3月21日ゲームボーイアドバンスが発売された日だ。

ゲームボーイの後継機種となる任天堂の携帯ゲーム機ゲームボーイアドバンス(以下、GBA)は、2001年3月21日に発売された。

モノクロ画面の携帯ゲーム機として開発されたゲームボーイ(後にゲームボーイカラーが登場)とは異なり、GBAでは3万2千色同時発色可能な2.9インチTFTカラー液晶ディスプレイを搭載。フルカラーの美しい画面でさまざまなゲームを楽しむことができた。また、GBAGBA専用ソフトだけでなく、ゲームボーイゲームボーイカラーのソフトも動作する。

(画像はゲームボーイアドバンス公式サイトより)

GBAでは専用通信ケーブルを使用することで、最大4人までの通信プレイも可能。さらに、ゲームキューブ用ソフトファイナルファンタジー・クリスタルクロニクルでは、ソフト同梱のGBAケーブルゲームキューブ本体と接続することで、GBAセカンドモニター付きのコントローラーとして活用できるなど、ユニークな拡張性も用意されていた。

GBA発売から2年後の2003年2月には、上位モデルとなるゲームボーイアドバンスSPGBASPが発売された。折りたたみ型の真四角なボディがスタイリッシュなGBASPは、フロントライト搭載で画面が明るくなったこともあり、大人にも好評でGBA以上の人気を獲得することとなった。

一方で、GBASPSPよりも安価なGBAは、当時の子どもたちが自分だけのゲーム機を初めて手にするのに最適なハードとして、根強い人気に支えられていく。

“A blue opened Game Boy Advance SP” by Evan-Amos is licensed under CC BY-SA 3.0.

2004年12月にニンテンドーDSが登場した後も、2005年9月にはGBAがさらに小型化されたゲームボーイミクロが発売されるなど、数年に渡ってDSと並行した展開が続けられた。

GBAゲームボーイの後継機種であるだけに、やはり『ポケモン』シリーズは欠かせない。2002年にはポケットモンスター ルビー・サファイアGBAで発売された。

また2004年にはポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーンGBAで発売されたほか、2005年に発売されたポケモン不思議のダンジョン 赤の救助隊は、ニンテンドーDSで発売されたポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊と連動するという、機種を超えたユニークな展開が行われている。

(画像はNintendo Switch Online公式サイトより)

NINTENDO 64ゲームキューブなど、据置ゲーム機でゲームが3Dへと進化していく一方で、携帯ゲーム機であるGBAでは、ファミコンゲームボーイの流れを受け継ぐ2Dゲームがリリースされた。

ゼルダの伝説』ではゼルダの伝説 ふしぎのぼうしが発売されたほか、GBAならではのマルチプレイが楽しめるゼルダの伝説 4つの剣が、神々のトライフォースGBA版リメイクと同時収録される形で登場。後にゲームキューブゼルダの伝説 4つの剣+として、単体のソフトとしてリメイクされた。

メトロイド』はゲームキューブで3Dのメトロイドプライムが登場した一方で、GBAでは従来の2Dのゲーム性を引き継いだメトロイドフュージョンメトロイド ゼロミッションがリリースされた。

(画像はNintendo Switch Online公式サイトより)

ほかにもファイアーエムブレム』『悪魔城ドラキュラ』『スーパーロボット大戦など、GBAで2Dのシリーズ展開を行ったタイトルは少なくない。こうしたタイトルは後にニンテンドーDSなどでもその流れが継続して、据置ゲーム機のシリーズとはまた異なる独自の人気を獲得していった。

(画像は任天堂公式サイトより)
(画像はWii Uバーチャルコンソール公式サイトより)

また据置ゲーム機よりもソフトの規模が小さいGBAでは、チャレンジ精神にあふれた新機軸のソフトもリリースされた。メイド イン ワリオリズム天国といった瞬発力で遊べるカジュアルなゲームは、GBAから誕生して後に人気シリーズとなっている。

(画像は画像はNintendo Switch Online公式サイトより)

振り返ってみると、マルチプレイカジュアルゲームなど、2000年代後半からのニンテンドーDSをはじめとする携帯ゲーム機の爆発的人気の基盤が、GBAによって築かれていたことがよくわかる。

2025年現在、GBAソフトの一部はNintendo Switch Onlineでもプレイ可能なので、当時を覚えている人もまったく初めてという人も、この機会にぜひ触れてみてほしい。

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