
日本の都市部に生息するカラスは、ハンガーを巣作りの道具として利用することが知られている。木の枝が不足している場所では、身近に手に入る材料を巧みに利用しているのだ。さすが賢いカラスだけのことはある。
海外のSNSで話題となっていた映像では、建物の横にある鉄柱に、これでもかと言わんばかりのハンガーが詰め込まれており、もはや巣というよりも前衛的なアート作品となっているようだ。
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カラスによる前衛的なハンガーアート
この動画のオリジナルはおそらく日本ではないかと思われるが、海外掲示板Reddit[https://www.reddit.com/r/Unexpected/comments/1jfk277/modern_problems_require_modern_solutions/?rdt=43095]で紹介されていた映像には、カラスが次々とハンガーを集め、マンションの横にある鉄塔の隙間に、大量に詰め込んでいる様子が映し出されている。
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カラスが収集するのはワイヤーハンガーだけかと思っていたが、最近ではプラスチック製のハンガーも回収対象のようだ。
もはや鉄柱を利用しての前衛アート作品となっている。

カラスの知能はみんなが知っている通り。道具を使うことができるものはもちろん、記憶から道具を再現し、それを改良して最適化することもできる。
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また、道具の価値を理解しており、お気に入りの道具ほど大切に使うという。
このハンガータワー、カラスたちににとってお気に入りになっているのなら、撤収しようものなら、17年は恨まれる覚悟が必要になるな。
カラスがハンガーで巣をつくることの弊害
都会に木がないからハンガーを代用しようとした創意工夫はすごいと思うが、それをやられると人間に弊害が生じてしまう。
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春に子育てをするカラスは3~6月ごろ、電柱の上に好んで巣をつくる。巣づくりのために使う金属製のハンガーや雨でぬれた枝は、配電線に触れると停電の原因となってしまうのだ。
カラスは単なる鳥ではなく、驚くべき知能を持つ生き物だ。知恵比べをするのじゃなく、彼らとうまく共存するための方法を考えていく必要があるだろう。
フランスやオランダ、スウェーデンではカラスを訓練してゴミやタバコの吸い殻を収集する試みを行っており、成功を収めているという。
日本のプラスチックごみ問題も、カラスたちに協力してもらえば、清掃にかかる費用を軽減できるかもしれないぞ。味方に回せば空の安全も守られるかもだ。

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