
現球界で異彩を放つパフォーマンスを披露している大谷。(C)Getty Images
現球界のヒーローとレジェンド打者――。答えの尽きない比較論が波紋を呼んでいる。
キッカケとなったのは、米球界の人気アナリストのSNS投稿だ。ドジャースの大谷翔平が思わずバンザイをしてしまう会心の12号を放った5月9日に米スポーツ専門局『FOX Sports』のベン・バーランダー氏は自身のXで「まさに映画のようだった。私たちがこれまで見た中で最も偉大な野球選手が、試合を決める特大のホームランを放ち、同時に相手チームを挑発した。生きていてよかった」と投稿した。
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おそらくバーランダー氏がポストした内容に他意はない。本塁打を放った打った直後に、やや挑発的なバットフリップを見せ、「どうだ」と言わんばかりの振る舞いを見せた大谷は、確かに絵になった。MLB公式Xが「まるで映画だ」と反応したことからも、その映え方がどれだけ優れていたかは分かる。
ただ、「最も偉大な野球選手」というワードは思わぬ論争を生んだ。バーランダー氏のポストに対して、「バリー・ボンズが言いたいことがあるそうだよ……」と噛み付いたのは、MLB通算2726安打を放った大打者チッパー・ジョーンズ氏だ。
ボンズと言えば、MLB通算762本塁打を放ち、2001年にはシーズン73本塁打、OPS1.378の異次元の数字を出した大打者である。晩節を汚した薬物使用疑惑によって何かと物議を醸している存在ではあるものの、野球界には「ボンズこそ史上最高」と論じる人は少なくない。
そんなボンズの最盛期に、自身も現役時代を過ごしていたジョーンズ氏にとって、「最も偉大な野球選手」を大谷とするのは、納得がいかなかったのだろう。
さらに「バリー・ボンズは確かに史上最高のバッターだと思う。手放しでそう言える。ただ、オールラウンドプレーヤーかな? 投手+打者。ショウヘイを挙げないのは難しい」というバーランダー氏の反応にも、“ありえない”とばかりに異論を唱えている。
「君はボンズのゴールドグラブと盗塁数をチェックした方がいいかもしれないね。彼は『単なる』バッター以上の選手だった。そして、オオタニについて言いたいことは分かるが、彼はまだ十分な投球すらしていないし、ポジションプレーヤーとして議論になるようなプレーもしていない」
何かと往年のレジェンドとの比較論の的とされる大谷。ただ、それはある意味で、彼の影響力の大きさを物語る一例とも言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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