アイペット損害保険は、「ペットの支出に関するアンケート調査」の結果を3月18日に発表した。同調査は、2025年1月31日2月6日の期間、犬・猫(以下、「ペット」)飼育者の1,000名を対象にインターネットを用いて行われた。

調査の結果によると、前年と比べてペット関連支出が増えたと答えた人の割合は43%にのぼり、4年間で約20ポイント増加した。2021年までの調査では、支出が「変わらない」と答えた人が約7割を占めていたが、この割合は年々減少し、2024年には54.0%となった。

特に、支出が増加したと答えた人のうち、約65%は年間3万円未満の増加であったが、10万円以上増加したと答えた人も約1割に達している。

2024年のペット関連支出を動物ごとに見ると、犬・猫ともに年間支出額が「10万円未満」との回答が半数を超えた。

ただし、犬の場合はサイズによる支出の差が見られ、大型犬の飼育者では「10万円以上~20万円未満」が最多となり、半数以上が年間10万円以上を支出していることがわかった。

支出増加の主な理由として、「物価上昇による固定費の増加」が約5割を占め、2位の「ペットの高齢化に伴う医療費の増加」に20ポイント以上の差をつけた。近年の物価高の影響により、フードや日用品といったペット関連の固定費が上昇していることがうかがえる。

さらに、3位には「ペットの健康への意識の高まり」(20%)が続き、ペットの予防医療や健康管理などの予防的側面からの支出が増加している様子が見受けられた。

実際に、支出増加の内訳を尋ねたところ、「フードやおやつの購入費」と「病気やケガの診療費」の増加が特に目立つ結果となった。

ペットの年齢別に見ると、4歳~9歳までは「フードやおやつの購入費」が最も増加したが、10歳以上になると「病気やケガの診療費」が急激に増える傾向があった。物価上昇が続く中で、今後も食費の増加が懸念されるとともに、高齢になるにつれて診療費の負担も増加するため、貯蓄やペット保険などで事前に備えることも一案になるという。

ペットの医療費に関する質問では、犬の医療費は半数が年間3万円未満、猫は2万円未満であった。ただし、これはあくまでもすべての年齢のペットを含む全体の結果である。

ペットの年齢別に支出額をみると、年齢が上がるにつれて医療費も増加する傾向が見られた。犬の場合、15歳以上では「2万円未満」の割合が約15ポイント低下し、「5万円以上~10万円未満」が約3割、「10万円以上」が約1割に達した。

猫の場合は、犬ほど年齢による差は大きくないものの、15歳以上では「5万円以上」の割合が24.7%となり、幼齢期の7.2%と比べると大幅に増加していることがわかる。こうした結果を踏まえると、ペットの医療費は年齢とともに増加することが予想されるため、計画的な資金準備が求められるのではないかと同社は分析している。

ペットのための貯蓄状況については、「貯蓄している」と答えた人が21.7%にとどまったものの、そのうち約6割がペットを迎えたタイミングで貯蓄を始めていた。

貯蓄の目的としては、「想定外の病気やケガへの備え」が最多で51.9%を占め、「長期間の通院や投薬への備え」(43.9%)、「ペットの介護への備え」(32.4%)と続き、大切なペットに健康でいてほしいという思いや、終生飼養への強い責任感が垣間見える結果に。

現在の貯蓄額は「5万円未満」「10万円以上~15万円未満」「90万円以上」がそれぞれ15%前後で分布しているが、目標金額としては「90万円以上」が最多で3割弱おり、長期的に貯蓄を増やしていこうと考える人が多いことがうかがえた。
(松野千聖)

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