
DVに苦しんでいるのは女性だけではない! 男女の価値観が大きく変容するなか、男性の被害も深刻化している。なぜか? 今回、心身を蝕まれながらも弱音を吐けない男たちの心の叫びに耳を傾けた。
◆“肉体的DV”で心身ともにボロボロ
「お前とは話し合いができないから手が出ちゃうだけ。私だって叩きたくないからな!」
そんな理不尽な理由で、3歳年上の妻からの暴力に耐える奥川太一さん(仮名・30歳・エンジニア)。交際時から気性が荒い性格の女性とは感じていたが、暴力を受けたことはなかったそう。
「結婚して1年ぐらいたって、些細なことで口論になったときに頰をビンタされたんです。それ以来、彼女は激高すると、腕を引っ搔いたり、スマホを顔に投げつけてきたり。あるときは胸部を拳で殴られて、僕が苦しくて床に倒れ込んだあとも足でお腹を踏みつけ、蹴られ続けたこともあった」
◆150文字以上の反省文を書かされる
暴行が終わったあとは、必ず反省文を書かされるとか。
「LINEに『反省』というグループがあって、自分の何が悪かったのか、今後どう改善すべきなのかなどを150文字以上で書かされる。その反省文が見当違いだと、『人の気持ちがわからないんだったら病院に行け!』と3倍以上の量の添削が返ってきて、彼女が納得するまで何度も書き直さないといけないんです」
妻は気が収まると何事もなかったように正気に戻るそう。
「後悔して妻から謝ってくることもあって、もう起きないかなと思っても同じことの繰り返し。以前、妻が投げてきたスマホが僕の顔面に当たって大きなアザができてしまって。会社の同期だけに妻のDVを話したら、『別れろよ』って本気で心配されました」
◆命を危機を感じる出来事が!
そんななか、今年1月に命の危険を感じた出来事が……。
「その日は夜10時ぐらいから説教が始まり、最初は真剣に聞いていたんですけど、深夜0時を回ったあたりで少しウトウトしてしまったんです。そうしたら、彼女が奇声とともに台所から包丁を持ち出してきて、『殺人だって私は悪いと思ってないから!』と刃先を僕に向けてきた。クッションで防御しながら、どうにか取り上げて落ち着かせました」
◆それでも離婚しない理由は…
それでも「離婚するほうが面倒くさいです」と奥川さん。
「以前、彼女が『離婚だ!』って叫ぶので『いいよ』と答えたら、『なんで? 別れるって言われたら、普通は説得するんだろ!』とまた激怒。ケンカをしていないときは穏やかな関係なので、妻の地雷を踏まないように僕がうまく付き合っていくしかないですね」
結婚3年目、彼がこの戦場にいる限り命の保証はない。
取材・文/週刊SPA!編集部
※3月18日発売の週刊SPA!特集「[男のDV被害]の実態」より

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