ウインカーは英語圏で通じない!? それどころかアメリカとイギリス同士でも言い方が違うだと? クルマのアメリカvsイギリス英語の世界

この記事をまとめると

■クルマにまつわる単語はアメリカ英語イギリス英語で呼称が異なるものがある

■日本ではどちらでもない独自の和製英語が使われることも珍しくない

■似たようなテイストなだけに両方の単語を見比べると面白い

クルマの用語はアメリカ英語とイギリス英語がごちゃ混ぜ!?

 イギリスとアメリカでは、作っているクルマのテイストが大いに違うことはご承知のとおりです。これは国民性の違いもさることながら、使っている言葉が同じような英語でも微妙に、あるいはまったく意味合いが違っていることも原因のひとつではないでしょうか。

 なにしろ、日本語でいう1階はアメリカ人なら1st floor、イギリス人はground floorですから、1階で待ち合わせても行き会えないことすらあるのです。もちろん、クルマ用語も同じ英語ながらいろいろと違っていて、ややこしいことこの上ありません。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 なので、和製英語が外国人にまったく通じないことがあるように、イギリス英語がアメリカ人にまったく通じないことがあります。クルマの「フロントガラス」もじつはバリバリの和風本舗で、イギリスはwindscreen(ウインドウスクリーン)、アメリカならばwindshield(ウインドウシールド)といわないとコミュニケーションはスムースに進みません。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 また、日本でボンネットと呼んでいる車体前方にあるエンジンルームの蓋も、イギリス英語のbonnet(ボンネット)からきているものの、アメリカ人はhood(フード)と呼んでいるのです。日本ではボンネットフードといった表記もあったりするので、これまたややこしい(笑)。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 和製英語とは違って、出どころがわからない用語もあります。

 たとえば、方向指示器を意味するウィンカーも「ランプウィンクのように点滅するから」とまことしやかな説がまかり通っているものの、イギリスはindicater(インジケーター:指示)、アメリカはturn signal(ターンシグナル:曲がる信号)どこにもウィンク要素が見当たりません。もっとも、アメリカはblinker(ブリンカー:点滅)と呼ぶこともあるそうなので、これは当たらずとも遠からずといったところかと。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 ほかにも和製英語イギリス&アメリカの混迷はあって、サイドブレーキというのも通じづらいようです。イギリスではhandbrake(ハンドブレーキ)、アメリカならばparking brake(パーキングブレーキ)またはemergency brake(エマージェンシーブレーキ)。はたまた、ガソリンスタンドイギリスでpetrol station(ぺトロールステーション)、アメリカになるとgas station(ガスステーション)。このあたり、海外旅行で通じなくて困った経験者もいらっしゃるのではないでしょうか。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

イギリス英語とアメリカ英語は似て非なるもの

 総じてイギリス人にいわせると、「アメリカ英語はサルでもわかる表現になりやすい」とのことですが、たしかに日本人からしてもイギリスには謎単語が少なくありません。

 たとえば、袋小路をイギリス人はcul-de-sac(クル・ド・サック)などと呼ぶのですが、じつはこれフランス語です。アメリカ人はシンプルにdead endデッドエンド)と呼び、イギリス英語(仏語?)を笑いの種にしているほど。ちょっとニュアンスは違うかもしれませんが、駐車場のことを関西でカープールと呼ぶことがあるかと思いますが、これまたイギリス(car park)やアメリカ(parking lot)とも違っていて、一体どこからきたのか不思議です。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 そして、単語そのものが違うならまだあきらめもつくのでしょうが、スペルが違うというのはお手上げです。最たる例がタイヤで、イギリスtyre、アメリカだとtireとなり、微々たるポイントでしょうが、つまずきやすいところでもあるでしょう。もっとも、タイヤのことをタイアと表記する編集部もあったりするので、一概に英米を責められるものでもありませんね。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 最後にクルマ用語ではありませんが、「馬に乗る」というのをイギリスはhorse ridingと呼び、アメリカはhorseback ridingと、わざわざ「馬の背に乗る」と表記しています。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

 これをイギリス人は「馬のどこに乗るかなんてわかりきっているのに、アメリカ人てやつは」と肩をすくめるジョークにしているとか。なるほど、これじゃクルマのできあがりも違ってくるのは致し方ないところかもしれません(笑)。

イギリス英語とアメリカ英語で同じモノでもスペルや意味は全然違った

ウインカーは英語圏で通じない!? それどころかアメリカとイギリス同士でも言い方が違うだと? クルマのアメリカvsイギリス英語の世界