
沖縄弁護士会は4月28日、米国による国際刑事裁判所(ICC)関係者への制裁措置に対し、「国際法に基づいて設立された司法機関の独立性に対する不当な干渉」として反対する会長声明を発表した。声明では日本政府に対し、ICCの独立性と公正な司法活動を阻害する制裁に明確に反対するよう求めている。
背景には、ICCが2024年11月21日にガザでの戦争犯罪と人道に対する罪でイスラエルのネタニヤフ首相らに逮捕状を発行したことに対し、トランプ米大統領が2025年2月6日、ICC関係者の資産凍結や米国への入国禁止などを内容とする大統領令に署名したことがある。
● 「ICCそのものの存続を脅かす重大な行為」と警鐘沖縄弁護士会は声明で、米国の制裁措置について「ICCそのものの存続を脅かす重大な行為である。加えて、ジェノサイド等の最も深刻な国際犯罪の処罰や被害者の保護を困難にし、国際社会の平和と安全の維持を著しく後退させるおそれがある」と指摘している。
声明では、ICC赤根智子所長の出身国である日本が、英仏独など79の国・地域による米大統領令批判の共同声明に加わっていないことについて「国際社会における法の支配を最も重視してきた日本の基本的姿勢にそぐわない」と批判。日本政府に対し「国際社会における法の支配を貫徹するために、ICCの独立性と公正な司法活動を阻害する活動や制裁に対して明確に反対する立場を表明するとともに、ICCの機能強化のための人的・物的支援を拡充する等、ICCを積極的に支援することを求める」としている。

コメント