
「2025年は周年モノが目白押し」オロナミンC、キユーピー、のりたま…1925年~1965年に誕生”今なお愛され続ける大定番”の誕生秘話とは?【周年モノ100年タイムトラベル】の画像一覧
2025年は、発売◯周年を迎えた“周年モノ”のフード・ドリンクが多数あるお祭り年!そこで100年前に時を遡り、時系列ごとに周年モノの発売秘話を巡る時間旅行に出発!ロングセラーが持つ逸話をじっくり堪能しよう!
1.【1925年】キユーピーから日本初のマヨネーズが誕生!
1910年代、キユーピー創始者の中島董一郎氏はアメリカで食べられていたマヨネーズに注目。関東大震災後、衣食住の西洋化が進みマヨネーズが受け入れられる下地ができたと確信した氏はマヨネーズを製造。当時は瓶だったのでポマードに間違われることも。
発売のきっかけは関東大震災の復興による西洋化にあった!?
発売初期のキユーピー マヨネーズ。当時人気だったキユーピー人形をシンボルとした。
2.【1935年】ヤクルト販売開始!
医学博士の代田稔が強化培養に成功した「乳酸菌シロタ株」を含んだ飲料を発売したのが始まり。代田は当時、衛生状態の悪さから感染症で命を落とす子どもがいることに心を痛めていた。そして病気にかからないための予防医学を志し、微生物研究の道へ進んでいた。
人々の健康づくりに役立ててもらうことを願って生まれた
発売当初のヤクルトは、ガラス瓶で販売されていた。写真は1953年ごろ。25mL。
当時のヤクルトの販売・普及を担当した代田保護菌普及会(1941年、山口県宇部市)。
3.【1960年】南極地域観測隊がきっかけロッテからクールミントガム誕生!
1956年、ロッテが南極地域観測隊にビタミンなどを配合した特別製の栄養ガムを提供したことが背景。そのため初代パッケージは南極を想起させる絵柄になっており、キャッチコピーも「南極の爽やかさ」。爽やかなペパーミントの味は南極の空気感をイメージしている。
ペンギンの絵柄はロッテが南極地域観測隊にガムを提供していたから
当時のパッケージ。
南極地域観測隊へ特別製のガムを運搬した車。ガムは基地食用など目的別に製造された。
4.【1960年】丸美屋から画期的なふりかけ「のりたま」誕生!
旅館の朝食に出ていたたまごとのりをヒントに、旅館の朝食を家庭で味わえないか?と考えたのが開発のきっかけ。当時ふりかけは魚粉を使うのが一般的で、しかもたまごとのりは贅沢品だった。しかし、その画期的な試みが功を奏し、発売後すぐ注目された。
ヒントは旅館の朝食!発売当時のりたまはふりかけの異端児だった!?
初代パッケージ。デザインをしたのはニッカウヰスキーのデザインで知られる大高重治氏。
当時のチラシ。のりたまの姉妹商品として1963年に発売された「すきやき」も掲載。
5.【1965年】大塚製薬から美味しい炭酸栄養ドリンク「オロナミンC」誕生!
当時の栄養ドリンクは効能優先が多かったことから、味・美味しさにこだわった栄養ドリンクを作ろうと開発。栄養ドリンクに炭酸を混ぜるという革新的な発想にたどり着いた。商品名は同社の大ヒット塗り薬「オロナイン軟膏」の“オロナ”とビタミンCの“ミンC”から。
商品名の由来はあの大ヒット商品!「元気ハツラツ!」を届けて60周年
発売当時は王冠式。1971年にはスクリュータイプに、1986年にマキシタイプに変更された。
CMに大村崑さんを起用。「オロナミンCは小さな巨人です」などの名ゼリフも生まれた。
6.【1965年】三立製菓からハートのお菓子「源氏パイ」誕生!
三立製菓
源氏パイ
実勢売価¥250(編集部調べ)
問い合わせ:三立製菓 WEB:https://www.sanritsuseika.co.jp/
開発担当者がパイの本場ヨーロッパを視察中に「パルミエ」と呼ばれるハートのかたちのパイ菓子に出会った。当時の日本では高級菓子店のみで販売されているお菓子だったが、このお菓子を手頃な価格で日本の家庭に届けたいと担当者が考えたことが開発のスタート。
源氏パイの商品名は当時の大河ドラマ『源義経』に由来していた !
発売当時の源氏パイ。平家パイも2012年にレーズンパイを期間限定で改称し、登場した。
昭和40年代の浜松工場。特徴的なハートのかたちはオーブンで焼くと自然に膨張してできる。
取材・文/金山靖

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