こんにちは。学芸員のマシーナリーとも子です。みなさんは、「学芸員」ってどんなお仕事か知っていますか?

博物館における専門職員。もっと具体的に言えば、作品の収集・展示・保存・調査研究・イベント開催などをイメージするのではないでしょうか。私の担当は、博物館の運営全般です。

たとえば、幽霊を捕獲して見世物にしたり……

別次元へのワープが可能なポータルをそのへんに展示したり……

「給料が安いから辞める」と宣う専門家の先生に「ハッピーな思考」を「研修」していただいたり……

学芸員の業務内容はさまざま。忙しいながらも充実した日々を送っています。

そんな愉快な学芸員生活をあなたも! 手軽に楽しむことができるんです! そう、『ツーポイントミュージアム』ならね。

そんなわけで今回はTwo Point Studiosの最新作『ツーポイントミュージアム』のインプレッションをお届けするぜ。本作の目的は学芸員としてテーマごとに5つに分かれたヘンテコ博物館を運営し、大儲けすること。いわゆる経営シミュレーションなんだけど、過去作同様ユルッユルに楽しめるふにゃふにゃゲーになっております。

今回は新米学芸員としてツーポイントにやってくるみんなに、私が先輩学芸員として博物館運営の思い出と秘訣を伝授しましょう。心して聞くように。

絵・文/マシーナリーとも子
編集/柳本マリエ

『ツーポイントミュージアム』公式サイトはこちら『ツーポイントミュージアム』Steamページはこちら『ツーポイントミュージアム』PS Storeはこちら『ツーポイントミュージアム』Microsoft Storeはこちら

※この記事は『ツーポイントミュージアム』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


「遠征で発掘して飾る」これが博物館経営の基本

はじめて運営に携わった博物館は、先史文明を取り扱うメメント・マイルだった。

まずここで博物館経営のいろはを学んだ。テーマに沿った展示物をホールに並べ、展示品のメンテナンスをしてくれる「専門家」を雇い、展示品をサポートする情報スタンドで「関心」を高め、入場チケットを買わせる「チケット売り場」や寄付金を入れる「寄付スタンド」を置けば、とりあえず金が儲かるッ!

ほかにも色々やることはあるが、極限まで単純化すればこれが博物館経営の基礎です。

ところで、はじめての展示品はマップ上に配置されていた木箱から手に入れました。

木箱のなかに入っていたのは「右の足跡の化石」

補佐のおっさんによると、この木箱は勝手に湧いて出るわけではなく「遠征」をして手に入れる必要があるそうです。その遠征をするにはヘリが必要とのことなんだけど……

「差し押さえられていた博物館のヘリは勝手に取り返してきました」

さすがにダメだろ!!!!!

なんで差し押さえを食らったのかぜんぜんわかってなさそう。この国は法治国家じゃないんですか? でもよく考えたら過去作もやばかったな。

そんなわけで、勝手に取り返したというヘリに専門家スタッフを乗せ、近場の発掘現場に遠征。展示品に使えるような品を探してきてもらいます。

これ専門家っていうよりトレジャーハンターじゃないか? まあインディ・ジョーンズみたいなもんか。

待つこと数十秒で待望の展示品がやってきました。

途中、ヘリを取り返しに借金取りが押し寄せましたが、全員ボコボコにしてツーポイントホスピタル送りにしてやりました。おととい来やがれ。この博物館での生活も慣れてきたな。

こんな感じで、展示品が映えるように魅せる展示を作って入場料と寄付金を集める→遠征で新しい展示品を入手して飾る→稼いだ金でスタッフを雇ってローテが回るようにしていく

を繰り返すのが博物館経営です。簡単ですね。

もちろん「スタッフの休憩や治療」や「施設のメンテナンス」などいろいろ細かい要素もあるんだけど、そのへんはものすご~くチュートリアルが充実していて「教わったことをこなしていくだけで博物館が発展していくッッッ!」って感じになってるのでご安心を。みんなもなれるよ、売れっ子学芸員に。

ときどきはズズイーッとカメラを寄せてお客さんの様子を見てみるのもおすすめ。「あぁ、私がプロデュースした博物館がいま “生きて” いる」ということを実感できて、とっても温かい気分になれますよ。

おいこら馬鹿野郎! 展示品に乗っかるなテメェの生涯年収で弁償できると思ってるのか! 警備員、このアホをつまみ出せ!

溶けた氷のなかにいた洞穴人を「解凍」したら

遠征地の開拓も進み、いよいよ化石だけじゃなくて凍結品も見つけられるようになってきた。凍結品はそのままだと溶けてしまうので専用の機械を置いて周囲の温度を下げる。

「凍った過去」の展示をしたら、客としてイエティがやってきた。

イエティたち

こいつら捕獲して展示したほうが儲かるんじゃないか?

イエティに来られてもなあ」と試しに冷却マシーンをどかしてみたら氷が溶け始めた(当たり前)。

あっ、やばいやばいやばい! 氷が溶けちゃうよ! これ溶けちゃうけどさぁ、溶け切ったら……どうなるんやろなあ……。

古代のハチが復活して客に襲いかかってるッッ! えっ、すごくない? これさぁ、じゃあさぁ、洞穴人を解凍したらどうなっちゃうのかなぁ~~ッ!?

行けぇーっ!(どうなってしまうんだ!?)

あっ!!! 馬鹿この野郎!!! 寄付スタンドを壊すんじゃあないっ!!!

お前の世話もその金で見てるんだよやめろッッ! このッ……貨幣の価値がない物々交換の世界から来た野蛮人がッ! いいかお前に文明ってもんを叩き込んでやるッ!

文明社会ではなッ! 他人の資産を傷つけたものは罰せられるんだよ! 行け警備員! 洞穴人を捕まえろッッ!

連行されちゃった。

マジかよ。それでは次回、『ツーポイントプリズン』が発売されたときにまたお会いしましょう。さようなら洞穴人。

こうしてメメント・マイルの先史博物館には、「かつて洞穴人が鎮座していた台座」だけが残ったのであった。