安保法案の抗議デモのため、国会周辺に大勢の人たちが集まる中、デモ主催団体とデモを支援する「官邸前見守り弁護団」の弁護士が8月14日、「国会周辺のデモに対する警備が過剰で、表現の自由の制約になっている」として、警備の見直しを警視庁に申し入れた。

見守り弁護団の神原元弁護士によると、警視庁警備部を訪れて申し入れ書を手渡し、その場で15分ほど趣旨を伝えたという。申し入れのポイントは次の3点だ。

(1)表現の自由を不当に制約しないよう、国会周辺の警備・規制は必要最小限にしてほしい

(2)集会主催者に事前に警備計画を示し、計画を現場の警察官に周知徹底してほしい

(3)抗議参加者の撮影をしないよう徹底してほしい

神原弁護士によると、たとえば7月17日、24日の国会正門前では、参加者の列を輪切りにするような形で「鉄柵」が設置されたり、抗議活動スペース周囲に警官が並んだため、人が入れる場所が必要以上に狭くなってしまったという。さらに、国会前交差点横断歩道や、国会北庭側に向かうルートが閉鎖され、人の流れが大きく阻害されたと主張している。

SEALDsメンバー「車道を解放してほしい」

デモ活動をしている学生団体「SEALDs」所属の大学3年生・芝田万奈さん(22)は申し入れ後、記者団の取材に応じ、次のように話していた。

「現場では、まだスペースに余裕があるのに、鉄柵によって人の流れを止めるような規制がされています。基本的には人の流れを作っておかなければならないのに、動けなくなってしまって人混みの外にも出られない。警備の誘導で狭い場所に押し込められて、ぎゅうぎゅう詰めになって、危険を感じたという人もいました。

安全性を考えると、歩道や狭い場所に人を押し込めるのは、かえってどうなのかなと思います。

夜の国会正門前は、ほとんど車が通りません。たとえば車の通行を規制して、デモ活動で車道を使えるようにすることも考えてほしいと思います。

現場にいると、警察の過剰警備に戸惑う参加者が多いと感じます。数万人が集まる中で過剰警備があると、それだけで参加者がイライラして、警察ともめてしまうことがありました。どうやったら安全に抗議活動を続けられるのか、今後も話し合っていけたらいいと思っています」

(弁護士ドットコムニュース)

国会周辺デモ「過剰警備で『表現の自由』を制約している」主催者が警視庁に見直し要望