
アメリカ、ミネソタ州にある動物と触れ合えるサステナブル・サファリで飼育されている、フタユビナマケモノのジェニファー・スローペズは、お掃除のお手伝いをしてくれる親切なナマケモノだ。
逆さまにぶら下がった状態で、柄の長いチリトリを固定し、飼育スタッフがホウキであつめたゴミをいれるのをサポートしてくれるんだ。
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お掃除のお手伝いをしてくれるナマケモノ
ミネソタ州メープルウッドにある、「サステナブル・サファリ[https://sustainablesafari.net/]」には100種近くの動物たちがいて、一部の動物たちとは触れ合いを通して生態を学ぶことができる。
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ここで飼育されているフタユビナマケモノのジェニファー・スローペズは、とても人懐っこく、親切だ。
飼育スタッフが掃除をしていると、長い柄のついたチリトリを支えて、お掃除のお手伝いをしてくれるんだ。
さらには、「掃くのも手伝ってあげる」と言わんばかりに、スタッフのホウキを握って引き寄せようとする。

とても微笑ましい光景だね。掃き掃除はまだジェニファーにとってハードルが高そうだけど、いつかはできるようになるのかな?
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フタユビナマケモノとは?
フタユビナマケモノ(学名:Choloepus didactylus)は、主に南アメリカの熱帯雨林に暮らすナマケモノの一種だ。
フタユビナマケモノの最大の特徴は、前足の指が2本、後ろ足の指が3本あること。大きさは体長約60~70cm、体重は約4~8kgほど。木の枝にぶら下がったまま生活をするため、長くて力強い爪を持っている。
動きはとてもゆっくりで、1分間に数メートルしか進まない。これは、ナマケモノの筋肉が少なく、省エネルギーで暮らすために適応した結果だ。
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主に葉っぱや果実を食べているが、昆虫、小さなトカゲ、鳥の卵などの動物性タンパク質も摂取することもある。
一日のほとんどを木の上で寝て過ごし、食べ物をじっくりと消化している。
ナマケモノがゆっくり動く理由は、「エネルギーを節約する」ためだ。熱帯雨林は栄養価の低い植物が多く、ナマケモノは限られた食料から得られるエネルギーだけで生きる必要がある。そのため、できるだけエネルギーを使わないように、ゆっくり動くようになったのだ。
また、動きが遅いため天敵(ジャガーやワシなど)に見つかりやすいと思われがちだが、実際には、木の枝にじっとしていることで天敵に気づかれにくくなるというメリットもある。
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陸上ではのんびりしているが、実はフタユビナマケモノは泳ぎが得意だ。水中では陸上よりも速く動き、川を渡るために泳ぐこともできる。

ミツユビナマケモノとフタユビナマケモノの違いは?
フタユビナマケモノとミツユビナマケモノは、名前こそ似ているがかなり違う。
その違いは前足の指の数だけにとどまらず、性格や食べ物などにもはっきりとした違いがある。
フタユビナマケモノは、前足の指が2本で、体格もやや大きい。また、ナマケモノとしては比較的活発で、時に素早く動く姿を見せることもある。
一方、ミツユビナマケモノは、前足の指が3本で、体はやや小型。ほぼ完全な草食性で、葉っぱだけを主食としている。
動きはフタユビナマケモノよりさらに遅く、穏やかで大人しい性格だ。攻撃的になることはほとんどない。
分類学的に見ても、この2種は「科」レベルで異なり、フタユビナマケモノはフタユビナマケモノ科、ミツユビナマケモノはミツユビナマケモノ科に属している。
つまり、同じナマケモノと呼ばれている動物同士だが、実際には全く別のグループというわけだ。


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