2023年11月、オーストラリア南部にあるカンガルー島で、愛犬のミニチュアダックスフンドのヴァレリーを連れ、休暇を楽しんでいたジョージアガードナーさん・ジョシュさん夫婦だが、犬はキャンプ中に行方不明になってしまった。

 夫婦は手を尽くして行方を追っていたところ、目撃情報が寄せられ、最近では2025年3月27日、捜査に加わっていた地元の保護団体がヴァレリーの姿を発見。だが捕まえられずに月日は流れていった。

 そしてついに2025年4月25日行方不明になってから539日間ぶりに、ヴァレリーが無事に保護されたという、うれしいニュースが飛び込んで来た。

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無事に保護されたヴァレリー

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 まずは保護された直後の、元気なヴァレリーの姿を見てもらおう。可愛いウインクがキュートすぎる。

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 ヴァレリーは行方不明になったのは2023年11月。カンガルー島をのストークス湾を訪れた際、ビーチでの楽しい時間が待ちきれなかったヴァレリーは、ケージから抜け出してしまったのだ。

 当初、徹底的な捜索活動が行われていたのだが、どこにも見当たらず、夫婦は一旦ニューサウスウェールズ州へと引き返した。

 その後も長い間姿をくらましていたのだが、1年後となる2024年になると、目撃情報がいくつも寄せられた。

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 そこで現地の保護団体Kangala Wildlife Rescue(KWR)[https://kangalawildliferescue.com/]が、情報をもとにヴァレリーの行方を探し始めたところ、2025年3月27日、スタッフがその目でヴァレリーの姿を確認する。

 ヴァレリーは野生の中で1年半近くも生き延びていたのだ。

 生存が確認されて以降、飼い主とKWRやボランティア、そして地元の住民たちが、チームを組んで彼女の保護作戦に取り組んで来た。

慎重な保護作戦が続けられていた

 ヴァレリーは長期間野生で過ごしていたため、警戒心が高く、人間の気配を感じるとすぐに逃げてしまい、なかなか捕まえることができなかった。

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 そこでヴァレリーの信頼を得ることを最優先とし、細心の注意を払いながら計画を進めた。

 まずヴァレリーが好んで訪れる場所を複数の監視カメラで特定し、彼女の行動パターンを丁寧に記録していった。

 そしてその動きを追跡し、彼女が特定の場所に繰り返し姿を見せることを確認すると、そこを「救助エリア」に設定。ヴァレリーが安全だと感じられる環境を少しずつ整えて行った。

 下は救助エリアに置かれた餌箱で遊ぶヴァレリー。

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 救助エリアには捕獲用のケージが置かれ、周囲には飼い主であるジョージアさんのニオイのついた服や、ヴァレリーがかつて使っていたオモチャやベッドなどが置かれた。

 ヴァレリーがそういったものを覚えていたかどうかはわからないが、少しずつ彼女が救助エリアで過ごす時間は長くなっていった。

 徐々にケージへの警戒心も薄れていき、その周辺でリラックスして遊ぶようになったヴァレリー。

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 こうした地道な努力の結果、ヴァレリーが自分からケージの中へ入っていったタイミングを見計らって、静かに扉を閉めることに成功したのである。

 ヴァレリーがケージに入った瞬間、スタッフたちは無線で連絡を取り合って速やかに現場へ向かった。彼女を驚かせないよう、誰一人として大きな声を出すことはなかったという。

注目されていた犬発見のニュースに様々な反応

 この嬉しいニュースに、心配していた世界中の視聴者からは、喜びのコメントが殺到している。だが中には、1年以上も放置していたとして、飼い主を批判する意見も散見された。

  • 最高のニュースだ! やっとヴァレリーが家に帰れるんだ!
  • ヴァレリーの視点での映画を作ってほしい
  • この飼い主は、ヴァレリーが行方不明になった後すぐに島を立ち去ったんだ。飼い主の資格はないよ。別のもっとふさわしい飼い主を見つけてほしい
    • その通り! ヴァレリーにはもっと愛情深い飼い主が必要よ。彼らは何もしなかった。私なら365日24時間そこを離れずに探し続けるわ!
    • 最初、ヴァレリーは死亡したと推定されて、最近まで目撃情報はなかったんだ。彼らは自分たちにできることはしたんだよ
    • 彼らは島での滞在を延ばして探し回っていたよ
    • うちの犬はこんな風に逃げたりしないし
    • 犬を探すために仕事を辞めろと? ホテル代を払い続けて?
    • どんなに愛され、訓練された犬でも、サバイバルモードに入ると飼い主を含め人間に近寄りません。脳が生き延びることだけに集中するからです。このような状況では、捕獲するしか連れ帰る方法はないんです(保護団体KWR)
  • ヴァレリーは野生で生きてきた時間が長くなってしまったから、飼い主が以前のように彼女を扱えるかどうかは疑問だけどね
  • 保護されたのは素晴らしいことだけど、もしヴァレリー自身が自由でいたいと思っていたとしたらどうなの? このままにしておくべきだったんじゃないかな
    • どんな犬も、置き去りにされたくはないんです。彼女は怯えていて、独りぼっちでした。鷲や蛇、厳しい天候に屈するのは時間の問題でした。ヴァレリーは疲れ果てていますが、今は幸せそうですよ(保護団体KWR)
  • まあ、彼女を無事に保護した!と思っているようだけど、それは結局彼女がそう望んだからだよね
  • スムーズに飼い犬としての生活に戻れるといいですね
  • ぜひ飼い主さんと再会したときの様子を見せてください
  • 本当に素晴らしい人たち! ヴァレリーを救うために尽力した姿は、見ているだけで心が温かくなりました
  • 500日以上逃走していて、捕まったときカメラにウインクして見せるなんて、ダックスフンドらしい行動だと思うよ
  • このニュースを聞いて幸せな気持ちになりました
  • チームの皆さん、おめでとう! 素晴らしい努力でした
  • なんてエキサイティングなニュースでしょう。嬉しくて泣きながら踊っています。チームの皆さん全員にハグを届けたい!

ヴァレリーの元気な姿を見られるのもすぐ!

 最終的に、ヴァレリーの捜索には、1,000時間以上のボランティア活動と、約5,000kmもの移動距離が費やされた。

 カメラや罠の設置、救助エリアの保持や監視など、テクノロジーの駆使と人海戦術で、ヴァレリーの安全を最優先に確保しながらのミッションとなった。

 特に救助エリアに置いた餌は、他の野生動物たちにも目をつけられ、ヴァレリーが来る前に食べつくされてしまうことも多かったらしい。

 KWRの広報は、ヴァレリーの無事な姿の映像と共に、次のようなメッセージを発表した。 

Kangala Wildlife Rescueは、529日前にカンガルー島で行方不明になったミニチュアダックスフントのヴァレリーの救出に成功したことを、喜びを込めて発表します。

ボランティアと提携団体による数週間にわたるたゆまぬ努力の結果、ヴァレリーは無事救出され、元気に過ごしています。

私たちはヴァレリーがついに無事に救出され、愛する両親、ジョシュとジョージアの元へ戻れたことを心から嬉しく思い、そして心から安堵しています。

 下はジョージアさんもとで暮らしていた頃のハッピーなヴァレリーと同居猫。またこんな日々が戻ってくる日も近い。

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 見事ミッションコンプリートとなった今、ヴァレリーはもちろん、捜索にあたったスタッフたちもつかの間の休息をとっているとのこと。

チームは現在、この素晴らしい成果を振り返り、長時間にわたる救助活動の後で少し休息を取っています。

ヴァレリーの救助に関するさらなる詳細、映像や写真も近日中に共有する予定です。最新情報はぜひ私たちのSNSでチェックしてください

 ということなので、飼い主さんの元で元気にしているヴァレリーの様子は、近日中に共有されると思う。

 その際はここでも続報として紹介したいと思っているので、ぜひ楽しみに待っていてほしい。 

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