600時間かけて作ったという東京・丸の内の模型が、YouTubeで話題を集めています。動画は記事執筆時点で30万回視聴を突破、4000件を超える“高評価”が寄せられています。

【画像】完成した作品

●東京・丸の内の風景

 投稿したのはYouTubeチャンネル「Cityscape Studio シティスケープスタジオ」さん。以前、阪急宝塚線服部天神駅」のジオラマを紹介し注目を集めました。

 今回の作品は東京・丸の内の風景。テレビなどで見ることも多い、れんが造りの駅舎をNゲージで再現しています。

 最初に用意したのは大きな2枚の板です。長さを測って線を引き、ノコギリで切り離していきます。それぞれの辺に角材を貼ったら土台が完成。側面にはドリルで穴を空け、ネジ止めできるようにしています。

 次に取り掛かったのは線路を組み立てる作業です。印を付けたグレーの板に線路のパーツを貼り付けていきます。驚いたのは線路の脇にある柵を作る工程。ホチキスの針を1本ずつに分けて、丁寧に接着していきます。

 線路の周りにジオラマ用の砂利をまき、筆でならすと線路っぽいリアルさが。まいた砂利は接着剤で固めておきます。

 細長く切ったパーツを組み合わせて、駅のホームを作っていきます。ホーム中央には下の階に降りるためのスペースを制作。そこに設置するエスカレーターも手作りです。

 細長い直方体は駅員室。窓やドアまで細かく作り込みます。ホームの端には、ホームドアを設置します。

 ベンチ、自販機、看板などを置いていき、人物のパーツを配置したら、見慣れたホームの光景に。取り外し可能な屋根のパーツには、リアルな看板や貼り紙、電気の配線が仕込まれています。

 東京駅の象徴ともいえる丸の内駅舎を作ります。土台の設計と3Dプリントは3Dプリンターモデラ―のKinoArtsさんに作ってもらい、MAJIRIさんが組み立てと塗装を行います。

 黒の土台を淡いグレーで下塗りしてから、れんが色に塗装します。2012年に復元された境界は色味の違いで再現し、印象的な縞模様は一部をマスキングテープで覆ってから塗っていきます。

 窓に装飾を施し、出入り口の奥には雑踏の画像を貼り付け。建物の内部にLEDを仕込んで組み立てていきます。

 中央線のホームと線路を作ります。中央線のホームは他の路線に比べて高い位置にあります。これは北陸新幹線東京駅乗り入れに伴って新幹線ホームが増設され、在来線ホームが次々と丸の内側に移動したため。押し出されて丸の内駅舎ギリギリになったホームや、折り返し運転のための特殊な分岐ポイントを再現します。

 ホームを作って線路を配置し、砂利をまきます。分岐ポイントを動かすためのモーターを仕込みます。

 信号機は将来点灯させることを目標にLEDを仕込みます。細かいパーツを1つ1つ手作りして極細ドリルで空けた穴に差し込んでいきます。橋げたを作ってホームを配置してみると、本当に丸の内駅舎ギリギリです。

 駅の外に通っている道をプリントして貼り付け、細かい構造物を作っていきます。アスファルトの色はそのままではなく、色をプラスして経年変化を再現。道路標識や街路樹を配置すると、一気に街らしくなっていきます。

 残りのパーツを作って塗装し、線路の上には架線を取り付けます。駅前広場やホームにはたくさんの人影が。道端には黒塗りの高級車が停まっています。個人的にツボだったのはウエディングフォトを撮る人たち。今っぽさが現れているように感じました。

 最後に線路の配線をしたら作業は終了。山手線京浜東北線が並んで走る光景や、丸の内駅舎ギリギリに車両が入ってくる様子を再現することが出来ました。

●「世界の頂点に立つべき作品」

 驚くほど細かい作業の積み重ねで完成した今回のジオラマ。コメント欄には「見応えあった~」「1つ1つの作業が本当に丁寧で素晴らしい」「世界の頂点に立つべき作品」といった声が。「鉄道博物館に寄贈して一般公開して欲しいレベル」という書き込みもありました。

 こちらのアカウントでは、X(Twitter)でもジオラマの情報を発信中。別の日のYouTube投稿でも、すばらしい作品を見ることができます。

画像提供:YouTubeチャンネル「Cityscape Studio シティスケープスタジオ」

木材で土台を作ります