアートを出してくる、物語のデザインチームが素晴らしいストーリーを出してくる、ヒーローデザインチームがすごくカッコいいアビリティ案を出してくるなどさまざまです。都度、1つがいいねとなるときもありますし、3つ全部当てはまることもあります。

Jude Stacey氏:フレイヤの場合は、素晴らしいコンセプトアートがあったのと同時に、試合展開を遅くせずに、自分だけ時間を緩めるというアビリティを作り出したので、その2つを軸に構想を始めようということになりました。その2つができた時点で、物語やヒーローのアーキタイプなどを組み込んでいくのは時間の問題です。今回は昔の組織としてのオーバーウォッチにももう少し深堀したいよねということがあったので、昔のオーバーウォッチ出身で今は一匹狼キャラというのも、物語として伝えたいこととマッチングしました。

──スキンは実装時からありますか、後々追加されますか?

Kenny Hudson氏:新しいスキンはあります。今回のプレイテストで見せなかったのは、プレイテストのパフォーマンスの向上もありますし、ヒーロー自身にスポットを置きたかったからです。

ショットの精度に自信があるプレイヤーにオススメ!

──フレイヤはどんな人に使ってほしいですか?

Kenny Hudson氏:理想的には自分のショットの精度が高いプレイヤーが、自分のプレイをワンランク上にできるヒーローだと思います。彼女は、中距離長距離でも活躍できるヒーローなので、自分のショットに自信がある方に使っていただきたいですし、アビリティ的に上下に動きたい、素早く敵を倒したいという人にオススメです。おそらくフラッカーが使うことになるでしょう。

──今後のヒーローについて何か教えていただけないでしょうか。

Kenny Hudson氏:名前は言えませんが、攻撃は多分気に入ると思います。絵柄的にも、新しい地域を開拓するので、物語的にも広がると思います。その新ヒーローにぜひご期待ください。

──ありがとうございました。

OW2新ヒーロー「フレイヤ」の魅力や誕生秘話を開発者に聞いた、実は昔の没案から生まれた!?