
チェルシーやリバプールからも関心
土壇場での一撃がチームを“蘇らせた”。
現地時間4月26日に開催されたプレミアリーグ第34節で、17位のウェストハムをホームで迎え撃った10位のブライトンは、3-2で接戦を制した。62分からピッチに立った三笘薫は89分に値千金の同点弾を決めた。
右足の怪我の影響を受ける三笘は、この日もベンチスタート。62分からピッチに立つと、アグレッシブな動きを披露。そしてチームが1-2とビハインドを背負った89分にブラヤン・グルダの折り返しにヘディングで合わせ、前節に続き、途中出場でゴールを奪ってみせた。
三笘の一撃で勢いに乗ったブライトンは、後半アディショナルタイム3分にカルロス・バレバが劇的な決勝ゴールをゲット。ホームの観衆を熱狂させる見事な逆転劇を完結させた。
地元ニュースサイト『Sussex World』が「ブライトンが必要としていたサイドの魔法をもたらした」と評した三笘。チームに6戦ぶりの勝利をもたらした日本代表MFの同点弾は、彼自身のキャリアハイを更新する今季のプレミアリーグ9点目。世界最高峰のプレミアリーグで二桁得点達成を射程圏内としている。
シーズンも残り4戦を閉幕が差し迫る中、声価を高める三笘に関しては、気になる情報も舞い込んでいる。それは今季終了後にブライトンから「移籍する」というものだ。
現在27歳の三笘は、ブライトンと27年6月までの契約を締結しているが、そのポテンシャルの高さは多くのクラブにとって垂涎の的となっている。
そうした中で、彼の動向を熱心に追いかけているとされるのが、サウジアラビア強豪アル・ナスルだ。今年1月に最大9000万ユーロ(約144億円)に、500万ユーロ(約80億円)のオプションが付帯するメガオファーを2度に渡って提示していた中東の名門は依然として三笘に強い関心を抱き続けているという。
英メディア『Football Insider』のピート・オルーク記者は「今夏にアル・ナスルが“適切なオファー”を出せば、ブライトンはカオル・ミトマの移籍を阻むつもりはない」と指摘。「新たなテコ入れをしたいと考えているアル・ナスルにとってミトマは獲得リストの上位にいる。あとはシーガルズの決意のみが試されるところだが、残り2年の契約を考えれば、退団そのものを邪魔するものはない」とした。
もっとも、三笘の退団は、もはや“既定路線”という声もある。
ブライトンをこよなく愛する『Sussex World』は、今夏退団する可能性のある10選手を紹介する特集記事内で日本代表MFをリストアップ。「ミトマは5月に28歳となり、今夏がブライトンにとって移籍金を最大化するチャンス」と断言。「安く買って、高く売る」を経営戦略の一つにしているクラブが今夏にチームの核となっている韋駄天を売却する可能性が高いと予測した。
すでにチェルシーやリバプール、アーセナルなどプレミアリーグの強豪クラブからも関心を寄せられている三笘。ワールドカップまで1年を切る中で、今夏にその去就問題は忙しないことになりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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