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 ある大学の工学部で、期末試験中にカンニングを行う学生を暴くため、教授が巧妙な罠を仕掛けた。

 前々から教授は、試験中にトイレに立つ学生が多いことを不審に思っていた。クラスの半数が試験中に席を立つのは、どう考えてもおかしい。

 そこで、ある可能性に気付き、事前にひそかに仕掛けを施しておいた。その結果、14人の学生の不正行為を見事に暴いたのだ。果たしてその方法とは?

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教授がテスト問題に仕掛けた罠

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 教授は以前から、オンライン学習サイト「Chegg(チェグ)[https://www.chegg.com/]」が学生の不正に利用されているのではないかと疑っていた。

 Cheggは、問題を投稿すれば誰かが解答を提供してくれる便利なサイトだ。そこで教授と助教はある作戦を立てた。

 彼ら考案したのは、Cheggに今回の期末テストに出題する難しめの問題を投稿し、そこに誤った解答を仕込んでおくという罠だ。

 まず助教授がCheggに問題を投稿する。さらに教授が独自のアカウントを作り、その問題に対する「解答」を書き込んだ。ただし、これは間違った答えだ。

 見た目はもっともらしく、専門的に見えるが、実際には誤りを含んだものだ。

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仕込んだ罠にかかり、不正行為をした14人が発覚

 そして試験の日。教授はテストの中にCheggに投稿した問題を紛れ込ませた。

 テストの前半部分は比較的簡単だったが、後半部分は極めて難しく、授業では扱われなかった内容だった。

 そして、その後半部分の配点は5点と設定されていた。

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 ある学生は、「たった5点なら解けなくても大きな影響はないと考え、次の問題へ進んだ」と語っている。

 しかし、一部の学生は違ったようだ。 たった5点のために、トイレに行ってでも解答を得ようとしたようだ。

 試験終了後、教授が答案を採点することで、不正行為者が誰なのかが明らかになる。

 事前にCheggに載せていた偽の解答と、一字一句違わずに解答していた生徒がいたのだ。

 さらに、試験中に十数人の学生がトイレに立ったという事実を踏まえれば、これらの学生は トイレ休憩を装い、スマートフォンなどでCheggを閲覧していた可能性が極めて高い。

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 教授が仕掛けた罠は見事に機能し、99人中、14人の不正行為が明るみに出たのだった。

不正発覚した学生の処分と議論を呼ぶ教授の手法

 テスト後、教授はすぐに学生たちへメールを送った。そして、カンニングが発覚した14人には次の処分が下された。

  • 試験の点数を0点とする
  • 学術倫理違反として正式に記録を残す
  • 彼らの名前を学部内の教授と共有する

 この厳しい措置に対して、ネット上ではさまざまな反応があった。

 「試験中にカンニングをするなら、捕まって当然だ」と教授を支持する意見が多い一方で、「試験中にこの問題に取り組んだせいで他の問題を解く時間が減った学生がいるのでは?」と、教授の手法の公平性を疑問視する声もあった。

 あるユーザーは、「この教授の手法は天才的だ」と称賛し、別の大学教授も「ぜひ自分の授業でも試したい」とコメントしている。

大学のテストのカンニング対策

 この事件は、大学試験のカンニング対策のあり方について大きな議論を呼ぶことになった。教授の作戦は見事に成功し、不正を暴くことができたが、一方で「学生を罠にはめるやり方が適切なのか?」という問題も浮上した。

 カンニングは決して許されるものではない。しかし、その防止策として「罠を仕掛ける」ことが正当化されるのかどうか、これは教育現場で考え続けるべき課題なのかもしれない。

 少なくとも、この大学の学生たちは、今後試験中に安易にトイレに行くことはなくなるだろう。

References: Not my revenge, but my professor against cheaters[https://www.reddit.com/r/ProRevenge/comments/e8f0z1/not_my_revenge_but_my_professor_against_cheaters/]

本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者向けにわかりやすく再構成し、独自の視点で編集したものです。

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