上白石萌歌5月8日に都内で行われた映画「パリピ孔明 THE MOVIE」公開記念舞台あいさつに、詩羽(水曜日のカンパネラ)と菅原小春と共に登壇した。

【写真】こぼれた涙をぬぐう上白石萌歌

■上白石、観客と作品を鑑賞「みんなでこの時間を共有できてとてもうれしかったです」

本作は、累計発行部数250万部超の大人気コミック「パリピ孔明」を実写化したもの。2023年秋に連続ドラマとして放送され、今回、劇場版が公開された。三国志の天才軍師・諸葛孔明(向井理)がなぜか現代の渋谷に転生。アマチュアシンガー英子(上白石萌歌)の歌声に心奪われた孔明は、英子と共に音楽のちからで“天下泰平”を目指すという物語。今回の劇場版では、日本を代表する3大音楽レーベルが頂点を競う、史上大祭の音楽バトルフェスが舞台に。菅原は人気シンガーのミア西表役で、詩羽はシンガーソングライターのshin役で出演。

イベント前に本編を観客と一緒に客席で鑑賞した上白石は「私、応援上映初めてで。みんなで気持ちを一つにしながら映画を観るっていう体験が初めてだったので、より一層『パリピ孔明』という作品への愛が深まりましたし、サイリウムを画面の中でも振ってて、こっち(客席)でも振ってて、すごく不思議な気持ちでした。みんなでこの時間を共有できてとてもうれしかったです」と笑顔で伝えた。

役づくりについては「歌を歌う中でも、歌にも主人公がいて、その人物の気持ちで声を発してみたりするんですけど、私、お芝居でもその役のテーマソングとかがあるんですよ。だから、お芝居も歌もどちらにも作用している感じがあって、その両輪で役を演じるっていうことが多いです。歌とお芝居はすごく近いところがあるなって思います」と自身の考え方とやり方を語った。

向井理からのサプライズの手紙に「孔明、ありがとう!」

イベント後半、諸葛孔明役の向井理からサプライズで手紙が送られ、MCが代読した。

「上白石さん、いや、英子さん。ドラマの撮影前にリハーサルをしたのが2023年5月13日、足掛け三年。この作品では最も多くの時間を過ごしました。撮影中はいろいろ話したよね。悩みを相談したり、孔明と英子の見え方を考えてお互い意見を出し合ったり。いつも一生懸命でまっすぐなあなたにどれだけ勇気づけられたか。役柄を超えて心から支えたいと思える存在でした。英子が上白石さんでなければこんなに自由に孔明を演じることができたか分からない。最高の“我が君”だったよ。またどこかでご一緒できるよう精進します。その前にまたどこかでご飯に行きましょう。本当にお疲れ様でした」という内容の手紙が読まれると、最初は「我が軍師!」とうれしそうな表情を見せていた上白石の瞳から涙がこぼれ落ちた。

涙をぬぐいながら上白石は「本当に愛のこもったお言葉ありがとうございます。思い返せば3年前に『パリピ孔明』というプロジェクトが始まって、孔明と一緒にリアルでも、私は向井さんという大先輩に頼りながら、英子という役を迷いながらも演じさせていただいたので、本当に心の底から軍師だと思っていますし、こんな素晴らしい軍師に巡り会えて、こんな宝物のような作品を一緒に駆け抜けられたことは本当に人生の宝だと思っています」と振り返りつつ感謝し、「なんで今日いないの? 会いたかった!」と思いを伝えた。そして「孔明、ありがとう!」と改めて感謝した。

最後は、上白石が「『パリピ孔明』という作品は、スタッフ、キャスト全員、音楽に心を震わされた人たちが、音楽愛をそれぞれいろんな形で持ち合って作った大切な作品です。人生を生きてきて音楽に救われたことのない方はいないと思います。そんなみなさんの心に届くように一生懸命作った作品ですので、もっともっとたくさんの方に届くようにご協力いただければと思っております。ぜひ面白かったと思ったらまた劇場に足を運んでください」というメッセージを呼びかけて締めくくった。

◆取材・文=田中隆信

映画「パリピ孔明 THE MOVIE」公開記念舞台あいさつに登壇した英子役の上白石萌歌/撮影:田中隆信