
日本弁護士連合会(日弁連)は3月13日、国会で審議中の「公益通報者保護法の一部を改正する法律案」について会長声明を発表した。声明では改正案を「公益通報者の実効的な保護を一歩前進」と評価しつつも、重要な課題が残ると指摘している。
改正案では、公益通報を理由とする解雇・懲戒処分への刑事罰導入や、通報後1年以内の解雇・懲戒については「公益通報が理由の解雇・懲戒だった」と推定する立証責任の転換制度を新設。また、フリーランスの保護対象化や、通報者探索・妨害行為の禁止なども盛り込まれた。
しかし日弁連は、「公益通報者を閑職に追い込む」といった配置転換や降格については立証責任を事業者に負わせる規定がない点を問題視。「事業者側に証拠が偏在している状況に鑑みれば、立証責任を転換しても適切な配置転換であることを事業者側が立証するのは困難ではない」と訴えている。
また、日弁連は、資料収集・持出行為への免責規定や、解雇・懲戒以外の不利益取扱いへの刑事罰など、盛り込まれていない重要項目についても言及し、国会審議での十分な検討を求めている。

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