ダーウィンハナガエルのオスは、孵化したばかりのオタマジャクシを口の中に入れる。

 変態し子カエルになったら、まるで出産するかのように、口の中からブルブルとカエルたちを解き放つという、口内保育施設の役割を果たしているそうだ。

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お父さんの口の中は保育施設

ダーウィンハナガエルのオスが鳴嚢に子どもたちを入れている様子を示した図

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 子どもを吐き出すという作業は結構たいへんみたいで、おとうさんがちょっと苦しんでいるようにも見えるね。

 一般的にカエルのオスは、口の下に、鳴嚢(めいのう)と呼ばれる、柔らかな皮膚の膜(鳴き袋)を持っている。

 鳴嚢は、メスを誘うときに鳴き声を大きくする為の器官で、肺を膨らませと、空気が肺から喉頭を経て鳴嚢に入り、喉頭が振動すると音を発し、鳴嚢内で共鳴するというしくみになっている。

 共鳴することで鳴き声は大きくなり、遠くにいるメスも呼び出すことができるようになる。

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 この鳴嚢を保育施設として使用しているのが、ダーウィンハナガエルのオスなのだ。自分たちの子どもを外敵から身を守るために、従来ある器官を別の役割に使うようになったってことかな。

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