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VWグループの新たな電動化戦略

フォルクスワーゲンは第2世代となる新型『Tロック』に、初めてフルハイブリッド(ストロンハイブリッド)パワートレインを導入する。9月に開催されるミュンヘン・モーターショーで発表予定だ。

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これは、EV販売が予想よりも伸び悩んでいることへの対応として、フォルクスワーゲンの電動化戦略の転換を示すものだ。

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フォルクスワーゲンTロック

新型Tロックで導入予定のフルハイブリッドは、エンジンと電気モーターおよびバッテリーを組み合わせたもので、トヨタが採用しているTHSの仕組みと似ている。

エンジンユニットはターボチャージャー付き1.5L 4気筒ガソリンになると予想されている。バッテリーを充電する発電機として働くだけでなく、電気モーターとともに車輪の駆動も行う。フォルクスワーゲンの関係者によると、最高出力は204psから272ps、最大トルクは35.7kg-mから40.8kg-mの範囲で計画されているという。

外部電源による充電が必要なプラグインハイブリッド車(PHEV)や、電気走行が限定的なマイルドハイブリッド車(MHEV)など、フォルクスワーゲンの現在のハイブリッドシステムとは異なるものだ。

このフルハイブリッドは、Tロック専用というわけではない。フォルクスワーゲン・ゴルフや、兄弟ブランドのスコダ・オクタビアにも搭載される予定で、さらに幅広く使用される可能性もある。

これまで取材で得た情報によると、新型Tロックを含むフォルクスワーゲン・グループの幅広いモデルで採用されるMQB Evoプラットフォームにより、ティグアン、パサート、タイロンに加えて、アウディA3、セアト/クプラレオンおよびフォーメンター、そしてスコダのスカーラ、コディアック、スパーブなどにも新型のハイブリッド駆動系を展開できるという。

フォルクスワーゲンの広報担当者はAUTOCARに対し、これらのモデルを「ハイブリッドエレクトリック・ビークル(HEV)」と位置づけて販売する予定であると明らかにした。

フォルクスワーゲンはHEV駆動系を含む内燃機関の開発に、2028年までに600億ユーロ(約9兆7000億円)を投資する計画だ。

初のHEVモデルとなる新型Tロックは来年、欧州で発売される予定で、ガソリン車およびディーゼル車も販売される。

これまで目撃されたプロトタイプリーク画像が示すように、新型Tロックは現行型よりも派手なフロントグリルとスリムで角ばったヘッドライトを備え、最新のパサートやティグアン、ゴルフと足踏みを揃えたデザインとなる。


フォルクスワーゲンが「フルハイブリッド」導入へ 新型『Tロック』9月発表