森山未來が主演するLeminoオリジナルドラマ「飛鳥クリニックは今日も雨」が独占配信中。第1話は“何でも屋”のリー(森山)が投資詐欺に遭ったキャバクラ嬢からの依頼を受けた。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】投資詐欺に遭ったキャバ嬢役で元乃木坂46の堀未央奈が登場

■新宿・歌舞伎町を舞台にした本格裏社会ドラマ

詐欺・情事・外道という“人間の欲望”をテーマにしたLeminoオリジナルドラマの第3弾。同ドラマの原作は「週刊SPA!」(扶桑社)で連載中の、Xのフォロワーが90万人を超えるインフルエンサー・Z李氏による同名小説だ。東洋一の歓楽街といわれる新宿・歌舞伎町で看板のない“何でも屋”を営む主人公・リーが、詐欺や未成年売春といった事件の真相に迫っていく。

主人公のリーを森山、リーの仲間である純を勝地涼、リーのかつての恋人・美香を馬場ふみかが演じる。監督は、自主制作映画「SR サイタマノラッパー」(2009年)が話題を呼び、「22年目の告白 私が殺人犯です」(2017年)、「あんのこと」(2024年)、「室町無頼」(2025年)などを手掛けてきた入江悠が務める。

■投資詐欺に遭ったキャバ嬢の依頼を受ける

リーが純、マサキ(深水元基)、佐野(小倉史也)とマージャンに興じているところへ、純を頼ってキャバ嬢の愛梨(堀未央奈)が相談にやって来た。店の客だったゴールド櫻田(新納慎也)と名乗る男に投資話を持ち掛けられて800万円を預けるも、80万円の配当が1度あっただけ。友人も巻き込まれているという。

「典型的なポンジ・スキームだな」と指摘するリー。ポンジ・スキームとは、出資を募り、運用益を配当するといって、実際は金をだまし取る手法だ。

自身の仕事がある佐野を除き、リーたちは愛梨の案内で櫻田がいる中華料理店へと向かった。

■作品に溶け込む森山未來のダークな存在感

そこでは愛梨と同じようにだまされた男たちが櫻田に詰め寄っていた。だまされた男たちが素人だと感じた純は、電話で話しているふりで自分をヤクザだと思わせ、マサキは両腕の入れ墨をわざと見せて近寄り、リーがヤクザの“頭(かしら)”という体で登場した。3人のチームワークがスムーズで面白い。

3人のチームワークはその後も。カラオケボックスで櫻田を問い詰めるシーンでは、スマホの履歴から、櫻田が詐欺で巻き上げた現金を隠すために、キャバクラにデポジット(積立)していたことが分かるのだが、リーがスタンガンを持ち、マサキが櫻田を羽交い絞めに。そして純が吉本新喜劇での吉田裕&すっちーによるギャグ“乳首ドリル”の掛け声をする。流れるようなやりとりに、クスっと笑ってしまう一方で、こういう脅しの行為が日常で起きている世界なのかとも思わせる。

その後、愛梨のだまし取られた800万を超える金を回収することができたが、愛梨が実は他の人の分があと8200万円あると打ち明け、「おまえ、紹介料もらってんだろ?傍から見ててグルと変わんねーよ」と怒るリー。櫻田から聞き出した“黒幕”と一戦交え、さらに大金を回収するという展開になった。

長い1日を振り返って「この街じゃ、人にだまされるなんて珍しいことじゃない」と思うリーの脳裏によみがえったのは、8年前のこと。そこに出てきたのは、斎藤(竹中直人)、宮原(阿部亮平)、木村(音尾琢真)、さらに木村に面倒を見てほしいと頼まれた美香。

これから“今”と“8年前”が絡み合っていきそうだが、そこにどんな“だまし”があったのか。森山は、歌舞伎町で生まれ育った主人公を自然体に見せている。ダークな場所での立ち居振る舞い、そしてこれまでに培ったであろうすごみもにじみ出ている。そんな森山と共に、勝地、深水、竹中、阿部、音尾と、数々のワルめの作品でも存在感を放っている俳優陣がズラリと顔をそろえていることに期待が高まる。そこに加わる馬場も楽しみだ。

Leminoオリジナルドラマ「飛鳥クリニックは今日も雨」(全8話、第1~2話は無料配信)は、Leminoで独占配信中。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

森山未來主演のLeminoオリジナルドラマ「飛鳥クリニックは今日も雨」が配信中/(C)NTT DOCOMO,INC.