最大11連休になる今年のゴールデンウィーク高速道路を使って車で遠出する人も多いのではないでしょうか。

そんな時に頭に入れておきたいのが運転にまつわるルール。せっかくの楽しいドライブも途中で警察のお世話になってしまってはテンションもガタ落ちですよね。

ゴールデンウィーク高速道路を運転する際に抑えておきたい違反行為と注意点をJAFセーフティアドバイザーの杉本実さんに聞きました。

ポイント①:ガス欠や路肩に停車しての通話は違反
ポイント②:後部座席も必ずシートベルトを!!
ポイント③:「停止表示板」を必ず搭載
ポイント④:睡眠不足も違反の可能性
ポイント⑤:5月でも車内は高温!熱中症に気をつけて
ポイント⑥:長距離ドライブではSAやPAで車を降りて体を動かそう
ポイント⑦:長距離運転やしばらくぶりのクルマ使用となる際は日常点検を

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

●ポイント①:ガス欠や路肩に停車しての通話は違反

高速道路で燃料切れ(ガス欠)を起こして走行不能になることは違反行為です。高速道路を運転する際には、運転者が事前に燃料やオイルの量を確認し、燃料不足などで走行できなくなる事態を防ぐ義務があります。

この義務は、高速道路での燃料不足による走行不能や、それに伴う二次的な事故を防止するために定められています。燃料切れによる高速道路上での停車は、たとえ路肩に停止していたとしても事故の原因となる可能性があり、大変危険です。燃料に余裕を見て早めの給油を行うように心がけましょう。

また、運転中に急ぎの電話がかかってきた場合、路肩に停車して電話に出る行為も違反になります。高速道路を走行する自動車は、「法令の規定または警察官の命令による場合、もしくは危険を防止するために一時停止する場合を除き、停車や駐車をしてはならない」とされています。

この規定における「停車」には、路肩への停車も含まれるため。故障など駐停車がやむを得ない場合は路肩に停車することが認められています。しかし、電話に出るための停車は「やむを得ない場合」には該当しません。

そのため、高速道路で電話がかかってきた際は、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)の駐車場など、停車や駐車が許可された場所に移動してから対応するようにしましょう。

●ポイント②:後部座席も必ずシートベルトを!!

同乗者を車に乗せる場合、シートベルトの着用は後部座席も含めて全席で義務となっています。これは一般道路でも高速道路でも変わりません。

走行中にシートベルトを着用していない場合、「座席ベルト装着義務違反」となるため注意が必要です。

また、6歳未満の子どもはチャイルドシートの使用が義務付けられています。6歳以上でも体格(目安として身長150cm以下)によってシートベルトを適切に装着できない子どもについては、学童用チャイルドシートやジュニアシートを使用しましょう。

●ポイント③:「停止表示板」を必ず搭載

故障やその他の理由により車を運転することができなくなった場合には、政令で定められている方法に従い、車が停止していることを明確に表示しなければなりません。

車に搭載されている発炎筒の燃焼時間は約5分間です。しかし、発炎筒だけでは停止表示板の代わりにはならないため、高速道路上で故障などにより車が停止していることを示す手段としては不十分です。そのため、停止表示板の使用が義務付けられており、使用しない場合は違反となります。

さらに、本線や路肩で車を停止せざるを得ない状況になった場合は、車内にとどまるのではなく、全員がガードレールの外側に避難することが重要です。安全を確保するためにも、この行動を徹底しましょう。

●ポイント④:睡眠不足も違反の可能性

「渋滞を避けるため、十分な睡眠を取らないまま疲れが抜けない状態で出発してしまいました」ーー。このような行為は、場合によっては違反に該当する可能性があります。

道路交通法第66条では、「過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と規定されています。

この条文に記載されている「過労、病気、薬物の影響」は具体例であり、これらに限らず「正常な運転ができないおそれがある状態」での運転は法律で禁じられています。 睡眠不足は、判断力の低下や居眠り運転の原因となり、特に疲労がたまりやすい長距離ドライブでは重大な事故につながるおそれがあります。

そのため、運転前には必ず適切な休息を取ることが重要です。 また、運転中に眠気を感じた場合は、速やかに停車して休息を取り、疲労を回復させるよう心がけましょう。

また、車内のCO₂が増えると、疲労感の増大や注意力の低下、さらに、眠気や頭痛を訴える人が増加します。一概には言えませんが、CO₂が増えるほど影響が大きくなるのは明らかなので、運転中はできるだけ外気導入にするか、最低でも1時間に1回は換気するといいでしょう

●ポイント⑤:5月でも車内は高温!熱中症に気をつけて

春先から初夏の気候でも、車内の温度は高温になります。また、湿度が高い熱中症の危険性が高まりますので、小さい子どもやペットを車内に残すことは「危険」です。

少しの時間だからといって、車内に小さな子どもを残すことは止めましょう。 その他 、 いたずらなどで危険が伴うと考えられる物(ライター、カッター、工具など) は、子どもと一緒に車内に放置しないようにしましょう。

●ポイント⑥:長距離ドライブではSAやPAで車を降りて体を動かそう

高速道路などを利用した長距離ドライブでは、渋滞などで数時間にわたり車内に留まる可能性があります。そのような場合には、計画的にサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)を活用し、車を降りて身体を動かすことを心掛けましょう。

JAFのホームページには「座ったままできるドライビングストレッチ」が掲載されていますので、ぜひ実践してみてください。

●ポイント⑦:長距離運転や、しばらくぶりのクルマ使用となる際は日常点検を

日常点検は、走行距離や運転時の状態などから判断して実施するもので、ユーザー本人が比較的容易に行うことができる点検内容なので、確実に実施しましょう。

目安としては1カ月に1度、もしくは長距離走行前に行うのが一般的です、ご自身での点検が不安な方は自動車ディーラーでの点検をお勧めします。

日常点検15項目(私にもできるマイカー点検) | JAF

「ガス欠」や「路肩での停車」…意外と知らない高速道路における違反行為 JAFに聞く