夏はキャンプ場でバーベキューを楽しむ人も多いと思うが、大勢でワイワイしながらお肉や焼きそばを食べる楽しさは格別ではないか。最近は手ぶらで楽しめる施設や東京の銀座に持ち込みOKのお店もオープンしており、さらにバーベキューを楽しむ人口が増えそうである。ところで皆さんはバーベキューでおすすめの食材をあげるとしたら、何を選ぶだろうか。筆者は焼きマシュマロがイチオシであるが、皆さんのおススメが何であるか知るべく、「教えて!goo」「好きなバーベキュー用食材を教えて」ということで、質問してみることにした。

■普段やらないこともできる、非日常感がバーベキューの魅力

「教えて!goo」に寄せられた回答を見ると、「コーンを少し焼き、タレにつけてまた焼く。これを繰り返すと、夜店のトウモロコシには負けるけれど、おいしい」(smi2270さん)、「タレに漬け込んだマグロのカマとか、通常の3倍くらい厚みのある肉とか、骨付きチキンなど、自宅のグリルでは大きすぎて焼けないようなものを豪快に焼くのが好き」(morino-konさん)、「簡易燻製など、作りながら飲むのも楽しい」(globefさん)など、日ごろの食事とは異なるひと手間かけた食べ方も見受けられた。

他にも「さんま」(smi2270さん)、「鮭ときのこのホイル焼き」(morino-konさん)など、旬の食材を楽しむ人も多数いた。

さまざまな食材を焼いて楽しむバーベキューで気をつけたいことと言えば、食中毒の問題だ。生の肉や魚介類は、きちんと火を通した方が勿論いい。だが、バーベキューだと中まで焼けているかどうかの見極めが難しく、“外は丸焦げ、中は生焼け”といったことも起こる。せっかくのバーベキューでお腹を壊したとならないよう、食材の扱いや調理上の注意点について、管理栄養士の村上安曇さんに聞いてみた。

■生鮮品は、ドリンク類と同じクーラーボックスには入れない

「できるだけ鮮度の高い食材を、個別にラップやポリ袋などに分けて保管・運搬してください。例えば野菜は綺麗でも、生肉と一緒にすることで汚れてしまうこともあります。クーラーボックスを使用する場合、ドリンク類とお肉などの生鮮品類は分けて入れたほうがいいでしょう。ドリンク類のボックスは頻繁に開け閉めすることが多く、温度管理が難しいからです」(村上さん)

家を出てから調理するまでの時間も考慮し、食材を用意するべきだろう。細菌は20℃以上になると繁殖が活発になり、食品が傷みやすくなる。調理を始めるまではできるだけ低温で保存することが、食中毒予防の第一歩だ。

■肉が生焼けかどうかは、肉汁でチェック

続いてバーベキューの定番の肉の焼き加減について教えてもらった。

「肉はあまり分厚く切らないほうが無難です。“ペラペラの肉”というのも貧弱かと思いますが、厚みはあればあるほど、肉全体に火が通るのに時間がかかります。また、豚肉と鶏肉、ひき肉の生食は避けたいので、しっかり内部まで火を通してください」(村上さん)

厚切りの肉でも、包丁で切れ目を入れれば加熱時間を短くできるということなので、焼きながら食べる肉類は、ひと手間かけておくとよいだろう。

生焼けかどうかを見分ける目安ですが、肉から出てくる肉汁が透き通っていれば火が通っています。濁っている場合は、まだ内部まで焼けていない可能性があるので注意してください」(村上さん)

塊の大きな肉を焼くときは焦らずじっくり、ホイルなどに包んで蒸し焼きにしたりするのがよさそうだ。直火が強すぎると外側ばかり焦げるので気をつけよう。

■箸やフォークで、生の食材に触らない

「焼くときには、生の食材を扱う器具と焼いたものを食べる道具は分けたほうがいいですね。生肉に触れた手指はしっかり洗って、できるだけその手では他のものに触れないことも、食中毒予防の観点からは大事なポイントです」(村上さん)

水分が残っていると菌が繁殖しやすくなるということなので、肉や魚の汁、水洗いした野菜の水分などはしっかり拭きとっておくことも大切だ。

普段の食事の準備でも同じことがいえるだろうし、一見面倒なようだが注意を払うに越したことはない。せっかくのイベントが悲しい思い出にならないよう、衛生管理と食材の加熱には十分気をつけよう。

● 専門家プロフィール:村上安曇
管理栄養士。病院勤務の後、デイサービスでの栄養管理を経て、今は主に栄養生活相談、レシピ作成、栄養分析を行っている。食育やイベントで全国を駆けまわる日々。モットーは「家計と体にやさしい食事」づくり。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

バーベキューで肉の生焼けを判断する方法は?食中毒を防ぐポイント