
非正規従業員のストライキに揺れる人気回転寿司チェーン「スシロー」で3月25日、パート従業員やアルバイトが加盟する労働組合「回転寿司ユニオン」と運営会社が、3回目の労使交渉をおこなった。
会社側はストを決行した6店舗中5店舗に対して、時給を上げない「ゼロ回答」をおこなった。一方、ユニオン側は「ありえない」と反発。妥結には至らなかった。
双方は4月下旬に4回目の交渉をおこなう予定だが、ユニオン側は「結果によってはGW中のストも辞さない」と息巻いている。
⚫︎ユニオンは「具体的な根拠」を求めている回転寿司ユニオンによると、会社側がゼロ回答をおこなった理由について「利益率などを鑑みた結果という一般的な答えしかなかった」という。
ストライキのあった6店舗のうち唯一、仙台中山店(仙台市)のみ、ベースアップの回答があったものの、30円の引き上げにとどまった。ユニオン側が要求する200円の引き上げとは大きな開きがあった。
ユニオンは次回交渉に向けて、会社に対して、(1)利益率などゼロ回答の具体的な根拠を示す、(2)店長が決めている基本時給が本当に上限なのか、本社でも批判的に検討するーーを求めた。
⚫︎「別の店で働けばいい」は本質的な解決につながらないユニオン分会長の吉田帆駆斗氏は、会社側の回答について「物価高の中、時給1000円でどうやって生活すればいいのか。誠意が感じられない」と怒りをあらわにした。
長引く労使交渉をめぐっては、ネット上で「時給が気に入らないなら、別の店で働けばいい」など、組合活動をおこなう非正規従業員に対して批判的な声もあがっている。
一方、吉田氏は「別の会社で働けばいいというのは本質的な解決にはつながらない。金銭面以外の部分で今の職場を選んでいる人もいる。それならば現在の職場の環境を良くするために行動することが建設的」と反論する。
⚫︎次回もゼロ回答なら「GW中のスト辞さず」14人の非正規従業員がストライキに参加したスシロー宮崎恒久店(宮崎県宮崎市)の近くには、4月下旬に同業他社がオープンする。その同業他社の時給は1060円と同店より60円高いという。
吉田氏は「近隣店舗のほうが時給が高い限り、今後、人が足りなくなることは目に見えている」と指摘する。
労使双方は4月下旬に4回目の交渉をおこなう予定だ。
次回も同様の回答の場合、組合側は「GW中のストも辞さない」と会社に対して釘を刺す。加えて、労働委員会に対して不当労働行為の救済を申し立てることも検討しているという。
宮崎恒久店は、前回のストの際、他県の社員を派遣するなど対応に追われた経緯がある。連休中の営業に支障をきたさないためにも、会社側には非正規従業員に対して、納得いく説明が求められる。
「スシロー」の親会社FOOD&LIFE COMPANIESは弁護士ドットコムの取材に対し、「現在団体交渉中であり、誠心誠意対応しております。従い、現時点でお話しできる内容はございません」とコメントした。
「スシロー」の親会社FOOD&LIFE COMPANIESのコメントを追記しました。(3月26日午前9時42分)

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