
いつでも血圧が測れるスマートウォッチがとにかくスゴい
でも見た目だけでは、とても血圧計には見えない……?
ジョギングやウォーキングの記録に加え、睡眠や心拍数などのモニタリングも可能で、個人での健康管理に大変便利なスマートウォッチ。デジタルガジェット好きだけでなく、自身の健康状態に気を配る人の間でも広く使われるようになっている。
そのスマートウォッチの世界で、高い国内シェアを持つのがファーウェイの製品。腕時計に近い丸型のモデルやより小型のバンド型など、さまざまなラインアップを揃えているが、他社には無い、特にユニークな特徴を持つ製品を昨年末にリリースしている。
それが「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」。製品名のとおりに、血圧を測定することが可能で、管理医療機器(医療機器認証番号:306AGBZI00008000)の認証を受けているため、データの信頼性も高い。
血圧計と言えば、病院にあるものと近い、上腕部で測定するタイプや、よりコンパクトな製品だと手首で測定するタイプもあるが、それらを思い浮かべるとどうにもスマートウォッチとは違うものに感じる。しかし、HUAWEI WATCH D2は血圧計を内蔵しているにもかかわらず、見た目は大型ディスプレーを搭載した通常のスマートウォッチと変わらないのだ。
しかし、血圧の測定方法自体は一般的な血圧計と基本的には同じ。本体部分に内蔵されている小型のポンプがベルトと一体化したエアカフに空気を送り込み、手首を圧迫することで測定している。
見た目に“いかにも血圧計”な雰囲気がまったくなく、しかも測定時に振動や騒音が少なく、周囲の人に気づかれにくいため、自宅だけでなく、職場や外出先など、どこでも血圧が測れるのがとにかく便利なのだ。
通常のスマートウォッチとしての機能もしっかりと備えている。80種類以上の各種運動に対応しており、ランニングやウォーキングなどの継続時間や消費カロリー、移動ルートなどを記録できる。また、睡眠や心拍数、血中酸素レベル、ストレスなどの24時間モニタリングも可能だ(※)。
※血圧計、心電図以外の機能は医療目的で使用できません。
次ページ以降では、以前から日常的に血圧を測定している、中年の域に達したASCII編集部員が、実際にHUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計を使用した様子を見ていく。
普段から血圧を測定しているASCII編集部のオカモトが体験
思い立ったときにすぐ測れるのが、なにより便利の一言
ここからは以前から高血圧などの不安を抱えて、普段から血圧を測定しているASCII編集部のオカモトがHUAWEI WATCH D2を体験して、どう感じたか、どんな使い勝手だったかを紹介する。
これまで血圧測定には、ごく一般的な上腕式の血圧計を購入して利用(スマホとの連携機能などはなし)。起きた後の朝と寝る前の夜に測定することが多く、ネット上で見つけた血圧記録用のスマホアプリに手動で数字を入力していた。一方で、ファーウェイ製のスマートウォッチは以前から活用しており、特にウォーキングについては距離や時間、ルートなどを保存している。
先に結論から書いてしまうと、HUAWEI WATCH D2の最大のメリットは「思い立ったときにすぐに測れること!」に尽きる。
というのも、通常の血圧計だと、いつもと同じタイミングで測るのを忘れてしまうと、「今日は、まっいっか!」になってしまいがち。あと寒い時期だと、上腕型血圧計はTシャツ1枚にならないと(上着は脱がないと)測れないのだが、冬の起きがけ、まだエアコンが利いてない室内だと「服脱いで測るのが面倒過ぎ」ということも……。
HUAWEI WATCH D2なら、いつでも思い出したタイミングで測ればいいし、結果はiOS/Android両方で使えるスマホアプリ「HUAWEI Health」上に測定時間などとともに蓄積されていくので、とにかく「面倒事が無い!」のだ。
HUAWEI WATCH D2で血圧を測定するには何をすればいい?
では、実際のHUAWEI WATCH D2の使い勝手をもう少し詳しく見ていこう。
使い始める前には、まずはしっかりとサイズを合わせる必要がある。製品に付属しているメジャーのような専用の紙(ルーラー)で手首の太さを測定。この数値に合わせて、製品に同梱されているMとLの2サイズのベルトから選ぶとともにベルト穴の位置を決める。血圧は測定方法で数値が変わるので、ここは確実に。
手首にHUAWEI WATCH D2を着けていても、日常生活ではほとんど邪魔にならない。特に最初にしっかりサイズを調整していることもあって、手首にしっかりフィット。ウォーキング中やキーボードを打っているときも動いたりする感覚はない。睡眠モニタリング機能も便利なので、寝ているときもそのまま着けていたが、嫌な感じは全然なかった。
実際の血圧の測定は、右側面の下側にある大きめのボタンを押すことでスタートする(このボタン自体は血圧測定以外の機能に割り当てることも可能)。その際、HUAWEI WATCH D2を着けている腕を心臓の高さにして、もう片方の腕で支える。
血圧計を心臓の高さの位置にするのは、血圧を測る機会が多い人ならおなじみの動作だと思うが、いまいち位置がわかりにくいという人は、最初は鏡の前で使ったり、家族に使っている様子を見てもらうのはありかも。
結果が出るまでの時間は30秒程度で一般的な血圧計と大差ない。手首にかかる圧力も痛みを感じるレベルには程遠く、特に気にならない。音についても、たとえば職場の座席で使っていても周りに気づかれることはまずないし、立ったまま測ることもできる。移動中や出先でのちょっとした空き時間に測定することもあった。
「自動血圧モニタリング」モードを用いることで
1日の間における自分の血圧の傾向を知ることができる
HUAWEI WATCH D2での特徴的な測定方法が「自動血圧モニタリング」というモード。これは24時間に渡って、血圧を定期的に測定することで、1日の中で血圧の変動を確認して、自分の数値の傾向を知ることができるというもの。
日中については自動、もしくは手動(リマインド表示のあとに自分で測定を開始する)で測定。夜間については自動で測定を開始する。睡眠中も自動で測定されるが、この部分は管理医療機器認証の範囲外となる。
今回は時間間隔は30分ごとで、日中は手動で測定した。仕事に集中していると30分ごとだと案外頻繁に発生するなとは感じたが、測定自体にすごく時間がかかるわけではないので、面倒とは思わなかった。
睡眠中は自動測定されていたが、結局目が覚めるまで気づく機会はないまま。なお、体勢の問題などで正しく測定されなかった場合はデータは記録されない。
実際のデータを見てみると、自分の場合は朝から昼間はかなり低めの傾向があり、移動や作業が入るなど、活動量が増えると若干高くなる印象。また、真夜中から寝る前にかけても数値は高めになる感じだった。こうして1日の変動パターンをしっかり知っておけば、「今晩はなんか血圧が高いな……」などと一喜一憂する必要がなくなると感じた。
今後も油断せずに血圧の数値はしっかり管理して、何か気になる状況になった場合はかかりつけ医と相談したいと考えている。
HUAWEI WATCH D2は血圧測定以外の機能も充実!
ウォーキングや食事の管理と総合的な健康管理に使える
普段の運動と言えば、最近はウォーキングだけはしっかりしている程度なのだが、ここでもHUAWEI WATCH D2を活用した。
HUAWEI WATCH D2の画面は大きく、ウォーキング中の心拍数や歩いた距離、時間などがハッキリ見やすいので、負荷をかけすぎないよう意識している場合でも使いやすい(自分の場合は心拍数が100強くらいまでに留めるようなペースで歩いている)。
ウォーキング後は距離やルート、消費したカロリーなどがハッキリ表示されて記録されていくので、「せめて4kmくらいは毎日……」といった目標も立てやすい(目標低過ぎ!?)。
消費カロリーと言えば、「ボディメイカー」機能というものもある。これはHUAWEI WATCH D2装着時の活動量から、消費されるカロリー量を自動で計算、一方で朝昼夕(+間食)の食事内容をユーザーが入力することで、カロリーの黒字・赤字をグラフで見せてくれるというもの。食事内容の入力も各種献立を検索して選ぶだけなので、かなり簡単だった。
今回はHUAWEI WATCH D2の最大の特徴である血圧測定の機能を中心にテストしたが、ファーウェイ製スマートウォッチ用アプリの「HUAWEI Health」では運動量や睡眠、脈拍、そして血圧などのデータに加え、同じファーウェイの活動量計を導入すれば体重も一緒に管理できる。
さらに普段の運動量などを目標を設定して、その達成度合いを表示する「活動リング」、ユーザーの心の状態を見る「情緒」測定機能などもあるので、総合的な健康管理に使えそうだ。
さらには心電図(ECG)測定機能まで搭載している!
もう1つ、特徴的な機能としては心電図(ECG)測定機能も! HUAWEI WATCH D2に内蔵されたセンサーを用いて、心臓の鼓動の際の微弱な信号を記録してくれる。
プログラム医療機器の認証を受けているので、測定したデータは医療機関とも共有可能。かかりつけ医はもちろん、たとえば最近は循環器内科を中心に「スマートウォッチ外来」をうたう病院が増えているので、問題が表示されたり、そうでなくても実際の症状がある場合はそこで相談するといいだろう。
測定方法も簡単で、血圧測定時にも用いた右側面のボタンに指を触れて30秒ほどじっとするだけ。本当に楽なので、血圧測定とともに習慣化して、健康管理に活用していきたいし、本記事を読んでいる読者の方もぜひ試してほしいと考えている。
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HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計の市場想定価格は6万280円。単機能的な血圧計と比べれば、もちろん価格差はあるものの、いつでもどこでも血圧が測定できるという最大のメリットに加え(通常利用で6日間のバッテリー持ちなので、短期間の旅行などには充電器無しでも大丈夫)、心電図測定や一般的なスマートウォッチとしての機能と非常に充実している。
その意味では、自分で使うのももちろん、健康が気になる年齢になってきた両親などの家族にも勧めてみてもよさそうだ。体に気をつけて、楽しく日々を過ごしましょう!

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